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着物の着方とは?初心者でもわかる着付け方を手順ごとに解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2023年1月 1日

着物はフォーマルな場はもちろん、最近はお出かけの際に取り入れる方もいるように、いろいろなシーンで着用できる。着物の着方を覚えておけば、1人でも着付けができて便利だ。そこでこの記事では、初心者でもわかる着物の着方を紹介する。あわせて間違えやすい右前と左前の違いについても解説しよう。

  

1. 着物の着方は右前?それとも左前?

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初心者が着物の着方で迷うのが、右前と左前のどちらにするのかという点だ。基本的な着方のポイントとして、まずは右前と左前の違いから見ていこう。

右前や左前の意味

「右前」とは向かい側に立つ相手から見て、着物の右側の襟が前に重なっていることを指す。一方「左前」とは、相手から見て左側の襟が前にきている状態だ。
このうち正しい着方は右前と覚えておこう。左前は亡くなった方に着せる死に装束(しにしょうぞく)の着方で、生きている方が左前で着用するのは縁起が悪い。

男性も右前で着る

洋服では男女で前合わせが逆になるため、着物の着方も同様に思われやすい。しかし着物は男性も女性と同様に右前で着る。洋服とは違うので注意しておこう。

2. 着物の正しい着方 | 準備

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着物の正しい着方を学ぶ前に、まずは着物の準備方法から押さえておきたい。着物はデリケートなので、準備の段階から汚れやシワがつかないように気を配ることが大切だ。

前日に着物を出しておく

着物は着る直前ではなく、前日にタンスから出しておくのが理想だ。前日に出して直射日光の当たらない場所で干すことで、たたんだ際のシワや防虫剤のニオイを軽減できる。2~3時間ほど風を通し、シワが取れない場合はあて布をしてアイロンをかけよう。
また着物を出した際には、前もって半襟をつけておく。着用当日に慌てたりコーディネートに悩んだりしないよう、合わせる小物も事前に決めておくとよい。

着物は衣裳敷の上で取り扱う

着物は衣裳敷(いしょうしき)という和紙の上で取り扱うのが鉄則だ。衣裳敷は着物をたたむ際に下に敷くもので、床のホコリや汚れが着物に付着するのを防ぐ役割がある。

3. 着物の正しい着方 | 着付け

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ここからはいよいよ、着物の正しい着方を見ていこう。足袋・肌着・長襦袢・着物・帯の着方をそれぞれ手順ごとに解説し、気をつけたいポイントも紹介する。

足袋や肌着を着る

最初に足袋や肌着から着用しよう。足袋は、はくときにかがむ必要があるので、着物を着る前にはいておくとスムーズだ。肌着は和装用の肌襦袢を使うか、ない場合はタンクトップや薄手のインナーでも問題ない。
なお、着物を着た際にキレイなラインを作りたい方は、タオルなどでお尻や腰まわりを補正して体の凹凸をなくすとよい。

長襦袢を着る

次に長襦袢を身につけよう。長襦袢は肌着と着物の間に着るもので、整った襟元を作るために役立つ。長襦袢を羽織り、両方の襟を持って中心を合わせよう。最後に着物や長襦袢を押さえるための紐である「伊達締め」を締める。

着物を着る

【着物を羽織って背中心を決める】
着物を羽織ったら、まずは背中の中心を決めよう。着付けているうちにズレそうなら、クリップなどで固定するのがおすすめだ。
【裾線・前幅・下前・裾線を決める】
着物の下の縁である「裾線」を水平に持ち上げ、裾が地面から少し浮くほどの高さにくるよう調節する。次に自分から見て左側の身頃である「上前」を腰骨のあたりに合わせ、前幅を決めよう。今度は「上前」をいったん広げて、右側の身頃である「下前」を体に沿わせてから、上前を合わせる。最後に裾線を決め直し、ちょうどよい丈感に合わせればOKだ。
【腰紐を締めておはしょりを作る】
上で決めた前幅や裾線がズレないよう、腰紐を締めて固定する。次に「おはしょり」を作っていこう。おはしょりとは腰紐を締めた際に帯の下から出る、折り返し部分のことだ。着物の生地を整えながら、前後のおはしょりを下ろそう。
【背中心を合わせてコーリンベルトをつける】
最初に決めた背中心を再び合わせたら、コーリンベルトをつける。コーリンベルトとは襟やおはしょりを固定するためのベルトだ。長さは肩幅より長くして、左の身八つ口からコーリンベルトを差し込み、右側の襟に留めよう。そのまま反対側にも回し、左側もはさんで固定する。
【背中のシワを伸ばして伊達締めする】
最後に背中のシワを伸ばしてキレイに整えたい。仕上げに伊達締めを留めて着物を固定しよう。

