目次
1. アブラムシとは?

葉っぱの裏や茎などに、ビッシリと密集するアブラムシ。アブラムシは植物にどのような影響を与える害虫なのだろうか。
アブラムシが発生する時期
アブラムシは植物が元気な間は寄生し、とくに気温が上がる3~11月は活発に活動する。体の色も緑だけでなく、黒、黄色などいろいろで、体長は2~4mmほどだ。繁殖期は4~6月と9~10月。卵から成虫、そして再び卵を産むまでに10日間と短いため、あっという間に増えてしまう。
アブラムシによる被害
アブラムシは、植物の汁が大好物だ。新芽やつぼみに群がり、植物の大切な栄養分を吸って生育を阻害するため、最終的には枯らしてしまうこともある。また、アブラムシは、ウイルスを媒介することもあるので厄介だ。ウイルスにかかっている植物の汁を吸った口針でほかの植物の汁を吸うことで、ウイルスを移してしまう。
そのほかにもアブラムシの甘い排泄物は、アリやすす病菌を呼びよせる。さらに、アブラムシをエサとするスズメバチなどの危険な昆虫が寄ってくるなどの被害も見逃せない。
2. アブラムシ駆除スプレーの手作り方法

アブラムシの駆除スプレーは、家にあるもので簡単に手作りすることができる。作り方と使用方法を紹介しよう。
牛乳スプレーの作り方
アブラムシの背中には、呼吸器がある。牛乳は乾くと膜を張るという性質があるため、牛乳を入れた手作り駆除スプレーをするだけで、窒息死してしまうのだ。作り方は牛乳と水を1:1にしてスプレーボトルの中でよくかき混ぜるだけ。あとはアブラムシに駆除スプレーをかけて乾くのを待てばよい。しっかり乾かすのがポイントなので、よく晴れた日を選んで駆除しよう。
木酢液・酢スプレーの作り方
木酢や酢を使って、アブラムシの手作り駆除スプレーを作ることができる。木酢の場合は、スプレーボトルに入れて50~100倍に薄めてからスプレーするとよい。酢の場合は、水1リットルに対して酢30ccを入れて薄めてからスプレーしよう。木酢も酢もアブラムシの苦手なニオイで、予防効果もある。ただし、ニオイはすぐに薄まってしまうので、こまめにスプレーすることがコツだ。
唐辛子スプレーの作り方
唐辛子のカプサイシンを使った手作り駆除スプレーだ。まずはアルコール度数の高いお酒、あるいは消毒用アルコールに唐辛子を10本程度浸け込んでおく。2~3週間浸けて、カプサイシンが抽出されるのを待とう。できあがった唐辛子液は150~300倍程度に水で薄め、駆除スプレーを作る。唐辛子スプレーを使うときには、目や口に入らないようにゴーグルやマスクを着用しよう。
でんぷんスプレーの作り方
でんぷんを使った手作り駆除スプレーをアブラムシにかければ、牛乳と同じように膜を作って窒息死させることができる。作り方は、鍋に水1リットル、片栗粉を大さじ1~2杯入れて約3分沸騰させればよい。冷たい水ではでんぷんが溶け切らないので、必ず沸騰させることがポイントだ。また、片栗粉を入れすぎるとスプレーボトルが目詰まりしてしまうので、注意しよう。
はちみつスプレーの作り方
はちみつを使った手作り駆除スプレーだ。はちみつのねっとりした質感で、アブラムシの呼吸穴を封じて駆除する。作り方は、はちみつと水を入れてよくかき混ぜるだけだ。ポイントである「ねっとり感」を失わないように割合は調整しよう。
石鹸スプレーの作り方
石鹸でもアブラムシの駆除スプレーは手作りできる。作り方は、500mlのペットボトルに油1、2滴、同量の台所用中性洗剤、水500mlを入れてよくかき混ぜたら、スプレーボトルに移し替えるだけだ。固形石鹸なら、水1リットルに対して1gをピーラーなどで削ってよく溶かそう。これをスプレーボトルに移してアブラムシに吹きかけるとよい。持続性はないので、こまめに駆除するのがコツだ。
結論
アブラムシは、放置しておくと植物を弱らせてしまう害虫だ。ウイルスを媒介する可能性もあるので、早めに駆除しよう。農薬を使いたくない場合には、家にあるもので駆除スプレーを手作りするとよい。農薬のように即効性や持続性はないが、こまめにスプレーすることで、駆除・予防することができる。何よりも安全・安心なのが最大のメリットだ。