目次
1. ユスリカという虫について

ユスリカがどのような虫なのか詳しく解説しよう。基礎知識や習性、被害についてまとめた。
益虫でもあり害虫でもある
ユスリカは湖や沼、側溝、水たまりといった水の中に産卵する。幼虫は水質汚染の原因となる有機物を食べて成長。水質の改善と維持に役立つため益虫とされる。一方で大量発生したユスリカは不快な印象を与えるだろう。洗濯物に付着するといった被害もあるため、不快害虫とするケースは多いのだ。
蚊に似ているが人は刺さない
ユスリカはハエ目のユスリカ科に属している。一見すると蚊に見えるが別の虫なので、人を刺したり吸血したりすることはない。口や消化器が退化しているため食べることができず、成虫になると数日で死んでしまう。ものを食べられないユスリカは、誘引剤を使用してもコバエのように捕獲することはできない。
灯りに集まる習性がある
ユスリカは家の照明や街灯などの明かりを好む。昼間は草や木の影に潜んでいるが、暗くなると集団で灯りを目指して飛ぶ。玄関の照明や窓から漏れる灯りに寄ってきて、朝になれば家の周りにユスリカの死骸が落ちていることもあるのだ。
死骸がアレルギーの原因となることがある
ユスリカの死骸が乾燥すると細かなチリになって空気中を浮遊する。このチリを吸い込むと、ぜんそく(ユスリカぜんそく)やアレルギー性鼻炎になる恐れがあるため注意が必要だ。大量発生したユスリカが網戸に付着して死骸になり、室内にチリが入るケースもあるので掃除で取り除こう。
大量発生して蚊柱を作ることがある
蚊柱(かばしら)とは蚊が集まって作る大群だ。主にオスで構成されており、そこにメスが飛び込むことで交尾をする。蚊柱は高いものに集まる習性があるため、人の頭の周りを集団で飛び回ることも多い。
2. ユスリカに効く対策は?

ユスリカの対策や駆除のやり方は成虫と幼虫で異なる。効果的な方法をそれぞれ紹介しよう。
成虫
侵入経路をなくす
ドアや窓など侵入場所になる場所は開けっ放しにしない。窓を開けるときは網戸を閉めておこう。ユスリカは灯りに寄ってくるので、光が漏れにくい遮光カーテンを使用するのがおすすめだ。また、虫は照明に含まれる紫外線を認識して近づいてくる。窓用シートなど紫外線を遮るためのグッズを使ったり、紫外線が少ないLED電球に変えたりするのも効果的だ。
殺虫剤で駆除する
殺虫剤をユスリカに使えば簡単に駆除できる。大量発生したときは蚊柱に吹きかけて一気に駆除しよう。
忌避剤で遠ざける
ユスリカが嫌がる忌避剤を使った対策だ。網戸や外壁、玄関灯に吹きかけるだけのスプレータイプや、玄関先やベランダにつるすタイプがある。ただし、どちらも効果が一定期間でなくなるので、事前にチェックしておくことが重要だ。
幼虫
水場をなくす
ユスリカが卵を産み付ける水場をなくす。バケツや植木鉢の受け皿など、水がたまるものは庭に置かないようにしてほしい。同じ場所に水たまりができるなら水はけをよくしよう。雨水ますや水路が敷地内にある場合は、幼虫のエサになる汚泥を除去するとよい。
雑草を刈る
ユスリカの成虫は雑草を隠れ場所にする。生い茂っていると繁殖しやすい環境になるので、定期的に雑草を刈っておくことが重要だ。
河川などに殺虫剤を散布する方法は注意が必要
ユスリカが河川などに発生した場合は、殺虫剤を散布すれば駆除できるだろう。ただし、散布量が多かったり使い方を間違ったりすれば、自然環境への影響が心配だ。魚やプランクトンに悪影響がでる恐れがあるので、自治体や専門業者に依頼しよう。
3. ユスリカの対策や駆除にお困りなら自治体に相談する手も

ユスリカの大量発生をした場合、自分で駆除や対処するのが難しいケースも多い。自治体に相談するのも選択肢の一つだ。
駆除剤の無料配布や斡旋をしてくれる自治体がある
自治体によってはユスリカの対策をしている。たとえば船橋市では駆除剤の無料配布、新発田市なら駆除剤の斡旋というようにだ。板橋区役所の場合は電撃殺虫機の設置をしている。大量発生に困っているなら、お住まいの自治体に相談するのがおすすめだ。駆除剤の無料配布や斡旋を申し込む場合は、詳しい条件を事前に確認しておこう。
結論
ユスリカは水質を改善する益虫だが、不快害虫としての一面もある。灯りに集まる、蚊柱を作るなどの習性をチェックして、対策をすることが重要だ。成虫なら侵入経路をなくす、殺虫剤で駆除するなどの方法が有効になる。幼虫には水場をなくしたり、雑草を刈ったりといった対策を実施しよう。駆除剤の無料配布や斡旋をしている自治体もあるので、大量発生で困ったときは相談してほしい。