目次
1. ハーブで虫除けできるとは本当なのか?

ハーブが持つ虫よけ効果について、基本的な知識を解説する。正確な効果を把握して上手に使うことが重要だ。
ハーブが持つ忌避作用により一定の効果は期待できる
ハーブの中には虫の嫌う香りを発するものがある。このようなハーブの近くには虫が寄り付きにくいので、一定の虫除け効果は期待できるだろう。植物を使った方法なので、人や自然にも優しい。
ただし、ほとんどのハーブは置くだけだとあまり香りがしない。そこまで強い忌避効果は期待できないだろう。より強い効果を実感したいなら、市販の忌避剤を使用するのがおすすめだ。
【殺虫作用はない】
ハーブには虫を遠ざける忌避効果しかない。虫を駆除する殺虫効果はないので、もし家の中で見かけたら別の方法で対処する必要がある。放置すると家の中で繁殖する害虫もいるので、殺虫剤などを使用して早めに駆除しよう。
2. ハーブで虫除けをするときのポイント

ハーブで虫除けをする際に、知っておきたいポイントをまとめた。効果的な使い方を解説するので、ぜひ役立ててほしい。
窓辺など虫が侵入しそうなところに置く
窓辺や玄関、ベランダなど虫の侵入経路になる場所でハーブを育てよう。小さな植木鉢に植えれば、狭いスペースでも育てやすい。生ゴミのにおいを好む虫の対策にもハーブはおすすめだ。キッチンでハーブを育てれば、摘んですぐに料理やお菓子作りに使用できるだろう。
ハーブを束ねて「スマッジ」や「ドライハーブ」にしたものを置く方法もある。スマッジは生のハーブをタコ糸で巻き、風通しのよい場所につるして2週間ほど乾燥させれば完成だ。ドライハーブにするなら、生のハーブの様子を見ながら500Wで1~2分加熱しよう。あとは布で包めば、クローゼットやげた箱の虫除けに使用できる。
効果を広範囲に行き渡らせたいときはたく
アロマデュフューザーやアロマランプを使って、ハーブのアロマオイルをたく方法だ。3~4滴ほど垂らして虫が嫌うにおいを広範囲に行き渡らせることで、部屋全体の虫除けができる。アロマオイルは天然植物由来の精油(エッセンシャルオイル)を選ぼう。
ただし、ハーブの種類によっては、香りがきつく感じることがある。少量から試すか、ラベンダーやゼラニウムなど香りが穏やかなアロマオイルを使うのがおすすめだ。苦手なハーブでも柑橘系の爽やかな香りとブレンドすると、親しみやすい香りになる。
スプレーにして吹きかけておく方法もある
より手軽に虫対策をしたいなら、アロマスプレーを活用しよう。虫が気になる場所や布類に吹きかけるだけで、虫除け効果が期待できる。市販のアロマスプレーを使ってもよいが、精油やドライハーブから手作りすることも可能だ。
精油から作るなら、無水エタノール(5ml)と精油(20~50滴)、45ml(精製水)を混ぜればよい。ドライハーブの場合は空き瓶にたっぷり詰めて、無水エタノールをギリギリまで入れる。ときどきゆすりながら2週間ほど置き、ハーブを越したものがチンキ剤だ。このチンキ剤と水を1対4で混ぜれば、アロマスプレーが完成する。
3. 虫除け効果が期待できるおすすめハーブ8選

虫除け効果が期待できるハーブを8つ紹介する。それぞれの香りや効果、特徴を解説しよう。
レモングラス
レモングラスに含まれる「シトラール」や「シトロネラール」が虫除けに効果的だ。ゴキブリやダニ、蚊を遠ざけられる。初心者でも育てやすく、レモンに似た香りはリフレッシュにもなるだろう。
ラベンダー
「リナロール」の成分を含んでおり、蛾(が)や蚊への効果が期待できる。リラックスできる香りとされていて、好き嫌いが分かれにくいため使いやすい。
ペパーミント
スッキリとした清涼感の強い香りが特徴のハーブだ。「メントール」の成分が含まれており、蚊やダニ、アリを忌避できる。体感温度を下げるとされているため、蒸し暑い夏に活躍するだろう。育てやすく料理やハーブティーに使えるので、キッチンで栽培するのもおすすめだ。
ローズマリー
虫除け作用がある「カンファー」の成分を含んでおり、蚊の予防に活躍する。ツンとしたシャープな香りは、リフレッシュに効果的だ。初心者でも育てやすく、初めてのハーブにも適している。
シトロネラ
シトロネラに含まれる「シトラール」や「シトロネラール」は、ゴキブリやダニ、蚊の予防に効果的だ。レモングラスと似た香りだが、比較するとやや甘い。消臭効果もあるため、においが気になる場所に置くとよいだろう。
ゼラニウム
「シトロネロール」と「テルピネオール」の成分が、蚊やハエの虫除けに効果を発揮する。バラと似た香りのする「ローズゼラニウム」や、レモンの香りがする「レモンゼラニウム」など種類が豊富。香りがよくキレイな花が咲くため、観賞用としてもおすすめだ。ミントとの相性が抜群なので、ブレンドして使用してもよい。
レモンユーカリ
ユーカリの一種で、レモングラスやシトロネラと似た香りがするハーブだ。主成分の「シトロネラール」は、蚊やゴキブリへの忌避効果が期待できる。爽やかな香りは場所を選ばず、アロマスプレーはデオドラントのボディースプレーとしてもおすすめだ。
タイム
タイムに含まれる「チモール」は、ハエや蚊、ゴキブリ、ナメクジを遠ざける虫除け効果が期待できる。初心者でも育てやすく、料理にも使えるのが魅力だ。甘さのある薬草のような香りがする。
結論
ハーブには虫を忌避できる虫除け効果がある。自然の植物を使った虫よけ方法なので、食事をするキッチンや小さなお子さんがいるご家庭でも使いやすい。窓辺で育てたりアロマスプレーを吹きかけたりして、自然の虫除けとして活用しよう。ハーブによって忌避できる虫が違うので、上手に使い分けることが重要だ。なお、動物が嫌うハーブもあるため、ペットがいるご家庭では十分に確認しておこう。