目次
1. 静電気が発生するメカニズム

まずは静電気がなぜ発生するのか、詳しいメカニズムを紹介する。静電気や静電気体質の基礎知識とあわせて解説しよう。
そもそも静電気とは
静電気とは、物質や人体に蓄積される電気のことだ。水は電気を通しやすく、通常であれば静電気は空気中の水分を通して放電される。しかし、空気が乾燥する時期は空気中の水分が少なくなるため、静電気が帯電しやすい。冬に静電気が発生しやすいのは、こういった理由からだ。
発生するメカニズム
すべての物質はプラスとマイナスの電気を持っていて、普段は釣り合った状態を維持している。摩擦などでこのバランスが壊れると静電気が発生し、空気中に静電気が放電されなかった場合、物質や人体に蓄積される。この状態でドアノブなど金属に触ると静電気が一気に流れ、あのバチッとした痛みがはしるわけだ。
静電気体質とは
静電気体質とは帯電体質ともいい、静電気を溜め込みやすい人のことを指す。体内の静電気が自然放電されにくく、金属に触ったときにバチッとした痛みに遭遇しやすい。静電気体質には食生活や生活習慣が大きく関係しているため、対策をすることで改善できるだろう。
2. なぜ静電気体質になるのか?原因を解説

静電気体質を治すためには、まず原因を特定することが重要だ。静電気体質の方の特徴をチェックして、ご自身に当てはまるか確認してほしい。
水分不足により肌が乾燥している
肌に十分な潤いがある場合、肌の水分を通して静電気は少しずつ放電される。しかし、肌が乾燥していると静電気を通す水分が少くなり、体にためこみやすくなってしまう。
加齢や生活習慣の乱れ、日頃からの習慣で肌は乾燥しやすくなるので、十分な対策が必要だ。乾燥肌の人は静電気の刺激でかゆみが発生するため、とくに注意してほしい。
睡眠不足など生活習慣が乱れている
静電気体質になる原因の一つは「酸化」であると考えられる。酸化は「活性酸素」の過剰な増加で発生するもので、老化の主な原因だ。食生活の乱れや睡眠不足、喫煙、紫外線によって活性酸素は増加する。生活習慣の乱れが静電気体質につながるので、しっかりと対策をしよう。
ストレスを溜め込んでしまっている
精神的ストレスは酸化の原因の一つだ。日頃からストレスを溜め込んでいる人は、静電気体質になりやすい。
化繊素材の衣類やゴム底の靴が原因であることも
静電気体質ではなく、着用する衣服や靴の素材によって静電気が発生するケースがある。アクリルやポリエステル、ナイロンなどの化学繊維は帯電しやすい。
また、靴底の素材がゴムやラテックスだと、静電気が地面に流れにくくなる。逃げ場がない静電気が帯電しやすくなるので、注意が必要だ。
3. 静電気体質を改善する方法

静電気体質は日頃からの対策で改善できる。5つの効果的な方法を紹介しよう。
水分を補給する
水分不足は肌や髪が乾燥する原因になるので、適切に補給することが大事だ。1日に1.5~2Lを目安に、少しずつ水分を補給しよう。冷たい水は体を冷やすので、常温の水やお湯がおすすめだ。睡眠中は汗をかいて乾燥しやすいため、睡眠前に1杯、起床後に1杯の水を補給するとよい。
肌の乾燥を防ぐ
肌を小まめに保湿して静電気体質を改善しよう。保湿クリームやボディークリーム、ハンドクリームを活用するとよい。手足や首周りなど露出する部分はもちろん、乾燥しやすい腰やお腹周りも十分に保湿してほしい。
お風呂上がりや洗顔後、手洗いのあとは肌が乾燥するため、しっかりケアするとよい。髪もヘアオイルで保湿しよう。冬は肌や髪がとくに乾燥しやすいので、念入りに保湿することが大事だ。
室内の湿度を一定以上に保つ
空気中に水分が少ないと静電気が逃げにくいので、部屋の湿度が低いときは加湿しよう。加湿器を使用する以外では、水を入れたコップを置いたり、洗濯物を部屋干ししたりといった方法が効果的だ。
40%以下になると静電気が発生しやすくなるので、それ以上を維持しよう。ただし、湿度が高くなりすぎると、カビが発生しやすくなる。40~60%になるようコントロールしてほしい。
コンクリートや木などに触れる
ドアノブなどの金属に触れる前に、コンクリートや木に触れて静電気を逃がそう。革製の財布や綿の手袋を持ちながら触れてもOKだ。手軽に使える静電気除去グッズもあるので、静電気体質の人は持ち歩くとよいだろう。
身に着ける靴や衣類の素材にも着目する
靴は静電気を逃がせるように、底がゴム製以外のものを選ぶとよい。帯電しにくい革靴がおすすめだ。ゴム製の靴底でも、事前に水で濡らしておけば静電気は逃げやすい。
着る服は、麻や綿、絹など天然素材のものを取り入れよう。このような天然素材は化学繊維の服と擦れても静電気が発生しにくいので、肌着やインナーとして着用するだけでも効果がある。静電気の原因である摩擦が軽減できる柔軟剤や、静電気防止スプレーを使用するのもおすすめだ。
結論
静電気体質は原因を特定すれば改善できる。肌の乾燥や生活習慣の乱れ、着用する衣服の素材など、主な原因をチェックしておこう。肌の保湿をしたり、室温を一定以上に保ったりといった効果的な対策を紹介したので、静電気体質の人はぜひ実践してほしい。