目次
1. チョウバエとは?

チョウバエはコバエの一種で、北海道から沖縄まで日本全国に分布する。高温多湿を好み、暖房が完備されている環境下では1年中繁殖するチョウバエもいるため対策が必要だ。
チョウバエの特徴
日本に生息するチョウバエは約50種類もいる。中でも「オオチョウバエ」と「ホシチョウバエ」は、私たちが目にすることが多い種類といえるだろう。
オオチョウバエの特徴は、体色は濃いグレーで、見る角度によってはハート形に見えることで、体長は4~5㎜程度だ。ホシチョウバエの体長は約2㎜と小さく、白っぽい体色をしている。
チョウバエの生態や発生時期
チョウバエは高温多湿を好むため、主な活動時期は夏になる。非常に繁殖力が旺盛で、雌1匹当たりの産卵数は200個以上。卵から成虫になるまで2週間程度、成虫の寿命も2週間程度だ。1年間に5~6世代を繰り返すため、大量発生しやすい。
チョウバエによる健康被害
チョウバエは、蚊のように刺して吸血したり、感染症を引き起こしたりすることはない。ただし、チョウバエは夜間に活動することが多く、人が寝ているときに人体に卵を産み付けてしまい、まれに「ハエ症」を引き起こすことがある。
ハエ症とは、チョウバエの幼虫が人体に入り込み寄生するというものだ。寄生するのは消化器系、気道、泌尿生殖器、まぶたなどさまざまだ。症状としては、腹痛や違和感、まぶたの腫れなどがある。
2. チョウバエが発生しやすい場所

チョウバエが大量発生する原因は不衛生な環境だ。有機物を多く含んだ汚泥やヌメリを好む。家の中でとくに対策が必要な場所は水回りだ。
お風呂
お風呂場は、垢や石けんカスなどが溜まる排水口や排水管の中で発生しやすい。見逃してしまうのが、浴槽の下だ。ユニットバスにはエプロンと呼ばれる側面カバーがある。ここは、ジメジメして暗いので、チョウバエにとっては繁殖しやすい場所だ。お風呂場では、エプロンを外して掃除することがチョウバエ対策になるだろう。
洗面所
洗面所でチョウバエが発生した場合に疑わしいのは、オーバーフローだ。これは洗面台から水があふれないようにするための穴で、ヌメリが出やすい。また、洗面所に洗濯機を置いている場合、防止パンの排水口がチョウバエの発生源となることもある。いずれにせよ、こまめに掃除することが最大の対策だ。
キッチン
キッチンの排水口や排水管は、油や生ゴミなどの汚れが溜まりやすい場所だ。そのほかにも三角コーナーなど、チョウバエが好みそうな場所がいたるところにある。対策としては、できるだけ清潔にしておき、生ゴミは溜めずに処分することだ。
トイレ
トイレでチョウバエを発見した場合、まず疑ってみるのはトイレタンクの中だ。また、トイレのニオイに誘われて、外からチョウバエが侵入してくることもある。トイレでのチョウバエ対策には、網戸などで外からの侵入を防ぐことが大切だ。
3. チョウバエを発生させないための対策

チョウバエは、一度大量発生すると、なかなか駆除するのが大変だ。なぜなら、配管自体を掃除する必要があるからだ。普段からチョウバエを発生させないための対策を講じておこう。
水回りを清潔に保つ
チョウバエは、ヌメリや汚れをエサとしている。発生源となる水回りはできるだけ清潔を保つようにしよう。エサや快適な場所がなくなれば、チョウバエも繁殖することはできない。
室内への侵入を予防する
チョウバエ対策として、外から侵入させないことも大切だ。水回りに近い窓の網戸はしっかり閉じておき、網にほころびがないかチェックしよう。忌避剤をまいておくのも効果がある。
排水管をなるべく汚さない
排水管は目に見えない場所にあるので、汚れが実感できないかもしれない。普段から排水管を汚さない工夫が大切だ。
たとえば、キッチンやお風呂場などで生じる細かいゴミは、排水口に網をかぶせることで排水管まで流れずに済む。油汚れは、できるだけキッチンペーパーなどで拭き取ってから洗うようにしよう。
4. 対策していてもチョウバエが発生したときの対処法

対策をしていても、実際にチョウバエが発生してしまったとき、どのような対策をするべきだろう。
熱湯をかける
チョウバエの発生している場所が特定できていれば、熱湯(60~70℃)をかけるという対策方法がある。チョウバエの成虫や幼虫は熱に弱い。発生源にまんべんなくかけることで駆除できる。
殺虫剤を使う
チョウバエ対策として殺虫剤に頼るという方法もある。注意したいのが、チョウバエの殺虫剤には「成虫用」と「幼虫用」があることだ。状況に応じて使い分けよう。
殺虫剤は、手が届かない排水管の中まで噴霧すると効果がさらにアップする。幼虫がいそうな場所を狙えば、チョウバエの大量発生が抑えられるだろう。
結論
チョウバエは、高温多湿で汚れた場所を好む。とくにキッチン、お風呂、トイレといった水回りに発生しやすい。チョウバエを発生させない対策として、清潔を保ち、室内への侵入を防ぐこと、そして排水管を汚さない工夫をすることなどが挙げられる。それでもチョウバエが発生してしまったら、発生源に熱湯(60~70℃)をかけるか殺虫剤で対応しよう。