目次
1. 写真が劣化する原因

プリントした写真の劣化を防止するには、まず劣化の原因を押さえておく必要がある。写真が劣化するのは、主に紫外線・湿度・酸が原因だ。以下ではそれぞれが写真にどのような影響を与えるのか解説しよう。
写真の劣化は主に「紫外線」「湿度」「酸」が原因
【紫外線】
紫外線には漂白作用があり、紫外線を浴びた写真は色素が分解される。そのため、日光の当たる窓際に置くなどで紫外線にさらされた写真には、色あせが生じやすくなる。また、紫外線は蛍光灯からも出ているので、蛍光灯が直接当たる場所に写真を置くのは避けよう。
【湿度】
写真は紙にプリントするため湿度も大敵だ。湿度の高い場所に置いていると、空気中の水分を吸収して変形したり、含んだ水分が蒸発する際に縮んだりしてしまう。また、水分はカビを招くおそれもある。これらのことから、写真はできるだけ空気に触れさせないようにすることが大切だ。
【酸】
フィルムを現像した写真には酸が含まれる場合がある。酸は湿気や熱で表面ににじみやすく、写真の色あせの原因になる。とくに高温多湿な環境では酸が出やすくなるので注意したい。
2. 写真の劣化を防止するには保管方法の見直しを

紹介したように写真は紫外線・湿度・酸によって劣化する。このポイントを踏まえ、保管方法に気をつけて写真の劣化を防止しよう。劣化を防止するアイデアを5つピックアップしたので、取り入れてみてほしい。
UVカット仕様の写真立てを使う
写真を窓際に飾りたい人は、UVカット仕様の写真立てを使うのがおすすめだ。製品にもよるが、紫外線を90%以上カットできるものも多く、写真の劣化を抑えられる。しかし、100%遮断できるわけではないので、できるだけ直射日光が当たりにくい場所に置こう。
風通しのよい冷暗所で保管する
湿気や紫外線は写真を劣化させるので、写真の保管には風通しがよい冷暗所を選びたい。紫外線を防ぐ場所としては押入れやクローゼットが好適だが、ジメジメしやすいので気をつけよう。普段は戸を閉めているなどで、湿気がこもりやすい押入れやクローゼットは避けたほうが無難だ。
アルバムに入れて保管する
写真が空気に触れないようにするには、アルバムに入れて保管するのが適している。とくにおすすめなのはフリー台紙タイプと呼ばれるアルバムだ。粘着力のある台紙に写真を貼り、フィルムをかぶせて密封するタイプで、空気に触れにくくなる。
一方、アルバムにはポケットタイプもある。密封できないのでフリー台紙タイプよりは空気に触れやすいが、写真をポケットに差し込むだけで作れるのが便利だろう。
乾燥剤などを入れて湿気を防ぐ
湿気が心配な環境では、乾燥剤を使って湿気を防止しよう。保管場所がないなどで写真を押入れやクローゼットに収納する場合は、乾燥剤を置くとよい。
データ化して保管する
古い写真はデータ化して保管しよう。もし紙の写真が劣化してしまっても、データがあれば簡単にプリントし直せる。写真のデータ化はアプリやソフトでもできるが、量が多い場合は写真屋のデータ化サービスを利用するのも手だ。
3. 写真の劣化はちょっとした工夫で防げる

紹介したように、写真の劣化はちょっとした工夫で防止できる。UVカット仕様の写真立てを使う、アルバムに入れるなどの方法で保管し、紫外線や湿度による劣化を防止しよう。お気に入りの写真立てをそのまま使いたい場合は、写真保護フィルムを活用するのもおすすめだ。とくにフィルムから現像した写真は酸により劣化しやすいので、保管方法に一層注意したい。
結論
思い出の写真や、子どもやペットのかわいい写真は、目につくところに飾っておきたいものだ。データのある写真なら劣化してもプリントし直せばよいが、データやフィルムがない紙の写真は、ひとたび劣化すると再現不可能になってしまう。そのため、古い写真はデータ化し、思い出をいつまでも保管できるようにしよう。