目次
1. カイロが熱を発する仕組みとは?

カイロの熱を発生させている成分は「鉄」だ。鉄には酸素に触れて酸化する際に熱を発する性質があり、これを化学では反応熱と呼ぶ。使い捨てカイロの中には鉄粉が入っており、袋から取り出して空気に触れることで、鉄と酸素の間に化学反応が起こり温かくなるのだ。そのほかカイロの中には水や活性炭、木粉など、鉄の酸化を促す物質も入っている。
2. カイロを貼る場所のおすすめ | 上半身

上半身をカイロで温めることで、寒さの解消だけでなく肩こりや腰痛などの緩和、風邪予防などの効果も期待できる。まずは上半身のカイロを貼る場所のおすすめを紹介しよう。
首
首には太い血管である頸動脈が通っており、首にカイロを貼ると全身が効率的に温まる。さらに首の後ろには、大椎(だいつい)という身体を温めたり血行を促進したりするツボがあり、大椎を温めることで風邪予防や肩こり改善にも一役買う。大椎は首を前に倒したとき、首の後ろに出っ張る骨のすぐ下にあるため、貼る場所は首の後ろの付け根あたりがおすすめだ。
背中
背中の上部には、首から肩、背中までを覆う僧帽筋がある。僧帽筋の冷えや血行不良は肩こりの一因でもあるため、カイロで温めることで肩こりの緩和が期待できる。ただし、突発的な肩こりなら冷やしたほうがよい場合もある。あくまで、慢性的な肩こりに対して効果が期待できるということを頭に入れておいてほしい。1枚貼るなら、場所は肩甲骨の間あたりが目安だ。肩甲骨の間には風門という風邪予防のツボも左右にあるため、2枚のカイロを並べて貼ってもよい。
お腹
全身を温めたいときは、お腹にカイロを貼るのもおすすめだ。おへそから指2本分下には冷え症に効く気海というツボがあるため、気海を中心にして貼ると効果的である。気海は疲労感があるときにも効くツボなので、体調を整えたいときなどにもここにカイロを貼ってみよう。
腰
腰周りに痛みや冷えがある方は、おへそのちょうど裏側にカイロを貼るのがおすすめだ。腰のその場所には、腰痛や冷え症、胃腸のトラブルなどに効く命門・腎兪といったツボが集まっており、身体を温めながらさまざまな不調にもアプローチできる。大き目のカイロを横向きに貼ると、両方のツボをカバーすることが可能だ。
3. カイロを貼る場所のおすすめ | 下半身

デスクワークが長い方や運動不足の方などは、下半身の血行が悪くなるため冷えを感じやすい。下半身にあるカイロを貼るおすすめの場所も見ていこう。
太もも
太ももは脂肪が多く、身体の中でも冷えやすい場所だ。太ももが冷えて血行が悪くなると、老廃物が溜まってセルライトができ、セルライトによりさらに冷えが進行して脂肪が増える...といった悪循環に陥るケースも多い。太ももにカイロを貼ると、冷えの改善と同時に脂肪・セルライト蓄積の予防になるため、ダイエット効果を得たい方にもおすすめの場所である。
ふくらはぎ
第二の心臓と呼ばれるふくらはぎには、血液を押し流すポンプ機能がある。そのためふくらはぎを温めることは、足だけでなく全身の血行促進や冷えの改善にも効果的だ。またふくらはぎには、むくみや内臓機能の低下などに効果を発揮する多くのツボも集中している。温めることでさまざまなメリットが得られるだろう。
足首
首と同様に太い血管が通っている足首も、カイロを貼る場所としておすすめだ。内くるぶしの骨とアキレス健の間には、冷え症に効く太谿(たいけい)というツボもある。太谿をカバーするように、足首の後ろ側に横向きで貼ると、効率よく身体が温められる。
足裏
足裏には60を超えるツボが集まっており、カイロを貼ることで腰痛や便秘の改善、胃・肝臓・腎臓などの機能向上など、さまざまな健康効果が期待できる。靴下に貼るタイプや靴に入れるタイプなど、足裏専用のカイロを使って温めよう。
4. カイロを貼る際の注意点

カイロは使い方を誤ると温度が上がりすぎて、やけどの原因にもなりかねない。カイロを貼る際の注意点も確認しておこう。
肌に直接貼らない
カイロを肌に直接貼ることで熱が肌に伝わりやすくなるため、低温やけどを引き起こす恐れがある。また肌荒れの原因にもなりうるので、カイロは必ず衣服の上から貼るようにしよう。
貼ったまま寝ない
カイロを貼ったまま布団などを掛けて寝てしまうと、熱がこもって温度が上昇しやすくなる。寝ている間にやけどをしてしまう危険性もあるため、就寝中の使用は控えよう。
カイロと暖房器具を同時に使わない
カイロを貼った場所にさらに暖房を当てたり、ほかの暖房器具で温めたりするのも危険だ。カイロの最高温度である60~70℃を超えてしまう恐れがあるため、もし暖房器具と併用する際も、一か所に熱が集中しないよう注意が必要である。
結論
カイロを貼る場所によって、身体を温める以外にもさまざまな健康効果が期待できる。いつもカイロを同じ場所に貼っているという方は、これまでと違った場所に貼ることで、思わぬ恩恵があるかもしれない。この冬はぜひいろいろな場所にカイロを貼って、その効果を確かめてみてほしい。