目次
- 1. 名刺交換の役割とは?
- 2. 名刺交換の基本的な手順
- 3. 名刺交換のマナー | 渡し方
- 4. 名刺交換のマナー | 受け取り方
- 5. 名刺交換のマナー | 置き方
- 6. 名刺交換のマナー | こんな場合はどうする?
1. 名刺交換の役割とは?

ビジネスでは、ペーパーレス時代においても名刺交換は重要な役割を果たしている。その大きな理由は、身分証明書の役割を果たすからだ。名刺は、決して公的な身分証明書ではない。しかし、ビジネスの世界では、名刺交換によってお互いの情報を共有することで社会的信用が担保されているのだ。さらに名刺交換は、会社や自分の顔、名前などを憶えてもらうセールスプロモーションの役割も担っている。
2. 名刺交換の基本的な手順

まずは、基本的な名刺交換の手順をおさらいしてみよう。
交互に名刺交換する際の流れ
名刺を渡すときには、片手で名刺の端を持ち、もう片方の手は添える程度にして、相手が読める向きにして差し出そう。このとき、企業名、部署、氏名を名乗りながら渡すのがマナーだ。相手から名刺をいただくときには、相手の目を見ながら「ちょうだいします」とひと言添えるといい。また、押しいただくようにすれば、相手への敬意をあらわすことができる。
同時に名刺交換する際の流れ
同時に名刺交換することもある。その場合は、左手で相手の名刺を受け取り、右手で自分の名刺を差し出すようにするのがマナーだ。相手に自分の名刺が渡ったら、右手が空くので、すぐにもらった相手の名刺に添えるようにしよう。
3. 名刺交換のマナー | 渡し方

名刺交換には、さまざまなシチュエーションがある。それぞれに合った渡し方をしよう。
名刺入れから出して準備しておく
名刺は、すぐに取り出せるスーツの内ポケットなどに用意しておくのがマナーだ。相手と対峙して、慌てて探すようではあまりいい印象を与えることはできない。準備を怠らないことは、ビジネスの鉄則だ。
目下の者から先に差し出す
名刺交換は、訪問者、あるいは目下の者が先に出すのがマナーだ。上司が同行している場合は、先に上司から名刺交換を行う。また、面談相手が複数いる場合には、役職の高い人から名刺交換するのがマナーだ。
立って名刺を差し出す
名刺交換は立って行うのがマナーだ。座って相手を待っている場合にも、相手が入室してきたら、すぐに立ち上がって出迎えよう。また名刺交換は、テーブル越しに行うのはマナー違反だ。必ず、テーブルを回り込むなどして移動し、相手の近くまで行って交換しよう。
胸の高さに持つ
名刺交換するときには、名刺を胸の高さに持つのが基本的なマナーだ。これは、相手が受け取りやすい位置だからだ。相手との身長差が大きい場合では、相手が受け取りやすい位置を意識して渡すようにしよう。
4. 名刺交換のマナー | 受け取り方

名刺交換のマナーでは、受け取り方にも注意が必要だ。
両手で受け取る
同時に名刺交換する場合を除いて、名刺は両手で受け取ることがマナーとなっている。前述したが、受け取る際には、必ず「ちょうだいします」などひと言添えてほしい。
会社ロゴや名前に指がかからない持ち方をする
名刺を受け取ったら、名刺を持つ位置にも注意しよう。相手の社名やロゴは避けて、できるだけ名刺の余白を持つように心がけてほしい。
名前を確認する
名刺を受け取ったら、相手の名前をチェックしよう。苗字によっては、読み方を間違えやすいケースもある。名前を読み上げて確認すれば、その後相手の名前を読み間違えるリスクも少なくなるだろう。
5. 名刺交換のマナー | 置き方

名刺交換したあとの相手の名刺の置き方に困ることはないだろうか。ここにもマナーがある。
名刺入れの上に置く
すぐに受け取った名刺を、名刺入れに片付けるのはマナー違反だ。立っている間は、名刺入れの上に重ねて持とう。椅子に座って打合せに入った後でも、まだ名刺入れにしまってはいけない。自分から見て左側に名刺を置くようにしよう。こうすることで、名前の呼び間違いなどを未然に防ぐことができる。
複数あるときは1列に並べて置く
相手が複数いて、何枚も名刺をもらったときには、重ねずに1列に並べるのがマナーだ。座っている順番に並べて置くと、顔と名前が一致し、名前の呼び間違いも少なくなる。
6. 名刺交換のマナー | こんな場合はどうする?

名刺交換ではさまざまなシチュエーションがあるため、困ったことも出てくる。いくつかの例と対処法を紹介しよう。
同時に複数人と名刺交換する場合
同時に複数の人と名刺交換する場合は、まず予想される人数分の名刺を名刺入れから取り出し、名刺入れの上に重ねて置く。そして、1枚ずつ渡していくのがマナーだ。受け取った名刺は、自分の名刺と混ざらないように、名刺入れと下の指で挟んでおこう。
名刺を切らしている場合
予定以上に多くの人に名刺を渡してしまい、名刺を切らしてしまうこともある。この場合は、正直に「名刺を切らしておりまして」と詫びることだ。会社に戻ったら、すぐにお詫びの手紙と名刺を郵送するのを忘れてはいけない。
先に名刺を差し出された場合
訪問した側にもかかわらず、相手から先に名刺を差し出されてしまうケースもある。そのようなときには、慌てずに名刺を丁寧に受け取ってから「ご挨拶が遅くなりまして」など一言添えて名刺を差し出そう。
最初に名刺交換できなった場合
最初に名刺交換のタイミングを逃してしまうケースもある。たとえば、すでに名刺交換が終わった後に遅れて入室した場合などだ。そのような場合には、会議や用件が終わって帰り支度をしているときに「遅くなりましたが、お名刺をいただけませんでしょうか」と声をかけるのはマナー違反ではない。
結論
名刺交換では、渡し方、持ち方、受け取り方などにマナーがある。名刺交換にはさまざまなシチュエーションがあり、交互に、あるいは同時に複数人と交換することもある。それぞれ臨機応変に名刺交換できるように、マナーを確認しておこう。名刺交換では、大切な商談相手に不快感を与えないように気を遣うことが大切だ。