目次
1. 乾燥剤はリユースできる?

乾燥剤はリユースできるものとできないものに分かれる。まずは再利用したい乾燥剤の種類を、確認することが大事だ。
リユースできる乾燥剤
リユースできるのは「シリカゲル」と記載がある乾燥剤だ。粒状で青もしくは透明の色をしている。原料は二酸化ケイ素で、多孔質によって吸湿する仕組みだ。
シリカゲルはA型とB型に分かれる。A型は食品やカメラ、精密機器に使われており、効果を復活させるには150~180度での加熱が必要だ。B型は家庭用の除湿剤に使われていて、天日干しするだけでリユースできる。
リユースできない乾燥剤
「石灰乾燥剤」や「脱酸素剤」は再利用ができない。石灰乾燥剤の原料は酸化カルシウムで、お菓子やおせんべい、のりなどに使用される。白くて小石のような形をしているのが特徴だ。
脱酸素剤は酸素を吸着して食品の品質劣化を防ぐ仕組みだ。ケーキやマドレーヌなどしっとりした食品や衣料品、化粧品などに使用される。石灰乾燥剤と脱酸素剤の効果は復活しないので、使用後は適切に処分しよう。
2. 乾燥剤をリユースする方法

湿気を吸い取らなくなった乾燥剤は、そのままだと再利用できない。シリカゲルをリユースするための方法を紹介する。
シリカゲルは温めることで再生可能
【フライパンで炒る】
乾燥剤の中身を取り出して、フライパンや鍋で炒ればリユースが可能だ。ゆっくりと時間をかけて弱火で炒り、水分を蒸発させる。ただし、加工が剥がれてしまうので、フッ素樹脂加工などのフライパンは使用NGだ。
【電子レンジでチンする】
乾燥剤の中身を耐熱容器に入れて解凍モードで加熱する。焦がさないように、数分ずつ加熱して様子を見るのがポイントだ。量が多い場合は途中で取り出してこまめに混ぜるとよい。
【天日干しで乾燥させる】
ふとん用やタンス用などB型のシリカゲルは、天日干しすればリユースが可能だ。天気がよく湿気が少ない日を選んで乾燥させる。湿気が多くなる14時までに取り込んでほしい。なお、B型のシリカゲルなら、ふとん乾燥機で乾燥させてもOKだ。
温めたら密閉して保管する
復活させた乾燥剤を空気にふれる状態で放置すると、湿気を吸収する。効果が弱くなるので、密封容器で保管することが重要だ。適切に保管すれば、必要なときすぐにリユースできるだろう。
3. 再生した乾燥剤の再利用法

再生した乾燥剤はさまざまな用途でリユースできる。シリカゲルと石灰乾燥剤に分けて、おすすめの再利用法を紹介しよう。
シリカゲルの再利用法
【食品や衣類の湿気防止にする】
復活させたシリカゲルは、食品や衣類の湿気防止におすすめだ。リユースする際は、不織布のお茶パックやだしパックに入れておくとバラバラにならない。食品の場合は容器に一緒に入れて、衣服なら収納する際に間に挟んでおくとよいだろう。
【ドライフラワー作りに使う】
シリカゲルを活用すれば、ドライフラワーが早く乾燥する。まずはプラスチック製などの密封容器に、シリカゲルを敷き詰めよう。花が重ならないように並べたら、完全に隠れるまで優しくシリカゲルをそそぎこむ。
あとは密封して1週間ほど待てば、ドライフラワーの完成だ。花びらが外れにくく、構造が単純な花を選ぶとキレイに仕上がる。ただし、一般的なシリカゲルはやや粒が大きいので、キレイに仕上げたいならドライフラワー専用のものを使用するとよい。
【カビ対策として靴に入れる】
シリカゲルを靴の除湿に活用するアイデアだ。たまった湿気を除去することで、カビやにおい対策になる。不織布のお茶パックやだしパックに入れたあと、1足につき1袋の乾燥剤を入れよう。
石灰乾燥剤の再利用法
石灰乾燥剤は乾燥剤としてはリユースできない。しかし、中身を取り出すことで肥料として再利用が可能だ。土にまいてよく混ぜればpHがアルカリ性に傾く。ただし、中身の生石灰は水にぬれると発熱するので、軍手をはめて触らないように作業してほしい。
結論
乾燥剤はシリカゲルと石灰乾燥剤、脱酸素剤に分かれる。シリカゲルの乾燥剤ならリユースが可能だ。温めれば再利用できるので、方法をチェックしておこう。復活したシリカゲルは、食品・衣類の湿気防止や靴のカビ対策としてリユースできる。必要なときにすぐ使えるように、温めたあと密封容器に入れて保存しておこう。