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軽石

園芸用の軽石を再利用する方法!沖縄に漂着したものはどうなった?

投稿者:ライター 吉田梨紗 (よしだりさ)

鉛筆アイコン 2022年11月11日

園芸用として使用されることが多い軽石は、再利用が可能だ。処分する前に、有効活用する方法をチェックしておこう。この記事では園芸用の軽石を再利用する方法を解説する。軽石の基礎知識や種類、沖縄に大量漂流した軽石がどうなったのかとあわせて紹介しよう。

  

1. そもそも「軽石」とは何か?

軽石
まずは軽石の基礎知識を紹介する。特徴や主な用途を紹介するので、再利用する前にチェックしておこう。

火山噴火の際に噴出する固形物のひとつ

軽石とは、火山から吹き出した溶岩が急速に冷えてできた固形物だ。冷却する際にガスが出るため、小さな穴がたくさん空いている。浮石とも呼ばれており、水に入れると浮かぶのが特徴だ。主に垢すりや軽量骨材に使用される。
また、排水性や通気性に優れているため、園芸で活躍することも多い。園芸用の軽石は植木鉢の底に敷いたり、サボテンのように水があまり必要ない植物の栽培に使用したりする。

2. 園芸用の軽石の種類と特徴

軽石
園芸用の軽石には種類があるので、再利用の際には上手に使い分けることが大事だ。それぞれの特徴とおすすめの用途を解説する。

鹿沼土

鹿沼土(かぬまつち)は栃木の鹿沼で採れる軽石で、通気性や水もち、排水性がよい。phが4.0?5.0で酸性の性質があるため、サツキやブルーベリーなど酸性土を好む植物に適している。有機物がほとんど含まれておらず、病原菌や害虫が発生しにくい特徴もある。挿し木用の用土としてもよく使われる軽石だ。

日向土

日向土(ひゅうがつち)はボラ土とも呼ばれており、宮崎県の都城市で採れる。phは5.0?6.0の弱酸性で水はけと通気性がよい。熱処理で乾燥させた日向土と、乾燥させていないボラ土に分けられる。鹿沼土と比較して硬いため経年劣化しにくく、再利用しやすいのが特徴だ。土の水はけをよくするために、赤玉土や鹿沼土と混ぜて使用することが多い。

富士砂・桐生砂・蝦夷砂・十和田砂なども軽石

砂とついているが、富士砂(ふじすな)や桐生砂(きりゅうずな)、蝦夷砂(えぞすな)、十和田砂(とわだすな)なども軽石の一種だ。色が黒い富士砂は保水性と排水性に優れていて、化粧砂や鉄分の補給として活用される。
赤サビ色をした桐生砂は通気性と排水性のよさが特徴で、多肉植物や盆栽、東洋ランにおすすめだ。黄土色の蝦夷砂は鹿沼土と似ているが硬く、サツキやラン、山野草に適している。十和田砂は山野草やラン、オモトに使用されることが多い軽石で、保水性や排水性、通気性がよいのが特徴だ。

3. 園芸用の軽石の再利用方法

軽石
園芸用の軽石は繰り返し再利用ができる。再利用するための準備を詳しく解説しよう。

1.ふるいにかけて軽石のみを取り出す

鉢やプランターから株を取り出したあと土をふるいにかけ、土から軽石だけを分けよう。ゴミや虫、根が混ざっていれば取り除くとよい。ネットに入った軽石なら、ふるいにかけなくても再利用できる。

2.日光に当てて消毒する

取り出した軽石を再利用するためには消毒が必要だ。バケツに軽石を入れてキレイに洗ったあと、新聞紙の上に広げて数日ほど天日干しにしよう。夏なら2日、冬だと5日くらいを目安にしてほしい。

3.鉢底石として再利用する

天日干しをした軽石は鉢底石として再利用できる。洗って消毒することで、何度でも繰り返し使うことが可能だ。プランターや植木鉢の1/5くらいの量を目安に入れるとよい。軽石を専用ネットに入れると土がつきにくくなり、再利用しやすくなるだろう。

4. 沖縄県に大量に漂着した軽石も再利用できる?

沖縄
沖縄県に、海底火山噴火で発生したとされる大量の軽石が漂着したことがある。これらの軽石は再利用ができるのだろうか。

再利用アイデアが続々と集まった

小笠原諸島の海底火山噴火により軽石が大量発生して、さまざまな被害が発生している。大量の軽石は回収され、漁港などに山積みにされている状況だ。廃棄処分するのも費用がかかるため、沖縄県では対策として軽石の再利用アイデアを募集(※1)。建築土木や農林水産、製造などさまざまな再利用方法が集まった。

コーヒー農園の土壌改良に再利用されたケースも

漂着軽石をコーヒー農園の土壌改良として使用した例がある。水につけて海水の塩分を抜き、乾燥させて再利用した。土に混ぜると水はけがよくなり、健康的な木に育つそうだ。そのほかにも、焼き物の釉薬(ゆうやく)に加えたり、道路舗装に使ったりといったアイデアも集まっている。厄介な軽石だが、工夫次第で有効活用できるといえるだろう。

結論

軽石は園芸では鉢底石として活用されており、使用後も再利用することが可能だ。ふるいをかけて土と分けたあと、水で洗って天日干しをするだけでよい。消毒すれば何度でも再利用ができるので、ぜひ有効活用してほしい。また、沖縄県で大量に漂着した軽石も再利用が検討されている。石膏モデルへの活用などアイデアが集まっており、問題解決への糸口になりそうだ。
(参考文献)
※1出典:沖縄県庁「沖縄県への軽石大量漂着・漂流について」
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  • 更新日:

    2022年11月11日

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