目次
1. エアコン暖房の設定温度の目安は?

エアコンの暖房の設定温度は、何度くらいが適当なのだろう。設定温度と電気代の関係をみていこう。
環境省は20℃を推奨している
環境省ではエアコンの暖房の設定温度は20℃を推奨している。(※1)エアコンの場合は、外気温と設定温度の差が大きければ大きいほど、設定温度になるまでに電気代がかかる。設定温度に到達してしまえば、それほど電気代はかからないのがエアコンの特徴だ。
冬の方が夏よりも外気温と設定温度との差が大きくなるため、電気代がかかる計算だ。
設定温度と電気代の関係
環境省の試算によると暖房の設定温度を1℃低くすると、消費電力は10%も削減することができるそうだ。(※2)
電気料金は「基本料金」「電力料金」「再生可能エネルギー発電促進」の3本柱から構成されている。このうち基本料金は一定額となっている。あとの2つに関しては使用量によって従量課金される仕組みだ。設定温度を低めにすることで使用量を抑え、節電につながる。
2. 暖房の設定温度20℃で寒いときの対処法

暖房の設定温度の推奨が20℃といっても、外気温が低くなると寒く感じることがある。そのようなとき、別の方法を組み合わせて寒さ対策をしてみよう。
部屋の湿度を上げる
快適な環境は、室温だけではなく湿度も大きく関係している。同じ温度でも湿度が加わると体感温度も違ってくる。湿度が多ければ、体感温度も高く感じる。
冬の暖房では、エアコンの設定温度を上げるよりも、加湿器などを使って部屋全体の湿度を上げる方が暖かく感じる。
サーキュレーターを活用する
空気はあたためられると軽くなって上にたまりやすくなる。人がいるのは下のほうなので、そのままでは、なかなか暖かい空気に触れることができず寒いままだ。そこで活躍するのが、サーキュレーターだ。上にたまった暖かい空気を循環させて、効率よく部屋全体を暖かくできる。
風向きを下向きにする
エアコンの暖房を使うときには、風向きを下にする。暖かい空気は、どうしても上にたまってしまうためだ。最近では、人を感知して最適な風向きにする機種も出てきた。その場合には、自動設定しておくだけで風向きを調整してくれる。
窓に断熱シートを貼る
せっかく暖房で暖かくしても、窓から熱が逃げてしまう。さらに窓から外気の冷たい空気が部屋から侵入してきてしまう。そこで、窓に断熱シートを貼って部屋の暖かい空気を逃さず、外の冷たい空気をシャットアウトしよう。
衣類や寝具で調節する
暖房の設定温度を抑えながらも、寒さを感じないためには衣類で調整しよう。とくに手首、足首、首は衣類で暖かくしておくと効果的だ。厚手のセーターなどを着るよりも、薄手のインナーやセーターを重ね着する方が、暖かい空気の層ができるため保温効果が高まる。
また、寝具は下からの冷気で寒さを感じることが多い。毛布や掛布団などを何枚も上に重ねるよりも、むしろ敷布団を重ねる方が寒さから体を守ってくれる。
3. 暖房の設定温度を下げる以外の節約方法

暖房の設定温度を下げる以外にも、電気代を節約する方法がある。
自動運転にする
エアコンは設定温度になるまでに電気代がかかる。とはいえ、設定温度になってしまえば、あまり電気代はかからない。エアコンの風量設定には「自動」「強」「中」「弱」の設定がある。電気代を節約しようとして「弱」を選んでしまうと、設定温度にまで到達するのに時間がかかってしまう。これでは、かえって電気代がかかることになる。
エアコンの暖房で節電できるのは、自動運転だ。最初は強風で一気に部屋の温度を上げ、設定温度になったら弱運転にスイッチする。このほうが、結果的に消費電力を抑えることになるのだ。
フィルターや室外機を掃除する
エアコンの冷暖房の効率を上げるためには、フィルターや室外機の掃除は欠かせない。フィルターや室外機が汚れていると、余分な電力を使うことになる。フィルターは、2週間に一度程度は掃除するようにしよう。
頻繁に電源を入れたり切ったりしない
エアコンは、設定温度になるまでに最も電力を使う。設定温度になってからは、省エネモードになる。節電は、こまめにスイッチや電源を切ることが大切だが、エアコンにはこのルールは当てはまらない。むしろ、頻繁に電源を入れたり切ったりすることで、消費電力が多くなってしまう可能性がある。30分外出する程度であれば、エアコンをつけっぱなしにして室温を一定にしておく方が節電になる。
電力会社を変更する
2016年から電力の自由化がスタートした。各社でさまざまなプランが提案されており、自分のライフスタイルに合ったプランを選べば、電気代全体が安くなる可能性もある。節電も大切だが、家族が多く、電気の使用量も多い場合、電気代の値上がりは大きい。思い切って、電気会社を変更するという方法も考えてみてはいかがだろう。
結論
エアコン暖房の設定温度は、20℃が推奨されている。設定温度を1℃下げると10%の節電につながる。それでも寒いときには、部屋の湿度を上げる、サーキュレーターを使用する、窓に断熱シートを貼るなどの工夫をしよう。また、エアコンは自動運転にし、フィルターの掃除もこまめに行うと節電につながる。エアコン暖房の設定温度を抑えて、冬の電気代の高騰を乗り切ろう。
(参考文献)
※1出典:環境省「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」
※2出典:財団法人省エネルギーセンター「「省エネライフスタイルチェック25 使い方の工夫による省エネルギー効果」