目次
- コンロ周りや換気扇などの油汚れやスス汚れを、重曹などのアルカリ性の洗剤を使って掃除する
- 蛇口やシンクなどの水垢は、クエン酸などの酸性の洗剤を使って掃除する
- ガスコンロを持っていく場合は、ガス台の掃除もしておく
- 便座や便器の裏のように手の届きにくい場所は、使い終わった歯ブラシなどを使って汚れをかき出す
- 便器内に黒ずみがある場合は、酸性のトイレ用洗剤をかけてしばらくおいてからこすり落とす
- 床や壁などに尿が飛び散っている可能性もあるため、腰から下の部分を重点的にトイレ用のシートで拭いておく
- 水垢やカビは浴室用洗剤で掃除する
- カビが落ちにくい場合は、カビ取り剤を含ませたティッシュを気になる部分にかぶせて、15~30分放置してからスポンジでこすり落とす
- 換気扇のカバーに汚れやカビがないかチェックする
- 換気扇カバーが外せる場合はカバーを外して、住居用洗剤を付けたスポンジで拭いておく
- 洗面ボウルなどの水垢は、洗剤をかけてスポンジでこすり落とす
- こぼれた化粧品などで汚れたキャビネットの中は、水に濡らして固く絞った布で拭き掃除をする
- 掃除したい場所の素材によって、手持ちの洗剤やカビ取り剤が使用できない可能性もあるため注意する
- 壁全体の掃除には、壁にも使える住居用洗剤を使用する
- 壁に発生したカビは塩素系漂白剤を付けた歯ブラシでこすり、汚れが取れたらすぐに水拭きをする
- フローリングの溝に溜まった汚れは、爪楊枝でかき出してから掃除機をかける
- 畳のカビは、アルコールをかけた歯ブラシでかき出し乾拭きをする
- 窓は水で湿らせた新聞紙で拭き、汚れが落ちにくい場合は窓拭き用の洗剤を使って掃除する
- 窓のレールやサッシは、溜まった汚れを取り除き水で濡らした雑巾に住居用洗剤をかけ拭き取る
- ベランダは大きなゴミをほうきで掃いたあとに、中性洗剤を使用して掃除する
- 排水口に枯れ葉などのゴミが溜まっていないかチェックしておく
1. 賃貸退去時に掃除は必要?

賃貸退去時の掃除はしない方もいるかもしれないが、実際はどうだろうか。
義務ではないがしたほうがよい
一般的な賃貸アパートやマンションでは、入居者が退去したあとにハウスクリーニング業者が部屋の清掃を行う。そのため、業者がしてくれるから退去するときに掃除はしなくてもよいだろうと考える人もいる。しかし、常識の範囲内で部屋を掃除しておくことは賃貸物件退去時のマナーだ。
掃除をしておくと、物件の契約時に預けた敷金が多めに返ってくる可能性がある。また、お世話になった大家さんに感謝の気持ちを表すことができ、気持ちよく退去できるだろう。賃貸退去前に時間がなくて間に合わないからと、汚れがひどい状態で退去することはやめたほうがよい。
賃貸借契約書に室内クリーニングに関する特約がある場合、管理会社や大家さんから「掃除をしないで退去してよい」と伝えられることがある。このような場合は、管理会社や大家さんの指示に従おう。
2. 賃貸退去時の掃除はどこまで?

賃貸退去時にはどの程度掃除をしておけばよいのだろうか。また、賃貸退去時の掃除に関する注意点にはどのようなことがあるのか見ていこう。
原状回復と経年劣化の違いを知っておくことが大切
【賃借人が原状回復義務を負う可能性があるケース】
入居者が不注意や故意で部屋に傷を付けてしまった場合は、借主に原状回復義務がある。そのため、原状回復にかかる費用は借主が負担する。
原状回復とは、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されている。(※1)原状回復とは入居時と同じ状態に戻すことではないのだ。
では、どのような場合だと原状回復の対象になる可能性があるのだろうか。例をあげると、壁に子どもが落書きをしてしまった場合や、タバコのヤニによるにおいや変色、物を落としてできた床の傷や、掃除不足によるカビや水垢などがある。また、引越し時に家具などをぶつけてできた傷も負担の対象をなるため、注意が必要だ。
実際の原状回復作業は、管理会社や大家さんが契約しているハウスクリーニング業者が行うため、自分で壁紙などを貼り替える必要はない。むしろ、素人が自分でやってしまうと、かえって傷ができてしまう可能性があるので控えよう。
【経年劣化と判断される可能性があるケース】
反対に経年劣化と判断される可能性があるケースには、壁にあいたピンや画びょうのあと、経年劣化による壁紙のはがれ、冷蔵庫などの重たい家具による床の凹みや冷蔵庫裏の電気やけなどがある。このように、通常の使用で発生する経年劣化については、借主が費用を負担する必要はない。
3. 賃貸退去時の掃除方法

ここからは、賃貸退去時の掃除ポイントを紹介する。ひどい汚れを残しておかないように、参考にしてほしい。
場所別・掃除のポイントと注意点
【キッチン】
【トイレ】
【お風呂】
【洗面所】
【居室/寝室】
【窓/ベランダ】
4. 賃貸退去時のそのほかの注意点

賃貸退去時の掃除に関する注意点以外にも、いくつか注意したいポイントがある。
高額な退去費用を請求されたときはどうする?
退去費用が高額になってしまう原因として、喫煙による壁紙の変色やにおい、壁の落書きなどがある。入居者の過失である場合は仕方ないが、納得できない場合は消費者センターや国民生活センターに相談してみるといいだろう。
ライフラインの解約日にも注意が必要
退去日の融通は効きづらく、新居への入居日と旧居の退去日が異なる場合もある。その際に注意したいのが、ライフラインの解約日だ。退去立ち合いの前にライフラインの解約をしてしまうと、立ち合い時に電気がつかないということになってしまう。ライフラインの解約は、退去立ち合いの日時を踏まえて決めるようにしよう。
結論
賃貸退去時の掃除は、注意点を理解して常識の範囲内で行おう。退去時の掃除を怠って、ひどい汚れを残したまま退去しないようにしたい。また、退去時の費用に納得がいかない場合は、消費者センターなどの専門家に相談しよう。
(参考文献)
※1 住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について - 国土交通省