目次
- 1. 手荒れの主な原因
- 2. ひどい手荒れは「手湿疹」のおそれも
- 3. 手荒れの治し方は?
- 4. 日々の家事などで手荒れがなかなか治らないときの対処方法
- 5. セルフケアで改善しない手荒れは皮膚科で治療を
1. 手荒れの主な原因

まずは手荒れの原因について確認しておこう。手荒れを招きやすい職業とあわせてまとめたので、治し方とあわせてチェックしてほしい。
バリア機能の低下による乾燥
手荒れとは、外部刺激によって手の皮膚から水分が失われている状態だ。健康な皮膚は角質層や皮脂膜などのバリア機能が乾燥を防ぎ、刺激や異物の侵入を防いでいる。しかし、肌を擦りすぎて角質層を傷つけたり、洗剤や石鹸で皮脂膜のコーティングまでも除去したりすると、皮膚のバリア機能が低下してしまう。
バリア機能が低下すると水分が失われて乾燥してしまい、手荒れなどの皮膚トラブルが発生する。水仕事が多かったり、洗剤を使用する機会が多かったりすると手荒れになりやすい。ちなみに、アルコール消毒液には油脂を除去する作用があり、さらに揮発する際に手の水分を奪うため注意が必要だ。
手荒れを招きやすい人や職業とは?
頻繁に手を洗う職業や、水を使用する機会が多い職業の人は手荒れを招きやすい。たとえば調理師や医療従事者、美容師などがあげられる。食器洗いや調理、掃除など水仕事をする機会が多い主婦や主夫も同様だ。
乾燥肌の人やアトピー性皮膚炎の人はバリア機能が低下しやすいため、手荒れが悪化するリスクが高い傾向がある。このように手荒れを招きやすい職業や体質の方は、正しい治し方や予防方法を確認しておこう。
2. ひどい手荒れは「手湿疹」のおそれも

ひどい手荒れなら手湿疹の可能性が高い。治し方の基礎知識として、手湿疹の基礎知識と主な症状を詳しく紹介する。
手湿疹とは
手湿疹とは手に現れる炎症や湿疹の総称だ。手荒れと同じくバリア機能の低下が原因で、主婦湿疹とも呼ばれている。ひどい手荒れを繰り返す場合は手湿疹である可能性が高い。軽度な手荒れよりも治りにくいので、正しい治し方で早めに対処することが重要だ。
手湿疹に見られる症状
手湿疹の症状は、カサカサ(乾燥)タイプとじゅくじゅく(湿潤)タイプに分けられる。カサカサタイプは、手指や手のひらに乾燥やかゆみを伴う湿疹が現れるのが特徴だ。皮膚が剥ける、薄くなるなどの症状がでることがあり、さらにヒビやあかぎれを招くことも多い。
じゅくじゅくタイプは手の広い範囲に、丘疹(きゅうしん)や紅斑(こうはん)、水疱(すいほう)を生じるのが特徴だ。紅斑は皮膚の赤み、丘疹は小さな盛り上がり、水疱は水ぶくれのことをいい、かゆみを伴うことも多い。なお、秋冬はカサカサタイプ、春夏はじゅくじゅくタイプが多い傾向がある。
3. 手荒れの治し方は?

手荒れの症状が見られるときは、素早く対処することが重要だ。3つの治し方を紹介するので、手荒れで悩んでいる方はぜひ試してみてほしい。
乾燥が見られれば保湿をする
手が乾燥しているなど軽度な手荒れであれば、ハンドクリームやワセリンで保湿をする。水仕事や手洗い、アルコール消毒の後に、保湿をする習慣をつけるのが治し方のコツだ。
セラミドのような保湿成分を配合していて、アルコールや香料を使用していない無添加タイプを選ぶとよい。撥水性と耐水性があるハンドクリームは濡れても流れないので、水仕事をする機会が多い方におすすめだ。
症状によってはステロイドを使う
かゆみや痛みなど手荒れの症状が強い場合は、ステロイドを使った治し方を検討しよう。ステロイドにはいろいろな種類があるので、手荒れや症状に適したタイプを選んでほしい。
また、市販されているステロイドは、ウィーク(弱い)とマイルド(普通)、ストロング(強い)に分類が可能だ。中学生以上の大人なら、比較的強いものから使用するとすみやかな改善が期待できる。手荒れの症状が治まってきたら、弱いほうに切り替えてもOKだ。症状にもよるので、薬剤師に相談のうえ購入するとよいだろう。
手湿疹は保湿だけでは改善しない?
手湿疹は炎症が起きている状態なので、保湿だけで改善するのは難しい。ハンドクリームは治療薬ではないため、十分な効果は期待できないだろう。まずはステロイド薬で炎症を鎮めて、そのあとに保湿するのが正しい治し方になる。
4. 日々の家事などで手荒れがなかなか治らないときの対処方法

毎日の家事で水仕事をしていると、手荒れはなかなか治らない。手荒れそのものの治し方とあわせて、次のような対処方法を実践することが大事だ。
ゴム手袋などで皮膚を保護する
食器洗いや掃除のときにゴム手袋を使用すれば、水や洗剤から手を保護できる。ただし、ゴム手袋などの素材は刺激になりやすいので、注意が必要だ。ゴム手袋を着用しても手荒れをするようなら、素材を変えるか綿手袋をしてからはめるとよい。水仕事が終わった後は、すぐに優しく手を拭いてしっかりと保湿しよう。
ストレスを溜め込まないことも大切
ストレスと手荒れに直接的な関係はない。しかし、イライラすると体をかく、指の皮をめくるなどのクセがある方もいる。手荒れをかいたり手で触ったりすると、悪化する可能性があるので注意。手荒れを早く治すためにも、ストレスを溜めないことが重要だ。
5. セルフケアで改善しない手荒れは皮膚科で治療を

手荒れが悪化すると、保湿や市販のステロイドなどによる治し方では効果がでない可能性がある。セルフケアで改善しないようなら、悪化する前に皮膚科を受診しよう。適切な治療を受けることで、ひどい手荒れもキレイに治る可能性が高まる。
結論
頻繁に水仕事をしている方は手荒れになりやすい。さらに悪化すると手湿疹になり、さまざまな症状に悩まされることになる。軽度な乾燥なら保湿する、症状によってはステロイドを使うなど、適切な治し方を実践してほしい。ゴム手袋で手を保護したり、ストレスを溜め込まないようにしたり、対策をすることも重要だ。もし紹介した治し方を試しても改善しないようなら、早めに皮膚科を受診しよう。