目次
- 1. ユスリカとは?不快害虫だが「蚊」とは違う
- 2. ユスリカがもたらす被害について
- 3. ユスリカの効果的な駆除方法
- 4. ユスリカの発生や家の中への侵入を防ぐには?
- 5. ユスリカが大量発生してお困りなら業者に相談する手も
1. ユスリカとは?不快害虫だが「蚊」とは違う

ユスリカは、屋外で大量発生し蚊柱を作り出し人に不快感を与える害虫だ。不快なので駆除方法が気になるが、まずはユスリカの特徴や発生時期、発生場所などについて紹介していこう。
見た目の特徴や生態
体長1~10mmくらいのユスリカは、見た目が蚊に似ているので「刺される前に」と駆除したくなるが、蚊の生態とは大きく異なる。ユスリカは蚊と違って口器がなく、人を刺して吸血することがないのだ。ユスリカの成虫のオスは、交尾するために群飛して蚊柱を作り出しメスを呼び寄せるのが特徴である。
成虫になってからの寿命は短い
ユスリカは卵から2日ほどで幼虫に孵化し、短い蛹期間を経て成虫になる。成虫になっても消化器や口器が退化しているので、栄養分が摂れず1日~数日で死んでしまうのだ。そのため、成虫のユスリカはすぐに交尾をして産卵し、子孫繁栄に専念するのである。
発生しやすい時期や場所は?
ユスリカが大量に発生する時期は、初夏から秋の終盤頃である。産卵場所が水辺であり幼虫時期を水中で過ごすことから、川や側溝、用水路など流水域に多く発生する。ユスリカの成虫は、照明の光に引き寄せられる習性があり、人家の灯りや庭の外灯などに群がるのが特徴だ。
2. ユスリカがもたらす被害について

では、ユスリカが大量発生した場合、どんな被害がもたらされるのか説明していく。
大量発生すると不快なだけでなく実害も生じる
大量のユスリカは見る人に不快感を与えるだけでなく、高いものに集まる習性から人の頭上で蚊柱を作り出し、まとわりついてくるなどの害をもたらすことがある。また近隣で大量発生したときは、窓を開けると室内へ侵入されるため、閉めっぱなしの生活を強いられる場合もあるのだ。
洗濯物に付着することもある
ユスリカは家の周囲にも飛来するため、外に干しておいた洗濯物につくことがある。洗濯物にユスリカが付着するだけでも不快だが、追い払ったり駆除したりするときに、潰してしまうと黄色い液体が出て洗濯物が汚れる場合もあるので注意が必要だ。
微細塵となった死骸を吸い込めばアレルギーのリスクも
ユスリカは不快感だけでなく、アレルギー疾患をもたらすきっかけにもなりうるので気をつける必要がある。駆除できず死骸となったユスリカは、乾燥して粉砕されると細かい塵となって空中に浮遊する。その微細塵を長期間吸い込み続けると、アレルギー鼻炎などの症状を引き起こす可能性があるのだ(※1)。
3. ユスリカの効果的な駆除方法

不快なユスリカを効果的に駆除するにはどんな方法があるのか、ここでは具体的な駆除方法について紹介する。
卵や幼虫のうちに駆除剤を散布する
ユスリカの発生を防ぐには、成虫に羽化させないことが大切であり、卵や幼虫時期での駆除が重要だ。卵や幼虫を駆除するには昆虫成長制御剤を使用するのが効果的だが、使用の際には専門的な知識を要するため、専門業者などに依頼するのがおすすめだ。
成虫には殺虫スプレーを噴霧する
ユスリカはもともと成虫の期間が短く寿命となるため、成虫になってからの駆除が効果的とはいい難い。しかし、既に発生しているユスリカの成虫には、駆除や室内侵入の防止策として市販の殺虫スプレーが有効である。殺虫スプレーを屋外で使用する場合は、蚊柱に直接噴きかけるとユスリカを大量に駆除することが可能だ。
船橋市役所などユスリカの駆除剤を配布している自治体も
ユスリカの大量発生防止策として駆除剤配布を行う自治体も存在する。たとえば船橋市役所では、ユスリカの幼虫に効果があり、ほかの生物に悪影響を与えない脱皮阻害剤の無料配布を行っている。
4. ユスリカの発生や家の中への侵入を防ぐには?

ユスリカを駆除するのに抵抗がある人もいるだろう。駆除したくない場合は、ユスリカの発生や室内侵入を防ぐことが重要だ。ここではユスリカの発生予防から侵入防止対策まで効果的な方法を説明していく。
水場や雑草といった「発生源」をできる限りなくす
ユスリカの発生を防ぐには、生息しやすい環境をできる限りなくすことがポイントだ。ユスリカは水辺や側溝だけでなく、家の敷地内の庭でも卵を産み、幼虫から羽化できるのである。雑草が生い茂る場所や、泥を含んだ水たまりなどで産卵するため、雨水がたまったまま庭に放置しているバケツなど、ユスリカの発生源になりうるものの撤去が重要だ。
侵入対策には紫外線を出さない照明や虫除けなどが効果的
室内にユスリカが侵入すると気になる人も多いだろう。ユスリカは、紫外線を含む照明を好み、室内から漏れた光に引き寄せられて室内に侵入するのである。対策方法としては、紫外線を含む蛍光灯をLED照明に替えたり、窓に紫外線をカットするシートを貼ったりするのが有効だ。また、侵入口になりやすい窓や網戸などに虫除けスプレーを噴霧することでも効果が見込める。
5. ユスリカが大量発生してお困りなら業者に相談する手も

これまでユスリカを自身で駆除したり、予防したりする方法を紹介してきたが、実際に駆除を行うのは手間や時間がかかるので大変だ。また、汚水の浄化に役立つユスリカを大量に駆除すると生態系のバランスを崩す可能性があり、素人判断が難しい。そのため、ユスリカ被害に悩む方は駆除業者に相談するのも1つの方法である。
結論
すでに発生している不快害虫ユスリカを駆除するには、殺虫スプレーなどの薬剤が有効だ。快適な生活を送るために発生や侵入を予防したいのなら、自宅周辺にユスリカが好む環境を作り出さないことが大切である。庭に雑草が生い茂っていないか、不要な水たまりができていないか確認してみるとよいだろう。
(参考文献)
※1出典:医療法人FUKUJIN ふくおか耳鼻咽喉科「昆虫アレルギー性鼻炎 」