目次
- 刺し箸......料理に箸をつき刺すこと
- 寄せ箸......箸で食器を自分のほうへ引き寄せること
- 迷い箸......どの料理を食べるか迷い、箸をいろいろな方向へ動かすこと
- 渡し箸......食器の上に箸を渡して「橋」のように置くこと
- ねぶり箸......箸の先を口に入れてなめること
1. 和食のマナー講座 | 食べ始め

まずは食事の前に問われるマナーからチェックしておきたい。和室への入り方や配膳方法、おしぼりの使い方などを押さえておこう。
和室への入り方
和室に素足で入るのはマナー違反のため、靴下やストッキングを履くようにしよう。入室時には、畳の縁や敷居を踏まないことも大切だ。かつては畳の縁に家紋を入れていた家もあり、踏むと失礼に当たったことから由来する。
配膳の仕方
和食の並べ方には決まりがある。主食は左側の手前、汁物は右側の手前に置く。揚げ物や焼き物などの主菜は右側の奥、煮物やサラダなどの副菜は左側の奥に配膳しよう。これらに加えて和え物などの副菜がもう1品ある場合は、中央に置くのが望ましい。
おしぼりの使い方
おしぼりで手を拭いたら、使った部分を内側にたたむのがマナーだ。なお、おしぼりで顔やテーブルを拭くのは避けよう。
2. 和食のマナー講座 | 食事中

次からはいよいよ食事中のマナーを覚えていこう。箸の使い方など基本的なポイントから、ついやってしまいがちなNGな使い方も紹介する。
箸の正しい持ち方
上の箸は親指・人さし指・中指で持つのが正しい。鉛筆を持つときと同じようなイメージで持てばOKだ。下の箸は中指と薬指の間で支える。箸で挟むときは3本の指で上の箸を動かし、基本的に下の箸は動かさない。
マナー違反となる箸の使い方
以下には、マナー違反となる箸の使い方として代表的なものをピックアップした。なおこれらは一例で、ほかにも箸のNGマナーはいろいろとある。自信がない方は会食前にひと通りチェックしておくのがおすすめだ。
料理を食べる順番
和食を正しく食べるには順番がある。基本的には味の薄いものから食べ始めるとよい。まずは汁物から食べ始め、次に主食・主菜・副菜という順番で食べよう。
お椀の蓋の取り方や置き方
汁物のお椀には蓋がついていることが多い。お椀に左手を添えながら、右手でゆっくりと蓋を持ち上げよう。外した蓋は左手を添えて裏返し、お椀が右側にある場合は右隣に置く。
食事中にやりがちなNGマナー
左手を食べ物の下に添える
食べ物の下に左手を添えながら口に運ぶ動作は、一見上品に思われやすい。しかし左手を食べ物の下に添えるのは「手皿」と呼ばれ、実はマナー違反に該当する。手のひらに食べ物がこぼれると汚れてしまい、行儀が悪いと考えられるためだ。
3. 和食のマナー講座 | 料理別

ここからは、料理別に押さえておきたい和食のマナーを紹介しよう。料理ごとに注意したいポイントが異なるので、それぞれチェックしてほしい。
先付けの平皿の食べ方
先付けの平皿とは、和食の前菜に当たる料理のことだ。小鉢やお椀が出てきたら持ち上げて食べるのが正しい。串焼きの場合は箸で一つずつ串から外して食べよう。
お造りの食べ方
お刺身の盛り合わせであるお造りは、盛り付けをできるだけ崩さないように食べるのが理想だ。お造りの左側から順に食べるか、淡泊な魚から食べていくとよい。ワサビをつける場合は醤油に溶かすのではなく、お刺身にワサビをのせてから醤油をつけるのが望ましい。
焼き魚の食べ方
焼き魚は最初に上半分を左から右へ食べ、その後下半分を左から右に食べよう。中骨が出てきたら、中骨と裏側に残っている身の間に箸を入れ、骨を引き上げて外す。最後に裏側の身を上半分から食べるとよい。なお焼き魚を食べる際は、箸だけでなく多少手を使っても問題ない。
煮物や蒸し物の食べ方
煮物や蒸し物のお椀には蓋がついていることもある。その場合は汁物と同様の方法で外そう。煮物や蒸し物は水分が多いので、口に運ぶまでに汁が垂れてしまわないよう、蓋を小皿代わりに使うとよいだろう。
天ぷらの食べ方
天ぷらは手前から食べ、盛り付けを極力崩さないようにしよう。天つゆがある場合は、つゆが垂れないよう器を手に持って食べるのがポイントだ。
ご飯の食べ方
会席料理の場合、ご飯は最後に出てくる。漬物と一緒に出されたら、漬物を器から取って直接口に入れるのではなく、ご飯のお椀を受け皿にして食べるのがマナーだ。ご飯をおかわりする場合は、器を受け取ったらいったんテーブルに置き、改めて持ち直すのが正しい。
もし寿司が出てきたなら、手で食べても箸を使っても問題ない。寿司が崩れないよう、醤油はシャリでなくネタにつけるのがよいとされている。
デザートの食べ方
和食にはフルーツ・ようかん・まんじゅうなどのデザートがつくこともある。フルーツに種がある場合は、種を懐紙に包んで見えなくすると品がよい。ようかん・まんじゅうの場合は一口サイズに切って食べよう。
4. 和食のマナー講座 | 食べ終わり

和食を食べ終わったら以下のポイントにも気を配りたい。ここでは和食の食べ終わりに意識すべきマナーを2点紹介する。
皿は重ねない
食べ終わりは運びやすいようについ皿を重ねてしまいがちだが、和食ではマナー違反なので注意しよう。重ねることで皿の裏にも汚れがつくので、食後のお皿はそのままにしておくのがよい。
箸は箸置きに置くか箸袋に戻す
使用後の箸は皿や器にのせたままにせず、箸置きに置こう。もしくは箸袋に戻し、袋の先端を下に折ったり結んだりすると、使い終わったことがわかりやすい。
結論
和食にはさまざまなマナーがある。大切な相手との会食で恥ずかしい思いをしないためにも、事前に基本的なマナーを覚えておくのがおすすめだ。紹介したポイントを意識し、和食をスマートに食べられるかっこいい大人を目指したい。