目次
1. 電気代の計算方法とは?

あまり使っていないのに電気代が高い理由を見る前に、まずは電気代の計算方法を押さえておこう。電気代は基本料金(最低料金)に、従量料金・燃料費調整単価・再エネ賦課金を合算して計算する。基本料金とは毎月かかる固定料金のことで、契約アンペア数やプランごとに定められている。
一方の従量料金は、電気を使用した分だけかかる料金を指す。燃料費調整単価は発電に使う燃料の輸入価格を調整するもので、再エネ賦課金は風力・地熱・水力発電などを電力会社が買い取る際の費用負担だ。これら3つの料金は電気の使用量に応じて変動する。
電気料金の平均
総務省統計局が毎年行っている家計調査によると、2021年の電気料金の平均は1人世帯で5,482円(※1)、2人世帯で9,183円、3人世帯で10,655円(※2)だ。しかし冬が寒い地域では暖房費が高くなるため、電気代の平均は地域別・季節別で大きく異なる。2021年1~3月の平均は、2人以上の世帯で12,642円(※3)だった。
2. 使っていないのに電気代が高い理由

それほど電気を使っていないのに電気代が高い理由はいくつか考えられる。ここでは主な理由を4つピックアップした。該当するものがあるかチェックしよう。
市場の価格が高騰している
市場連動型の電気料金プランを契約している場合、市場の価格が高騰すると電気代が上がりやすい。このプランで契約していると市場価格の変動がすぐに反映されるため、市場価格が上がると当月や翌月に電気代が急に高くなることがある。心当たりがある人はプランを見直してみよう。
燃料費調整価格が上がっている
電気代が高い理由のひとつに、燃料費調整価格の増加もあり得る。電気代を構成する燃料費調整額は、発電に使う燃料の輸入価格を調整するもので毎月変動する。近年では2021年2月ごろまで減少傾向だったが、それ以降は値上げ傾向が続いている。
電気メーターが故障している
使用した電気の量は、電力会社のスタッフが各家庭の電気メーターの数値を読み取って調べている。この電気メーターが故障して異常な数値になっている場合、正しい電気代が算出されていない可能性がある。使っていないのに電気代が突然高くなった場合は、メーターをチェックしてみよう。
漏電している
電気を使っていないのに電気代が高い理由として、漏電している可能性も挙げられる。基本的には漏電するとブレーカーが落ちるので気づけるはずだが、分電盤が故障している場合は漏電してもブレーカーが落ちない。放っておくと火災につながる危険もあるので、気になる場合は電力会社に問い合わせよう。
3. 使っていないのに電気代が高いときの対処法

使っていないのに電気代が高いと感じるなら、次の方法で電気代を節約しよう。電気代を抑えるための対処法を3つ紹介する。
電気代を節約する方法
【市場連動型プランを見直す】
上で紹介したように、市場連動型プランを契約している場合は価格高騰の影響をすぐに受けやすい。そのため市場連動型プランをお使いの場合は、別プランへの切り替えを視野に入れよう。契約している電力会社に相談するか、この際別の電力会社に乗り換えるのもよいだろう。
【待機電力を減らす】
使用していない家電でも、コンセントにつながれていると待機電力を消費してしまう。待機電力は年間の消費電力のうち約5%を占めるともいわれているので、賢く減らすと電気代を節約できる。使っていない機器のプラグはできる限りコンセントから抜き、使用するときに挿すようにしよう。
【季節に合わせた家電の使い方をする】
電気代は季節によって大きく変動するため、時期に応じて家電の使い方を見直すとよい。とくに電気代が上がりがちなのは、冷暖房を頻繁に使う夏と冬だ。
夏はエアコンの温度を少し上げ、扇風機と併用して冷風を効率的に循環させるのが望ましい。扇風機はエアコンよりも消費電力が小さい。エアコンの温度を下げて単体で使うより、併用したほうが電気代を抑えられるだろう。
冬は用途に応じて暖房器具を使い分けたい。エアコンは消費電力が大きいので、手足や体を温めたいときはこたつ、狭い場所を暖めたいときはファンヒーターなど、ほかの器具も活用しよう。
結論
電気代が高い理由としては、燃料費調整価格が上がっているケースが考えられる。また電気メーターが故障している、漏電しているなどの不具合によって上がる場合もある。電気代が高いなら消費電力が大きい家電の使用時間を短くしたり、使っていない機器はコンセントから抜いたりするとよい。あわせてこの機会に契約プランも見直してみよう。
(参考文献)
※1出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯・勤労者世帯・勤労者世帯以外の世帯・無職世帯」
※2出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」
※3出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」