1. きゅうりとは?
きゅうりに含まれる水分は96%もあり、カロリーや栄養価は低い。しかし、パリッとした食感とみずみずしさ、癖のない味わいで料理のレパートリーは広い野菜だ。日本では、サラダや漬物が定番だが、中国では煮物・炒め物としても使われている。
新鮮なきゅうりは、表面にイボがある。このイボは鮮度の印なので、購入するときには触って痛いくらいのきゅうりを選ぶといい。
2. きゅうりの育て方
きゅうりの育て方は、ポイントさえ押さえておけばそれほど難しくないため、初心者向けといってもいいだろう。
きゅうりを栽培する時期
きゅうりを栽培するのに適した時期は、種か苗かで違ってくる。種の場合には、春まきと夏まき、秋まきがある。春まきは4月に種をまき、6~8月に収穫。夏まきは6月に種をまき、7~9月に収穫する。秋まきは8月に種をまき、9~10月に収穫だ。家庭菜園では春まきが一般的だ。苗を購入してきゅうりを育てる場合は、4月下旬~5月下旬に栽培を始めるといいだろう。
きゅうり栽培に適した土の作り方
きゅうりは、根が浅く広がる特徴がある。きゅうりの育て方としては、通気性と排水性のよい土作りが大切だ。まずは、きゅうりの苗を植える2週間前に苦土石灰をまいて耕そう。このときの苦土石灰の割合は、1平方メートル当たり、100gが目安だ。1週間前には、堆肥と化成肥料をまいて耕す。1平方メートル当たり堆肥2kg、化成肥料100gが目安だ。きゅうりの苗を植え付ける直前には、幅70~80cmほどの畝を作って水はけをよくしよう。
種まきのやり方
きゅうりを種から栽培する育て方もある。まずは種を、ひと晩水に浸しておこう。次に育成ポットひとつにつき3粒ほどずつ種をまいたら、軽く土をかぶせてたっぷりと水やりをしてほしい。3粒の種が発芽し、本葉が1枚になったら1本間引いて2本にする。本葉が2枚になったら、さらに1本間引いて1本にしよう。最後に残した1本の苗の本葉が3~4枚になったら、植え付けてOKだ。
きゅうりの植え付け
きゅうりの育て方では、植え付けは重要なポイントだ。植え付ける準備が整った畝にマルチを敷き、きゅうりの株と株の間を40~50cm取りながら穴を空けていこう。たっぷりと水を含ませておいた根鉢をそっと取り出し、苗を植え付けていく。根本を軽く押さえたら、さらにたっぷりと水をやろう。
支柱の立て方
きゅうりはつる性の野菜だ。きゅうりの育て方では、支柱が欠かせない。支柱の立て方には「垂直式」と「合掌式」がある。垂直式は、きゅうりの苗1株につき1本の支柱を立てるやり方だ。合掌式は、苗を挟んで2本支柱を立て、上で交差させて固定するやり方だ。支柱にネットを張って、つるを這わせよう。
きゅうりへの水やり
きゅうりの育て方では、水やりは重要ポイントだ。90%以上が水分というきゅうりは、たくさんの水分を必要とする野菜である。とくに夏場は、朝・夕の2回の水やりが必要だ。
肥料の与え方
きゅうりを植え付けたら、1ヶ月に1~2回の頻度で肥料を与えよう。1平方メートル当たり20~30gを目安に化成肥料をまくといい。
整枝や摘心のやり方
そのまま放置しておくと、きゅうりはどんどん草丈が高くなってしまう。そのため、きゅうりの育て方では整枝や摘心も必要になってくる。切り口から病気になるケースもあるので、摘心するときには手をよく洗い、ハサミも消毒しておくといいだろう。親づるを摘心することで、収穫も多くなる。
収穫のタイミングとやり方
きゅうりは、成長が早いので収穫のタイミングに注意したい。長さ20cm、太さ3cmくらいが収穫どきだ。収穫をするときにはイボが取れないように、上の方を持ってハサミで切り取ろう。なおきゅうりの収穫は、水分を十分蓄えた朝がおすすめだ。
3. きゅうりの育て方の注意点
きゅうりの育て方には、いくつかの注意点がある。
冬場は栽培できない
夏野菜のきゅうりは冬場には栽培できない。農家ではビニールハウスで栽培するが、温度管理が難しく、家庭菜園では栽培できない。
連作しない
毎年同じ場所で同じ野菜を育てると「連作障害」を起こすので注意しよう。きゅうりはウリ科なので、ウリ科であるスイカやゴーヤ、カボチャなども同じ場所での栽培は避けてほしい。2~3年は、空ける方がいいだろう。
4. きゅうりに発生しやすい病害虫
きゅうりの育て方では、病虫害にも注意が必要だ。
発生しやすい病気
べと病
べと病は、土に含まれる病原菌が原因とされている病気だ。次第に葉が灰白色になり、葉が湿るとベトベトになる。下の葉から徐々に上に伝染していく病気だ。
うどんこ病
葉に白いカビのような斑点ができ、枯れてしまう病気だ。湿度が低く、温度が17~25℃ぐらいで発生しやすくなる。
発生しやすい害虫
ウリハムシ
黄色、あるいは赤茶色の甲虫だ。5月と8月に大量発生する害虫で、ウリ科の葉や花を好んで食べる。また、幼虫はきゅうりの根を食い荒らす。発生すればきゅうりの成長が悪くなり、枯れてしまうこともある。
アブラムシ類
アブラムシは、さまざまな植物や野菜の天敵だ。アブラムシによって栄養を奪われてしまうので、植物に発生すると成長が止まって枯れてしまう。また、植物のウイルスを媒介することもあるので、油断できない。
結論
きゅうりの育て方で大切なのは、栽培時期、土作り、植え付け、支柱、水やり、肥料、敵芯だ。家庭菜園では、苗を4月下旬~5月下旬に植えるのが一般的だ。土作りのポイントは畝を作り、水はけと通気性をよくすること。水やりは朝夕とたっぷりやろう。きゅうりは連作を嫌う野菜だ。1度作ったら、2、3年は同じ場所で作らないようにしよう。