目次
1. 発泡スチロールの間違った処分方法

発泡スチロールを処分する前に、間違った方法を確認しておきたい。やってはいけない2つの処分方法をまとめた。
自分で燃やす
発泡スチロールが不完全燃焼した場合、黒いススや一酸化炭素が発生する。ススは周囲に付着する恐れがあるだろう。洗濯物や周囲が黒くなる、ご近所に迷惑をかけるといったトラブルにつながる。
また、廃棄物(ごみ)を燃やす「野焼き(※1)」は、一部の例外を除いて法律違反だ。5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金(または両方)が科せられる可能性がある。発泡スチロールを燃やすのは避けて、正しい方法で処分しよう。
溶剤などで溶かす
発泡スチロールは、リモネンやアセトン、ベンゼン、トルエンで溶かすことが可能だ。一方で溶剤によっては、毒ガスが発生するリスクがある。
液状化した発泡スチロールは扱いが難しく、引火のリスクがあるので注意が必要だ。容積は減らせるが手間もかかるので、適切な方法で処分しよう。
2. 発泡スチロールの正しい処分方法

発砲スチロールの正しい処分方法を解説する。自治体での捨て方と、それ以外の方法をチェックしよう。
自治体での処分方法
【自治体の分別ルールを確認する】
発泡スチロールは、「プラスチック製容器包装」や「可燃ごみ」として分別するのが一般的だ。自治体によって分別やルールは異なるので、公式サイトなどで確認してほしい。
指定のごみ袋に入れて、回収日になったら収集場所に持っていく。発泡スチロールが汚れている場合は、キレイに洗ってから処分しよう。汚れが落ちないなら、プラスチック製容器包装に分別されていても可燃ごみとする自治体が多い。
一定以上の大きさだと、粗大ごみに分別する自治体もある。しかし、ごみ袋に入るように小さくすれば、プラスチック製容器包装や可燃ごみとして処分が可能だ。
【発泡スチロールを簡単に小さくする方法】
かさばる発泡スチロールを小さくする際には、カッターを使用する。クズが飛び散るので、新聞紙などを敷いてからカットしよう。専用の発泡スチロールカッターは切りやすく、クズも飛び散りにくい。
ごみ袋に入れて体重をかけてくだく方法ならさらに簡単だ。小さめの発泡スチロールであれば、問題なくくだけるだろう。大きめの発泡スチロールは、事前にカッターで切り込みを入れておくとよい。
自治体以外での処分方法
【リサイクルボックスに入れる】
スーパーの外などに設置されている、リサイクルボックスに入れる処分方法だ。肉や魚が入っていた食品トレーを、無料で回収してもらえる。
一方でインスタント麺容器やしめじ容器、納豆のパックは回収できない。それ以外の食品トレーでも汚れたままだとNGなので、キレイに洗って乾かしてから持っていこう。
【家電量販店に持ち込む】
家電梱包材の発泡スチロールは、購入した店舗で無料引き取りをしているケースが多い。家電が入っていたダンボールごと持っていけば、かさばる心配もないだろう。
ただし、発泡スチロールの引き取りをしていない店舗もある。事前に公式サイトや問い合わせで確認しておくと安心だ。
【不用品回収業者に頼む】
不用品回収業者なら、大量の発泡スチロールも家まで引き取りにきてもらえる。電話1本で都合のよいタイミングで回収してもらえて、他の不用品と一緒に処分できるのが魅力だ。
他の捨て方と違って費用はかかるが、より手軽に処分できるだろう。一方で無許可の不用品回収業者(※2)には注意が必要だ。高額な費用を請求される恐れもあるので、必ず「一般廃棄物処理業許可」がある業者を選んでほしい。
3. 発泡スチロールを処分せずに活用する方法

軽くて扱いやすい発泡スチロールは、いろいろな用途で再利用が可能だ。処分する前に知っておきたい2つのアイデアを紹介する。
収納ボックスにする
箱型の発泡スチロールなら、そのまま収納ボックスにしてもよいだろう。穴を開ければプランターに、保冷剤を入れればクーラーボックスになる。軽くて持ち運びやすいので、買い物袋の代わりとして車に置いておいておくのもおすすめだ。
DIYして利用する
発泡スチロールは簡単にカットできるため、DIYでも活躍する。お子さんの工作の材料としてもおすすめだ。色を塗ったりリメイクシートを貼ったりして壁に貼り付ければ、断熱にもなる。小さめにカットしたあと鉢底ネットに入れて、鉢底石として使ってもよいだろう。
結論
発泡スチロールを処分する際には、まず自治体のルールを確認する。プラスチック製容器包装や可燃ごみに分別するのが一般的だ。指定の袋に入らない場合は、小さくカットしてから処分してほしい。リサイクルボックスに入れる、不用品回収業者に頼むなど、その他の処分方法もあわせてチェックしておこう。
(参考文献)
※1: 奈良県御所市「廃棄物(ごみ)の「野焼き」は法律で原則禁止されています」
※2:環境省「いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル!」