目次
1. ニットが縮む原因とは?

ニットは、なぜほかの衣類に比べて縮みやすいのだろう。
ニット生地は繊維が絡みやすい
ニットが縮みやすい原因の1つはその構造にある。一般的な生地は、縦糸と横糸が交差する形で織られていく。糸と糸の間にスキマがほとんどないため、洗濯でこすれても、縮みにくい。
一方ニットは、糸でループを作って連結する編み物だ。ループの輪が小さくなったり絡んだりすることによって、縮みが生じる。綿素材のニットは洗濯時に水を含んで膨張し、乾燥すると収縮するが、繊維の内側に戻る力が強いため縮んでしまう。ウール素材のニットは、洗剤などの影響でうろこ状のキューティクルが荒れて絡みやすくなり、縮む原因となっている。
2. ニットを復活させる裏技テクニック

縮んでしまったニットのセーターは、もう元に戻らないのだろうか。まだ諦めてはいけない。ニットを復活させる裏技を紹介しよう。
トリートメントを使う
縮んでしまったニットを、シャンプーの後に使うトリートメントで復活させる裏技だ。とくにウールのニットには効果が期待できる。トリートメントに「ジメチコン」という成分が配合されているかどうか確認してから裏技を試してみよう。
ジメチコンという成分はシリコンの一種で、縮んだ衣類を元に戻す働きがあり、クリーニング店などでも使われている。
ぬるま湯5Lに対してトリートメント5㏄を入れてよく混ぜる。縮んでしまったニットを5分ほど浸してから軽く脱水にかける。段ボールで作った型紙にニットをセットし、元のサイズに戻るまで伸ばしていく。クリップなどで固定したら、型紙を入れたまま乾かせば復活する。
ドライヤーを使う
ニットは、縮むだけでなく伸びてしまうというトラブルも多い。とくに襟や袖などが伸びると、だらしなく見えてしまう。伸びたニットを復活させる裏技は、ドライヤーを使う方法だ。伸びてしまった部分を軽くお湯で濡らして絞る。形を整えたら、ドライヤーで乾かすだけだ。乾燥させることで繊維が元に戻ろうとする力を利用した復活の裏技だ。
スチームアイロンを使う
縮んだり伸びたりしてしまったニットにスチームアイロンを当てて復活させる裏技だ。縮んだニットは手で伸ばしながら、ゆっくりとスチームアイロンを当てていく。伸びたニットは、気になる部分の繊維をほぐし、柔らかくしてから少し強く絞る。形を整えながらスチームアイロンを当てると、伸びた繊維が徐々に元に戻っていく。アイロンをかけるのではなく、スチームを当てることがポイントだ。
シリコン洗剤を使う
シリコン洗剤を使って、縮んだニットを復活させる裏技だ。シリコンには繊維をコーティングして守る働きがある。シリコン洗剤を水に溶かしてから、ニットを浸す。軽く脱水をかけたら、湿った状態のまま、伸ばしたい方向へと引っ張って形を整える。乾燥すると、どうしても多少なりとも縮んでしまう。希望の復活サイズよりも、やや大きめに引き伸ばすとジャストサイズに仕上がる。
タンブラー乾燥を利用する
タンブラー乾燥は、衣類を回転させながら温風を当てて乾かすタイプの乾燥機だ。コインランドリーなどでよく見かける。短時間で乾燥できるというメリットがある。タンブラー乾燥を利用することで、伸びたニットが元に戻って復活する。ただし、素材はコットンに限る。ウール素材のニットでは、必要以上に縮んでしまう可能性が高い。洗濯表示を必ず確認してからタンブラー乾燥しよう。
結論
ニットが縮んだり伸びたりしてしまうのは、ループの輪が小さくなったり繊維が絡み合ったりしてしまうからだ。ニットの伸縮を復活させる裏技としてトリートメント、ドライヤー、スチームアイロンなどを利用する方法がある。一度縮んでしまったニットを元に戻すのは手間がかかる。復活させる裏技を使わなくてもいいように、ニットの洗濯前には洗濯表示を確認することが大切だ。