目次
1. フレンチマナー講座 | ナイフ・フォークの使い方

スプーン・ナイフ・フォークなどをまとめて「カトラリー」と呼ぶ。フレンチではテーブル上にずらりとカトラリーが置かれている。フレンチのマナー講座として、まずはカトラリー類であるナイフ・フォークの持ち方から、使う順番、置き方まで解説しよう。
ナイフ・フォークの持ち方
ナイフやフォークを持つときは、背筋を伸ばして軽く肘を曲げる。肘はテーブルにつけないことがポイントだ。ナイフは柄に人差し指を添え、刃がお皿と垂直になるよう立てた状態で使用すること。
フォークも同じく、柄に人指し指を添え、下向きに持つ。その際、肩の力が入らないよう、手をふんわり置くイメージでナイフ・フォークなどカトラリー類を持つようにするとよいだろう。
ナイフ・フォークを使う順番
ナイフやフォークが複数本並んでいる場合、フレンチのマナーでは、基本的に外側から使う。
ナイフ・フォークの置き方
食事中の置き方は、ハの字になるようにお皿の上へ置こう。また、ナイフの刃を外側に向けないようにし、フォークは伏せて置くようにしよう。
食べ終わりの置き方としては、フォークとナイフを揃えてお皿の上に置くと、フレンチのマナーにおける食べ終わりの合図になる。その際、フォークは上向きに置くようにしよう。
2. フレンチマナー講座 | ナプキンの使い方

フレンチのマナー講座として、ここではナプキンについて見ていこう。広げ方から使い方、食事中と食べ終わりの置き場所まで解説する。
ナプキンの広げ方
ナプキンは注文が終わり、食事が始まる前のドリンクやお水が運ばれてきたときに広げよう。半分もしくは片方を長くとって2つ折りにし、折り目を自分の方に向けるように、膝のうえに置く。ウエイターが広げてくれる場合もあるので、その際にはお任せすること。
ナプキンの使い方
汚れた手や口を拭くときは内側を使うようにし、汚れた部分が周りに見えないよう配慮が必要だ。もし自分のハンカチなどナプキン以外を使うとフレンチのマナーでは「ナプキンが汚れているので使えない」という意味になるので注意しよう。
ナプキンの置き場所
食事中に席を立つときは、軽くたたんで背もたれ、または椅子のうえに置いておく。
食事がすべて済んだら、膝のうえのナプキンを外しテーブルのうえに置こう。ナプキンの角をそろえてキレイにたたんでしまうと、フレンチのマナーにおいてレストランへ「料理が美味しくなかった」または「不満がある」といったメッセージになってしまうので注意したい。
3. フレンチマナー講座 | 料理の食べ方

