目次
1. 芝生が枯れる原因と再生方法

芝生が枯れる原因はどこにあるのだろうか。再生方法とあわせて解説していこう。
季節が原因の場合
芝には、暖地タイプと寒地タイプの2種類がある。夏芝といわれる暖地タイプは寒さに弱く、秋以降になると枯れていく。一方で、寒地タイプの冬芝は暑さに弱く、夏になると枯れてしまう。どちらも一時的に枯れるが、根は地中で生きているのでまた再生するだろう。
【再生方法】
成長期に元気に発芽させるために、夏芝は枯れる前の9月~11月に肥料を与えるとよい。冬芝の場合は、枯れやすい季節に水やりすることが大切だ。水やりは、7月では2日おき、8月は毎日午前中にするとよいだろう。
芝刈りが原因の場合
芝の茶色い部分と緑色の部分の境目には、成長点といって、新芽が出るポイントがある。成長点もろとも刈る「軸刈り」を行えば、芽が出ずに成長しにくくなるのだ。もし芝刈りをしたあとに枯れたら、この成長点を刈ってしまった恐れがある。
【再生方法】
芝が再生するかどうかは季節や根の状況で左右される。春~初夏であれば、肥料をやり1ヵ月程度様子を見て、新芽が出てこなければ芝の張り替えが必要だろう。
購入した芝生の傷みが原因の場合
購入した時点で芝が傷んでおり、状態が悪ければ根が張らないことも考えられる。とくに店外に平積みにされていれば接地面は蒸れやすく、外気で水不足になることもあるだろう。購入時、すでに枯れていないか確認することが大事だ。
【再生方法】
すでに購入した芝が傷んでいても、葉が黄色く変色している程度であれば再生する可能性はある。そのため、購入後は放置せずに、早めに芝を植えるようにしよう。
病気が原因の場合
芝が黄色~茶色へ変色している場合は、ラージパッチ(葉腐病)という病気の可能性がある。放置しているとどんどん外側へ広がり、見た目にも悪くなるだろう。ラージパッチにかかれば、毎年同じ箇所に症状が現れる。
【再生方法】
ラージパッチに効果的な殺菌剤を散布するとよい。完全に再生するまでは約2ヵ月以上かかるため、長い目で見る必要がある。ラージパッチを発症する前に、殺菌剤を散布して予防しておこう。
除草剤が原因の場合
除草剤には「選択性」と「非選択性」の2種類がある。選択性除草剤は、雑草のみを枯らすことができる。しかし、中には芝をも枯らしてしまう除草剤があるのだ。芝の種類によっては枯れる恐れもあるだろう。
【再生方法】
選択性でも非選択性でも除草剤を使用し芝が枯れた場合、再生を促す方法はない。しばらく水やりをしながら様子を見よう。ただし、肥料のやりすぎは回復待ちの芝にとっては負担になる。
害虫の発生が原因の場合
芝の害虫で代表的なものは、「コガネムシの幼虫」「ヨトウムシ」「シバツトガ」だ。コガネムシの幼虫は根を食害し、ヨトウムシとシバツトガは、茎や葉を食い荒らす。これら害虫の被害に遭えば、芝は部分的に枯れたり、芝が抜け密度が低下したりするだろう。
【再生方法】
再生させる前に、前述したすべての害虫に効果がある殺虫剤「スミチオン」をまくのがおすすめだ。再生させる場合は、土壌と肥料を工夫しよう。土壌には、芝に穴をあけ新鮮な空気や水を与えるエアレーションや、古い根を断ち切り新しい根の成長を促進させるスライシングをするとよい。肥料は、光合成を促進させるためにケイ酸やカリ、アミノ酸などをバランスよく含んだものを使おう。なお、サッチ分解剤は、シバツトガに苞を作らせないために有効だ。
2. 再生した芝生が再び枯れるのを防ぐには?

再生した芝が枯れないようにする方法をお伝えしよう。
成長点を把握して軸刈りしないようにする
芝を刈る際には、軸刈りをして成長点まで刈らないように注意したい。刈り取る目安は芝の長さに対して3分の1と覚えておこう。日ごろから定期的に芝刈りをして、成長点をそろえておくとよいだろう。
デコボコを平らにする
デコボコしていると、芝刈りがうまくいかず軸刈りする可能性もある。盛り上がっている部分は土から削り取り、逆にくぼんでいる部分は、芝をはがしたあとに土を補充するようにしよう。
選択性の除草剤を使う
芝生に使用する除草剤は、選択性のものを選び、購入する前にしっかり注意書きを読もう。また、毎回同じ除草剤を使用していると、雑草に耐性がつくことがある。除草剤を使用する場合は、ちがう種類を代わる代わる使うようにしよう。
頻繁に足を踏み入れない
芝は圧力によって成長に影響が出ることがある。人通りのある場所に芝は張らないようにしよう。
結論
枯れてしまった芝も、場合によっては再生する可能性がある。気温や害虫などさまざまな原因で枯れることがあるが、「なぜ枯れたか」を理解すれば、次回から対策や予防もできるはずだ。キレイな芝を維持させるためには、日ごろからしっかり観察しながらお手入れをしておこう。