目次
1. 手紙のマナー | 基本

手紙を書くときの基本的なマナーから確認してみよう。
「前略」を使わない
前略とは、その言葉通り「季節の挨拶は省略して、本題に入ります」ということになる。
よほど親しい方への手紙であればOKだが、目上の方への手紙では「拝啓」で始めるのがマナーだ。また、前略で始めた場合には挨拶文は書かないのがマナーだ。
行のはじめに自分や身内をあらわす言葉を使わない
自分をあらわす「私」や身内を指す言葉が行の頭にくるのは手紙のマナーに反する。そのため前後の文字数、詰め方などの調整が必要だ。
行の終わりに相手の名前を使わない
手紙のマナーとして、相手の名前が行の終わりにこないようにする。行の終わりにきそうな場合には、余白を残して改行するようにする。
2. 手紙のマナー | 構成

手紙のマナーでは構成も重要だ。相手が読みやすく失礼のない流れとして「前文」「主文」「末文」「後付」の4つの構成で書いていこう。
前文の書き方
前文とは「拝啓」などの挨拶にあたるもの。時候の挨拶や相手の健康を気遣う言葉などから始めるのがマナーだ。お世話になったときにはお礼、ご無沙汰しているときはお詫びなど、手紙を書く趣旨によって変えてもいいだろう。
また、お詫びの手紙などは、一刻も早く詫びたいという気持ちをあらわすため、時候の挨拶は省くのがマナーだ。
主文の書き方
主文とは、手紙を送った本来の目的、用件をあらわす部分だ。用件は1通につきひとつを簡潔に述べるのがマナーだ。2つ以上の用件が記されていると、大切なことが伝わりにくくなってしまう。
主文を書くときの流れとしては「起語」を使う。「さて」「ところで」「さっそくですが」などがよく使われる起語だ。
末文の書き方
末文とは、手紙を締めくくるための文章となる。内容は、相手の健康を願う言葉や用件の総括、返信をお願いするなどさまざまだ。
そして、最後に結語を添えるのがマナー。頭語が「拝啓」「拝呈」「啓上」「一筆啓上」の場合の結語は「敬具」「拝具」「敬白」「かしこ」となる。
後付の書き方
後付は手紙を書いた日付、差出人、宛名を書く。お祝い事の手紙であれば、〇年〇月吉日と書くといいだろう。
3. 手紙のマナー | 書き方
.jpeg)
手紙を書くとき、縦書きにするか横書きにするか迷うところだ。手紙の縦書き、横書きを選ぶときにもマナーがある。
縦書きが推奨される場合
書き慣れているから横書きがいいという方も多いだろう。しかし、目上の方に送る場合や改まった内容の手紙の場合は、縦書きがマナーだ。迷ったときには、縦書きを選んだほうが間違いない。
横書きが推奨される場合
横書きは親しい友人など、カジュアルな手紙に推奨される。頭語や結語なしの簡略化した構成でもOKだ。内容は、親しみのこもった素直な文面にするといいだろう。ただし、誤字脱字には注意。相手との関係にかかわらず、手紙の最も基本的なマナーとして心得ておこう。
4. 手紙のマナー | 封筒

手紙には封筒がつきものだ。封筒にも相手を気遣ったマナーがある。
手紙の折り方
手紙を封筒に入れるときの折り方も、相手を気遣うマナーがある。取り出しやすいように、できるだけ折り目は少ないほうがいい。定型の封筒では手紙は3つ折りが基本だ。文面が内側になるように下から上3分の1で折り、上から3分の1を折って重ねるのがマナーだ。
手紙の入れ方
相手が手紙を開いてすぐに読み始められるよう、書き出し部分が左上にくるように入れる。このような気遣いもマナーだ。
また、手紙の内容が1枚で終わってしまうこともあるだろう。そのようなときには、白紙の便箋を重ねて封筒に入れるのがマナー。一方でお悔やみといった内容では、不幸が重ならないようにという意味から、わざと便箋1枚で送るようにするのがマナーとされている。
宛名や住所の書き方
封筒に書く宛先は2行以内にし、封筒の3分の1以内に収まるように書く。縦書きの場合の数字は漢数字を使おう。
宛名は封筒の中央に、住所よりもやや大きめの文字で書く。差出人の住所や名前は、封筒の裏の左端に書くようにする。
結論
手紙を書くときのマナーは複数ある。前略は使わない、行の終わりに相手の名前がこないようにするといった基本的なルールをはじめ、構成や書き方、宛名に関するルールも押さえておきたい。また、前文、主文、末文、後付と構成を守ることで、相手が読みやすくなる。手紙の基本は縦書きだが、親しい人には横書きでもOKだ。封筒に入れるときも、相手のことを考えた折り方や入れ方をしよう。