フレンチのマナー講座として、いよいよ実際のコース料理の流れに沿って、フレンチそれぞれの正しい食べ方を解説していこう。
ドリンクの注文方法や飲み方
フレンチは、最初に食前酒を注文するのが一般的だ。もし迷うようなら、シャンパンを頼むのがよいだろう。その後は、食事に合うワインとのマリアージュを楽しみたい。グラスを持つときは、ドリンクがぬるくならないよう、足の下の部分を中指・人差し指・親指で持つとよい。乾杯の際はグラス同士を当てず、目線の高さに掲げるとスマートだ。
前菜の食べ方
アミューズと呼ばれる小前菜は、前菜の前に出てくるお店からのおもてなしの気持ちだ。ほとんどひと口で食べられるものなので、そのままいただける。アミューズ用カトラリーがない場合は、手づかみでOK。
それからメインの前菜が出てくる。高さをつけて美しく盛りつけがされたものが多い。なるべく崩さないように、大きなものは一度横によけてから食べると上品に食べることができる。長さのある野菜は、フォークで押さえてナイフを使ってたたみ、ひと口大にして食べるのがコツだ。
スープの食べ方
スープは、すくうことがフレンチの正しいマナー。スプーンを手前から奥にかけて動かそう。口に入れるときは、吸い込まず音を立てないよう流し込むようにいただく。
パンの食べ方
パンは、ひと口サイズにちぎって食べよう。直接パンに口をつけてかぶりつくことはフレンチのマナー違反なので、くれぐれも注意したい。お皿にパンの角をつけてちぎると、周囲にパンくずを飛ばすことなくスマートに食べられおすすめだ。もしテーブルにパンくずがこぼれても、テーブル下に落とすことは避けよう。
基本的には、スープが出てきてからパンを食べ始める。しかしコース料理にスープがない場合は、前菜が提供された後のタイミングで、また焼きたてパンの場合は、提供されたらすぐ手をつけてOKとなる。
魚料理の食べ方
左側から、ナイフとフォークでひと口サイズに切っていただく。このとき、ひと口食べるごとに切ることがポイントだ。すべて切り分けてしまわないことにより、料理が切り口から乾燥するのを防ぎ、最後までより美味しくいただける。また、人に切り口を見せないよう気をつけ、斜めの断面になるようナイフを入れるとなおよい。
ソルベの食べ方
ソルベ=シャーベットは、メインディッシュを食べる前に口の中をさっぱりリセットさせるお口直しの役割を持つ。小さな器に盛りつけられることが多く、氷菓なのでスプーンが滑って金属音が立たないよう片手で器を押さえて味わうのがコツ。手前上からひと口分をすくって味わい、食べた後はスプーンを下の受け皿に置こう。
肉料理の食べ方
肉料理も魚料理と同じく、ナイフとフォークでひと口サイズに斜めに切り分けよう。とくに肉料理は、まとめて切ってしまうと肉汁が流れ、かつ冷めやすくなるので注意したい。付け合わせの野菜も同様に。切りにくい葉物類があれば、フォークとナイフで丸めてひと口サイズにするのがベター。
デザートの食べ方
デザート用カトラリーは、事前に飾り皿の上部にセットされている場合もあるが、デザート提供時に配られることが多いだろう。食べる順番などはとくに決まっていないが、アイスなど溶けやすいものは早めに食べるようにしたい。デザートが数種類出た場合、味が薄いものから食べたほうが最後までより美味しくいただけるだろう。
4. フレンチマナー講座 | 服装

フレンチのマナー講座として、最後に事前準備となる男女の服装=ドレスコードについて解説しよう。フレンチの店ごとに服装マナーが異なるので、ここでは最低限守るべき服装を解説する。
ホームページやお店に直接確認すると間違いがないだろう。フレンチのマナー違反となるので、男女ともに露出が多すぎるものや、ショート丈のボトムスやジーンズ、サンダルは避けよう。
男性の服装マナー
男性の場合、襟付きのトップスにジャケットがマストだ。服装に悩む場合は、無難にワイシャツ、スーツを着用すればよい。また、スニーカーやサンダルは避けるべきだ。
女性の服装マナー
女性も、男性と同じくジャケットやスーツでもOK。もしくは、上品でフォーマルなワンピースがよいだろう。スカートの際は、丈に気をつけ膝上丈は避け、ストッキングを着用する。
また長髪の女性は、とくにヘアスタイルにも注意が必要だ。食事をする際、髪が邪魔にならないようまとめておこう。食事中に髪を手で触るのは控えたい。
足元には、エレガントなものを選ぶようにしよう。サンダル、ミュール、スニーカーなどは避けるべきだ。バッグは、席に持っていけるよう布製で小ぶりのものにしよう。
結論
今回はフレンチのマナー講座として、カトラリーやナプキンの使い方、コース料理の食べ方、服装について解説した。これら基本のマナーをおさえておけば、フレンチをいただく場で、焦らず失礼なく食事を楽しむことができるだろう。いざというときにスマートにマナーが守れる大人の男は素敵だ。