目次
1. エイプリルフールの由来とは?

エイプリルフールの由来にはさまざまあり、確かなことはわかっていない。有力な由来としては以下のようなものがある。
・3世紀頃のインドの「春祭」が由来とされている説だ。「ホーリー祭」の原型とされる祭りで、いたずらをし合う風習がある。
・古代ペルシャで行われ、今も続く「シズダベダール」という祭りが由来とする説だ。春分から数え、13日目にいたずらをする風習があったという。13日目がちょうど4月1日あたりとなる。
・1564年、フランスでは改暦により1月1日を新年とすると発表があった。それに反発した人達が旧暦の4月1日を新年として祝ったことが由来という説だ。このときおかしなニセの贈り物を贈り合ったという。
このように諸説の由来はあるが、民俗学的な見地では「春の到来を祝う祭り」であると推測されている。
日本に広まったのは大正時代
日本にエイプリルフールが伝わったのは大正時代だとされる。新聞などで、欧米の珍しい習慣として紹介されたのがきっかけだ。エイプリルフールが紹介される前の4月1日は「不義理の日」とされていた。日頃義理を欠いている人に手紙を送ったり、挨拶に出向いたりする日とされており、皮肉なことにエイプリルフールとは真逆な習慣だったといえる。
2. エイプリルフールの嘘は午前中のみがルール?

エイプリルフールには、イギリスルールといわれるルールがあることをご存じだろうか。
イギリス発祥のルールといわれている
エイプリルフールのルールとしてよく知られているのが「嘘は午前中まで」の時間制限だ。このルールの発祥には諸説あるが、イギリスが有力説といわれている。イングランドでは1660年の王政復古を記念して、オークアップルの実を飾る習慣がある。このオークアップルを身に着けるのが午前中だけだったからというものだ。
エイプリルフールの嘘は午前中までというルールによって、午後は相手に嘘を言ってからかったことを謝るようにした。決して次の日にまでわだかまりを残さず、笑い合ってエイプリルフールの1日を終わるというルールだ。いつのまにか、この英国紳士的なルールが世界中に広まって、今ではもっとも一般的なルールになっている。ただしイギリスでのルールのため、日本では絶対に守らなくてはいけないものではないようだ。
3. エイプリルフールで嘘を言う際のルール

嘘は午前中までというルールのほかにも、エイプリルフールでは暗黙のルールがある。
人の不幸をネタにしない
エイプリルフールにつく嘘として、人の不幸をネタにするのはルール違反だ。騙された方が笑って済ませることができるネタにするのが最低限のルールである。人の不幸をネタにした嘘は、のちのちまで心に傷を残してしまうことがあるので、決して使わないことだ。
ネタバラシは4月1日中にする
午前中ルールをみてもわかるように、エイプリルフールの有効期限は4月1日の24時間に限定されている。嘘はその日のうちにネタバラシをして、翌日以降に持ち越さないことがルールだ。
仕返しの嘘はつかない
お互い嘘の掛け合いをした場合は問題はないが、嘘を仕掛けられたからといって、後日仕返しの嘘をつくのはルール違反だ。「仕返し」は恨みの感情のあらわれでもあるので、エイプリルフールにはふさわしくない。
4. エイプリルフールでよく使われるネタ

エイプリルフールには、大手メディアなどが多くの人を騙すために大掛かりな嘘をつくことがある。しかし、一般人では、ありそうな嘘をつくことが多い。たとえば「彼氏、彼女ができた」「有名人に会った」「宝くじに当たったからおごってあげる」などだ。相手を信じさせるためには、この程度の嘘の方が効果的だ。
海外で話題になった面白いネタ
荒唐無稽な嘘はすぐに気づきやすいが、ありそうな嘘はみんな騙されてしまう。たとえば、イギリスのBBCでは、ロンドンで最も有名といわれる時計台ビッグベンがデジタル化されるという嘘をニュースで流した。本気で抗議する人も出たとかで、もちろん午後にはネタバレしたそうだ。
1962年のスウェーデンのテレビ局は、白黒テレビにストッキングを被せるとカラーテレビになると紹介したそうだ。やり方などを事細かに説明し、デモンストレーションまで行った。どれだけの人が騙されたのか想像できるだろう。
結論
エイプリルフールの由来や起源は、はっきりしない。いろいろな説があるが、春の到来を祝う祭りが起源というのが有力だ。ルールには嘘は午前中まで、ネタバラシは当日に、仕返しはしないなどがある。いずれにせよ、相手を傷つけないというのが大前提だ。ちょっとした嘘で、大笑いし、謝り、友好を深めるのがエイプリルフールの魅力といえるだろう。