目次
1. 油の適切な温度の目安

まずは、油の適切な温度の目安とそれぞれの温度での調理に適した食材を紹介しよう。
低温
調理時の油の低温とは、150度から160度のことである。低温は、火の通りにくいさつまいもや蓮根などの根菜、香りを残したいみょうがや大葉などの香味野菜の調理に適している。また、二度揚げするときの1回目に、食材の中までじっくりと火を通すのにも低温が使われる。
中温
調理時の油の中温とは、170度から180度のことだ。揚げ物の調理の中で最もよく使われる温度である。から揚げ、コロッケ、天ぷらなど、多くの揚げ物の調理に適した温度といわれている。
高温
調理時の油の高温とは、190度から200度のことである。高温は、海老やイカなどの魚介類、茄子などの水分が多い食材を揚げるときに適した温度だ。二度揚げの2回目やすでに火が通っている食材は、高温の油で揚げるとカラッと揚げられる。
2. 油の温度の確認方法

次に、油の温度の確認方法を解説しよう。温度計があれば正確に測ることができるが、手元に温度計がない場合や調理ごとに確認するのが難しい場合もあるはずだ。ここでは、身近にある菜箸やパン粉、衣を使った油の温度の確認方法を紹介するので調理時の参考にしてほしい。
菜箸を使った温度の見分け方
菜箸から出る泡の出方を観察して見分ける方法がある。菜箸を一度水で濡らした後、十分に水分を拭き取り、油を混ぜて温度を均一にしよう。その後に、菜箸から出る泡の様子を観察してみてほしい。静かに細かい泡が上がる状態なら低温であり、やや大きめの泡が上がる状態なら中温である。また、菜箸から勢いよく多量の泡が上がるときは、高温であると判断してよいだろう。
パン粉を使った温度の見分け方
パン粉を使って温度を見分ける場合は、油にパン粉を入れたときの広がり方を観察するとよい。低温の油ではパン粉はゆっくりと広がり、中温ではパン粉は細かい泡を立てながら油全体に広がる。高温の油なら、パン粉はすぐに油全体に広がるはずだ。
衣を使った温度の見分け方
まず、薄力粉と水を大さじ1ずつ準備して十分に混ぜて衣を準備しよう。衣を油に落としたときの浮き上がり方を観察すると、油の温度が見分けられる。油が低温の場合は、衣が鍋底まで沈んだ後にゆっくりと浮き上がる。中温なら衣が途中まで沈んですぐに浮き上がり、高温なら衣を落とすとすぐに浮き上がってくるだろう。
3. 油の温度を維持するコツ

最後に、油の温度を維持するコツや保ち方を紹介しよう。
食材を入れ過ぎない
食材を入れ過ぎると油の温度が低下し、調理の仕上がりに影響してしまう。そのため、食材を入れるときは、揚げ鍋の面積の3分の1から2分の1程度を目安に入れることが大切だ。
冷凍食材は火力と揚げ時間を調整する
冷凍食材を油に入れると急激に油の温度が下がるため、様子を見ながら火力を調整することが大切だ。食材の色合いを確認しながら、火力と調理時間を少しずつ調整しよう。
結論
今回は、油の適切な温度の目安から、菜箸、パン粉、衣を使った油の温度の見分け方、適切な温度を維持するコツなどについて解説した。調理時の油の温度は、仕上がりにも大きく影響するため、ぜひ当記事を参考に油の温度を適切に見分けて調理に役立ててほしい。