目次
1. チョウバエとは?

チョウバエとはハエ目チョウバエ科に属するコバエの一種だ。特徴や発生する時期、場所について詳しく解説しよう。
チョウバエの特徴
日本で見られるチョウバエは50種類ほどいて、体や羽に毛が生えているものが多い。代表的なのがオオチョウバエとホシチョウバエの2種類だ。オオチョウバエは3~5mmで灰黒色、ホシチョウバエは1.3~2mmで灰色をしている。どちらも日本全国に生息しているが、オオチョウバエは北海道には比較的少ない。成虫は夜行性なので、昼間はあまり動かずじっとしている。
チョウバエが発生する時期や場所
オオチョウバエは8~9月、ホシチョウバエは5~7月が主な活動時期だ。チョウバエは高温多湿の環境を好むため、主に夏に発生する。ただし、暖房を完備している住宅の中では、1年中見られることがある。
チョウバエは、腐敗した水分や排水口のヌメリをエサとする。汚れた水回りを好み、そこに産卵して繁殖するケースは多い。キッチンや風呂場、洗面所の排水口やトイレタンクなどに発生するので、見つけたらすぐに駆除しよう。
2. チョウバエによる被害とは?

チョウバエによる主な被害を2つ紹介する。駆除の基礎知識として、事前に確認しておくことが大事だ。
食品への混入や微生物汚染
チョウバエは人に直接被害を及ぼすことはない。しかし、キッチンの排水口から発生するため、食品への混入や微生物汚染の恐れがある。チョウバエが入り込んだ食品を口に入れるのは非常に不衛生だ。また、非常にまれではあるが、幼虫が体内に入り込んで寄生する「ハエ症」の原因になるケースもある。
大量発生による不快感
チョウバエは1回の産卵で200~300個の卵を産む。さらに幼虫が成虫になり産卵すればさらに増殖するだろう。1匹のチョウバエが排水口に卵を産み付けるだけでも、家の中で大量発生する可能性がある。大量のチョウバエが飛び回る事態を避けるために、早めに駆除することが重要だ。
3. チョウバエの駆除方法

チョウバエの駆除方法を成虫と幼虫に分けて紹介しよう。詳しいやり方をチェックして、ぜひ試してみてほしい。
チョウバエの成虫の駆除方法
【殺虫剤をスプレーする】
チョウバエに殺虫剤をスプレーすれば一瞬で駆除できる。ただし、チョウバエに対応していない商品もあるので、事前に確認してから購入してほしい。効果が一定期間持続するタイプの殺虫剤は予防にもおすすめだ。
【捕獲して駆除する】
粘着タイプの捕獲器や粘着シート、ハエトリリボンで捕獲しよう。チョウバエは下部を飛ぶため、邪魔にならないように注意しながら、足元に設置するとよい。ただし、一部の捕獲器はチョウバエに対応していないので、事前にチェックしておこう。ショウジョウバエの駆除に効果的な「めんつゆトラップ」も、チョウバエには効果がない。
チョウバエの幼虫の駆除方法
【幼虫専用の殺虫剤を使う】
成虫用の殺虫剤は幼虫に効果がないことがある。幼虫に対応した殺虫剤を駆除に使用するのがポイントだ。排水口など幼虫が繁殖する場所にスプレーして、内部まで殺虫剤を届けてほしい。
【熱湯をかける】
排水口や浴槽の下など、幼虫が発生する場所に熱湯をかける駆除方法だ。60~70度のお湯を使用すれば幼虫は死滅する。ただし、これはあくまで応急処置で、奥まで届かないこともあるのであとから殺虫剤で駆除してほしい。また、排水管を傷める可能性があるため、沸騰直後の熱湯を直接流すのはNGだ。ちなみに、チョウバエは低温にも弱いため、排水口の上にたっぷりの氷を置いても熱湯と同じ効果を期待できる。
4. チョウバエを発生させない予防対策

チョウバエを駆除したあとも、日頃から対策をして発生を予防したい。効果的な3つの方法をチェックしよう。
目の届きにくい場所もしっかり掃除する
キッチンやお風呂場、洗面所、トイレなどの水回りは小まめに掃除する。見える場所はもちろん、見えない場所も清潔に保つことが重要だ。排水口や排水管には、チョウバエ発生の原因となるヌメリやヘドロがたまる。パイプクリーナーでキレイに除去してほしい。
排水管を汚さないようにする
排水管の掃除は手間がかかるので、日頃から汚さないように対策をしよう。キッチンや洗面所、お風呂場の排水口に専用の網をかぶせれば、生ゴミや髪の毛が中に入らない。また、キッチンの排水口には、ベタベタとした油汚れが付着しやすいので注意。調理器具や食器を洗う前に、新聞紙やキッチンペーパーで拭き取っておこう。
外から侵入できないようにする
チョウバエは小さな隙間からでも侵入する。網戸や窓の隙間といった侵入経路は隙間テープを使ってふさごう。排気口にも専用のカバーやネットを取り付けておくのがおすすめだ。トイレやお風呂場、キッチンなど水回りの窓には、予防効果のある殺虫スプレーを吹きかけておくと侵入を防止できる。
結論
キッチンやお風呂場で発生するチョウバエは、早めに駆除することが大事だ。放置すると食品に混入したり、家の中で大量発生したりすることがある。成虫には殺虫剤と捕獲器、幼虫には幼虫用の殺虫剤や熱湯(60~70度)というように、適切な方法で駆除してほしい。水回りを掃除する、侵入を防ぐといった予防法も紹介したので、あわせて実践しよう。