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仏壇

法要マナーと基礎知識 | 法事に参列する際の礼儀作法を解説

投稿者:ライター 秋山理代 (あきやまりよ)

鉛筆アイコン 2023年3月22日

日本では故人の冥福を祈る「法事」を執り行う文化があることは言わずもがなだろう。しかし、法事と法要の違いや法要マナーなど、自信を持って正しいといえる知識を兼ね備えているだろうか。今回は大人として知っておくべき法要マナーについて説明しよう。法事と法要の違いや、参列時のマナーをまとめたので目を通してほしい。

  

1. 法要や法事とは?

お坊さん
法要マナーについて知る前に、法事と法要の違いについて解説する。

法要と法事の違い

法事の意味を知るためには、法要について理解する必要がある。
法要とは仏教において、故人の冥福を祈り供養する儀式のことである。仏教では法要を執り行うことで、故人が極楽浄土に往生するとされている大切な儀式だ。これは宗派などで多少異なる部分があり、たとえば浄土真宗においての法要は、故人を思い出して仏の教えに耳を傾ける場として行われる。法要では僧侶が読経し、参列者が順に焼香するのが一般的だ。
一方で法事とは、法要を執り行い、親族などと会食をする一連の行事を指す。つまり法要は、法事の中のひとつの項目のことだ。

2. 法要や法事に参列する前のマナー

筆ペン
ここからは、知っておきたい法要マナーについて解説する。まずは参列する前に心得ておきたい法要マナーである、出欠席の返事についてだ。

なるべく早く返事を出す

法事に招待されたら、できる限り早く返事を出すのが望ましい。施主は場所の確保をはじめ、会食や引き出物の準備をしなくてはならないからだ。もし、すぐに返事ができない場合は、電話などで事前に一報を入れておくと施主としても安心するだろう。
【返信の書き方】
法事の招待は往復はがきである場合が多いだろう。結婚式などと同じように、「御住所」などの「御」は二重線で消し、出欠を記入しよう。出席する場合は「御出席」の「御」と「御欠席」を二重線で消し、出席させていただきます、または出席いたしますとなるよう加筆する。また、表の宛名が「〇〇行」となっている場合も「行」を二重線で消して「様」と書き換える必要がある。ただし、団体や法人などに当てる場合は「御中」となるため注意しよう。

3. 法要や法事に参列する際のマナー

喪服
ここからは法要をはじめとする、法事に参列する際に気を付けておきたい服装マナーについて説明する。併せて供物や供物料、会食でのマナーもみてみよう。

服装のマナー

法事は喪服で参列するのが基本だが、一回忌までと三回忌以降で異なる。はがきなどに服装の指定がある場合も少なくないので、招待されたら事前に確認しておこう。
【一回忌までの場合】
一回忌までの初七日や四十九日などに参列する際は「準喪服」を着用するのが基本とされている。準喪服とは、男性は黒のスーツに黒の靴下、女性は黒のフォーマル服に黒ストッキングのスタイルだ。バッグや靴などのアイテムも黒いものがふさわしいといえるだろう。また、エナメル素材や金具が目立つデザインのものは、華美な印象を与えやすく、好ましくないとされているので注意が必要だ。また、殺生を連想させる革小物も避けよう。
【三回忌以降の場合】
三回忌以降の参列時は平服でよいとされている。平服とはいえ最低限失礼のないよう、男性は暗めのスーツに地味なネクタイ、女性は暗めのスーツやアンサンブルを選ぼう。服装と同様にバッグや靴も落ち着いたものを選べばよいだろう。
【子どもの場合】
子どもの場合は喪服でなくともかまわないが、最低限のマナーは守ろう。白のシャツに紺や黒、グレーなど暗めの色のズボンやスカートで、華美ではない服装がよいとされる。学生の場合は、学生服が正装とされているのでわざわざ新しく買い足す必要はない。

供物や供物料のマナー

供物を持参する場合はお菓子や果物、花や線香などがよいだろう。ただし花にトゲや毒、ツルがあるものは避けることを忘れてはいけない。持参しない場合は、供物料として現金を包む。香典袋の表書きは、仏教では一般的に四十九日までは「御霊前」とし、それ以降は「御仏前」と書く。ただし、表書きは宗派によって異なる場合があるため確認しておこう。供物料は故人との関係性や、会食の有無に考慮した金額を包む必要がある。
また、夫婦で参加する場合、供物料の金額は考慮する必要はないが、会食がある場合は会食費を加えよう。ひとつの香典袋に現金を包み、連名にせずどちらかの名前を記載すればよい。

会食でのマナー

法事の会食は、故人をしのんで思い出話に花を咲かせよう。故人とのエピソードや写真などがあれば持参するのもよいだろう。
あまり親しくない人や、久しぶりに再会した人との会話に困った際は「木戸に立てかけし衣食住」を活用してほしい。話題にしやすい気象、道楽、ニュース、旅、知人、家庭、健康、仕事の頭文字に、衣食住を加えたもので、会話が弾みやすいとされている。お酒の席でもあるため飲酒の量には十分注意し、故人をしのぶ心や、遺族への配慮を心がけて過ごすことが大切だ。

結論

今回は、熟知している人が少ないであろう、法要マナーについて紹介した。法事に招待された場合は、施主に失礼のないよう、速やかに返事をすることを心がけよう。また、何回忌かによって法要マナーも多少異なる場合があるので、しっかり確認することが大切だ。大人として最低限の法要マナーを身に付け、穏やかな気持ちで参列しよう。
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  • 更新日:

    2023年3月22日

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