帯を締める

上で紹介した着方で着物を着たら、最後に帯を締める。結び方はいろいろあるが、ここでは基本の結び方とされる以下の3つをピックアップした。
【二重太鼓結び】
  • 左肩に輪の首をかけ、手先を帯の下線に合わせる。帯を腰にひと巻きしよう。
  • 手先の下部を背の中心にあわせて引き、帯を腰にもうひと巻きして、右手でしっかり引き締める。このとき後ろはななめに折り上げておこう。
  • 肩にかけていた手先を下ろして仮紐で押さえ、帯の右下を通して前で結ぶ。
  • たれ元を広げ、先から30cmほどの場所に帯枕を当て、柄を見ながらお太鼓の山を決める。帯枕と帯を持ちながら、お太鼓の山を両手で引き、帯の上線まで持ち上げてのせよう。
  • 帯枕のガーゼを前で結ぶ。仮紐を外したら、その仮紐でお太鼓の下線を決める。
  • 手先を仮紐に通して引き出す。余った分は内側に折り込み、2~3cmほど出るようにするとよい。あとは帯締めをお太鼓に通して結べば完成だ。
【一重太鼓結び】
  • 左肩に輪の首のほうをかけ、手先を帯の下線に合わせる。それから帯を腰にひと巻きしよう。
  • 手先の下部を背の中心にあわせて引き、帯を腰にもうひと巻きして、右手でしっかり引き締める。このとき後ろはななめに折り上げておこう。
  • 肩にかけていた手先を下ろして仮紐で押さえ、帯の右下を通して前で結ぶ。
  • たれ元を広げ、帯揚げを帯枕に巻いたらゴムで固定する。帯の内側に帯枕を当て、柄を見ながらお太鼓の山を決める。帯枕帯の上線まで持ち上げ、お太鼓にのせよう。
  • 帯枕の紐を結んで帯の内側に入れ込む。その上から帯揚げを仮留めしておこう。
  • 仮紐を外し、お太鼓の内側に当ててたれを持ち上げる。たれの長さを決めたら仮紐を結ぼう。
  • 手先を仮紐に通して引き出す。余った分は内側に折り込み、1~2cmほど出るようにするとよい。
  • 帯締めをお太鼓に通し、前で交差させる。上から出た紐で輪を作り、もう片方の端を輪に通して締めよう。あとは仮紐を外し、脇から開いた帯揚げを三つ折りにしてからさらに半分にし、ひと結びする。残りの帯揚げを帯の内側に入れ込んだら完成だ。
【角だし結び】
  • 左肩に輪の首のほうをかけ、手先は帯の下線より長めに合わせる。それから帯を腰にひと巻きしよう。
  • 手先の下部を背の中心にあわせて引き、帯を腰にもうひと巻きして、右手でしっかり引き締める。このとき後ろはななめに折り上げておこう。
  • 肩にかけていた手先を下ろして仮紐で押さえ、帯の右下を通して前で結ぶ。
  • 手先をたれの内側から出し、右に移動させて上に折ろう。輪を左にして、仮紐で押さえておく。
  • たれの先をおはしょりの下あたりまで内側に折り、クリップなどで固定する。厚紙を横18cm×縦3cmほどにカットしたら、ガーゼと帯揚げを巻いて帯枕を作ろう。
  • 帯の内側に手順5で作った帯枕を入れ、帯山を背中につける。帯枕のガーゼを前で結び、クリップと手先の仮紐を外そう。
  • お太鼓のサイズを決め、内側に帯締めを当ててたれを内側へ折る。あとは帯締めを結んで完成だ。

結論

着物は着せてもらうほうが楽に感じるかもしれないが、着方を覚えて自分でも着られるようになると、日常生活でもより気軽に取り入れやすくなる。お気に入りの柄や色の着物や帯を用意し、着方を練習してみよう。最初は難しくても、繰り返し着付けていくことで上手に着られるようになるはずだ。
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  • 更新日:

    2023年1月 1日

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