歯磨きとマウスウォッシュはどっちがいい？液体タイプとの違いも解説

マウスウォッシュは、口に含んでブクブクとゆすぐように使う洗口液だ。歯磨きと同様に口の中を洗浄する効果があるが、歯磨きほどに歯の汚れを落とすことはできない。効果的に口腔内を洗浄するには、どっちをどの順番で使えばいいのだろう？

歯磨きが面倒なときにマウスウォッシュで代用したいと思うことがあるが、それはNGだ。医薬品のマウスウォッシュには殺菌効果があるものの、殺菌できるのは歯の表面にいる細菌に限定される。プラーク（歯垢）の塊の中や歯周ポケットの内部に入り込んだ細菌を除去することはできず、歯磨きの代わりとしては不十分なのだ。マウスウォッシュはあくまで一時的な殺菌作用や、口臭予防を目的として使うものと考えよう。

プラークや歯周ポケット内の細菌までしっかり除去するには、歯磨きによって「歯をこする」ことが必要だ。ただ、歯磨きで歯の汚れを取り除いた後にマウスウォッシュを使うことで、その後の細菌の繁殖や歯垢の蓄積を抑える効果は十分に期待できる。2つを併用する場合、歯磨き後にマウスウォッシュを使うと最適なのである。

液体タイプのデンタルケア製品には、マウスウォッシュのほかに液体歯磨き（デンタルリンス）があり、少々分かりにくい。マウスウォッシュのような洗口液と、液体歯磨きの違いも説明しよう。

液体歯磨きはマウスウォッシュとは違い、歯ブラシによるブラッシングとセットで使うアイテムだ。つまり、練りハミガキ（歯磨き粉）と同じ用途で使うものである。液体状であることで歯の隙間にも浸透しやすく、研磨剤が入っておらず歯や歯ぐきを傷つけにくいなどが液体歯磨きのメリットだ。マウスウォッシュのように口をゆすぐだけでは効果は薄いので、区別して使おう。

液体歯磨きとマウスウォッシュの使い方について、詳しく見ていこう。

【液体歯磨きの使い方】

適量を口に含み、20～30秒ブクブクと口をゆすぎ、すみずみまで行き渡らせる。その後、歯ブラシを使って普通どおりブラッシングする。商品によっては、口に含んだままブラッシングするタイプもある。歯を磨いたあとは、効果を持続させるために水ですすぐ必要はないが、気になる場合はすすぎをしてもOKだ。

【マウスウォッシュの使い方】

適量を口に含み、20～30秒ブクブクと口をゆすぎ、すみずみまで行き渡らせたのち吐き出す。こちらも、使用後は基本的に水ですすぐ必要はない。マウスウォッシュはブラッシングが不要なため、歯磨き後をはじめ、外出前、食事のあとや就寝前など、口内の汚れや口臭が気になるとき、好きなタイミングで使おう。

液体歯磨きやマウスウォッシュなど、液体タイプの洗口液を使うときの注意点も紹介する。

フッ素を配合した歯磨き粉は多く存在している。フッ素には虫歯の原因菌を抑えたり、歯の再石化を促したりして虫歯を予防する効果がある。ただし、フッ素入り歯磨き粉を使用した後にマウスウォッシュを使うと、フッ素の成分が洗い流されてしまうのだ。フッ素入り歯磨き粉を使う場合、歯磨き後はマウスウォッシュを使用しないようにしよう。

液体歯磨きやマウスウォッシュには、成分としてアルコール（エタノール）が配合されたものも多い。誤って飲み込む可能性のある子どもや、アルコールに弱い人は、ノンアルコールタイプを選ぶようにしよう。

液体歯磨きやマウスウォッシュを使いすぎると、口内に必要な常在菌や唾液の量が減ってしまい、かえって口内環境を乱す原因にもなる。逆に使用量が少なすぎたり、口に含む時間が短すぎたりする場合は十分な効果が得られない。用法・用量を確認し、正しく使うことが大切である。

歯磨きとマウスウォッシュの役割・効果について解説した。どっちを先にするか迷ったら、歯磨きで歯垢を除去した後にマウスウォッシュを使うのがベストである。マウスウォッシュ単体では歯磨きの効果はないので気を付けよう。また、液体歯磨きは歯ブラシでブラッシングする際に使うアイテムだ。それぞれを適切に使い分けることが、口内環境を清潔に保つコツである。