目次
1. 紅茶の基本マナー | 持ち方

紅茶のマナーというと難しく考えがちだが、実際はそれほど厳密なものではない。
カップは右手で持つ
紅茶が出されたら、カップは右手に持つのがマナーだ。お店では右手でカップを持てるように置いてくれることが多い。もし、持ち手が左になっていたら反時計回りに回して、右になるようにして飲む。
カップの持ち手をつまむ
紅茶のカップの取っ手に指を入れるのはマナー違反だ。紅茶のカップは取っ手を指でつまんで口に運ぶ。マグカップのような大きなカップは重量があるため、指を入れる取っ手は大きく作られている。しかし、紅茶のカップは薄く軽量で、小さめに作られているのでつまんでも楽に持つことができる。
テーブルの高さで持ち方を変える
紅茶は、テーブルの高さで持ち方を変えるのがマナーとされている。ハイテーブルで紅茶を飲む場合は、ソーサーはテーブルに置き、カップだけ持つのがマナーだ。ローテーブルでは左手にソーサー、右手にカップを持って飲むのがマナーとされている。
両手で持ってはいけない
寒い冬など、両手でカップを持ってフーフーするシーンがあるが、紅茶を飲むときにはマナー違反となる。両手で紅茶のカップを持てるということは、紅茶がぬるいというアピールにもなってしまうからだ。誤解されないためにも、紅茶のカップは両手で持たないようにしよう。
2. 紅茶の基本マナー | 飲み方

紅茶の飲み方にはエレガントさが求められる。飲み方にもマナーがあるので注意しよう。
小指を立てない
ときどき、カップの取っ手に指をしっかりと入れて、なおかつ小指を立てて飲む方がいるが、このしぐさはあまり上品とはいえない。普段から小指を立てる癖のある方は、注意しよう。
スプーンはカップの向こう側に置く
紅茶のカップに添えられたティースプーンは、ミルクや砂糖を入れて混ぜたあと、カップの向こう側に置くのがマナーだ。手前に置くと、飲むたびにカップとティースプーンがぶつかって音を立ててしまうからだ。また、紅茶のカップのデザインを楽しむためにも、邪魔にならないようカップの向こう側に置くようにしよう。
砂糖・ミルク・レモンの入れ方
昔はカップの素材があまりよくなかったため、熱い紅茶を入れるとヒビが入ってしまうものが多かった。そのため先にミルクを入れる習慣があったが、現在では、紅茶を注いだ後にミルクを入れる。
砂糖を入れたときに、グルグルとティースプーンでかき回すのはマナー違反だ。ティースプーンはカップの向かい側から手前に向けてゆっくりと引く。それをもう一度向かい側に戻すのがマナーだ。
レモンティーを楽しむときには、ティースプーンの上にレモンの輪切りを乗せる。そしてそのまま数秒間、紅茶の中にくぐらせるのがマナーだ。カップの中にレモンの輪切りを入れたままでは、せっかくの紅茶の香りや色が台無しになってしまう。使い終わったレモンの輪切りはソーサーのフチに取り出しておく。
顎を上げない
紅茶を飲むときには、顎が上がらないようにするのがマナーだ。顎を上げて飲むのは品がないとされる。紅茶を優雅に飲む姿をイメージし、顎を上げずにカップの角度を調整して飲むようにする。
フードは左手で取る
紅茶には、サンドウィッチやマカロンなどのティーフードがつきものだ。直接手でつまむことが多い。そういった場合、カップを右手、フードを左手で持つというマナーがある。別々の手で持たないと、カップが食べ物の油やカスで汚れてしまうことがあるためだ。
3. 紅茶の基本マナー | いれ方・出し方

おもてなしをするときの紅茶のいれ方や出し方にもマナーがある。
ティーポットは片手で持つ
日本茶を入れる急須は、両手を使ってフタを押さえながら注ぐのがマナーとなっている。しかし、紅茶を注ぐティーポットは片手で持つのがマナーだ。なぜなら、左手は茶こしを使うため残しておかなければならないからだ。茶こしをカップに乗せたままでティーポットから注ぐのはマナー違反とされている。
高い位置から注がない
ドラマや映画で紅茶を高い位置から注ぐパフォーマンスを見ることがある。しかし、決してエレガントな所作とはいえない。わざわざ高い位置から注げば、紅茶がまわりに飛び散ってしまうかもしれず、そうなるとマナー違反といえるだろう。わざわざ危険を冒すこともない。
結論
カップの持ち方や飲み方、いれ方・出し方など、紅茶の基本的なマナーを押さえておけば、ティータイムをともに過ごす相手にも不愉快な思いをさせずに済むだろう。紅茶の香りと色、カップのデザインを楽しみながら、優雅なひと時を過ごそう。