目次
1. モデムとルーターの違いとは?

では早速、モデムとルーターの役割について違いを解説しよう。
モデムは信号を変換する機器
モデムは、電話の回線やケーブルテレビのアナログ信号をパソコンのデジタル信号に、またその逆でパソコンのデジタル信号をアナログ信号にするといった、相互変換をする役割を担う。信号を相互変換することで、インターネットの使用が可能となるわけだ。
インターネット普及当時は電話回線とパソコンを繋ぐ機器として、またその後ADSL回線(ケーブルテレビ回線の場合もある)とパソコンを繋ぐ機器としてモデムは必須だった。しかし、光回線が普及し始めてからは、後述する「ONU」というADSLモデムに代わる役割を果たす機器が出現したため、現在ADSLモデムは減少傾向にある。
ルーターは複数端末をつなげる機器
ルーターは、パソコンやスマホ、タブレットなど、家でインターネットに接続したい機器が複数あるときに必要な機器である。ルーターのそばに有線LANを持つ機器がある場合は、そのままルーターにさすことで、またWi-Fiなどの無線LANの場合は電波をとばすことでインターネットが使えるようになる。
家の中で1階と2階にわかれてスマホやタブレットが使えるのは、複数のLANが複雑にならないようにルーターが使いやすくしてくれているおかげなので、大事な役割を果たしているといえるだろう。たとえるならモデムは信号の翻訳家、ルーターはLANの交通整理員といったような役割の違いがある。
2. モデムとルーターの見た目の違いとは?

モデムとルーターの役割の違いはわかったが、見た目はどうだろう。とてもよく似ていて一見するとわかりづらいが、よく見るとはっきりとした違いがある。インターネットに接続する際に迷うことのないよう、覚えておくとよいだろう。
モデムにはモジュラージャックがある
モデムは基本的に四角い箱型のつくりで、パッと見た際に点灯するランプが多数あり、それぞれにACTやPPPといったアルファベットが並んでいることが特徴だ。ランプは接続確立や回線信号などの状態を示しており、裏側にはモジュラージャックと呼ばれるコネクタがある。
家の壁側にある電話回線とモデムをモジュラーケーブルで繋ぎ、同じように電話機とモデムをモジュラーケーブルで繋ぐことで、インターネットと電話の両方を使えるようになる。
ルーターには複数のLANポートがある
ルーターのつくりも基本的にはモデムと同じだが、点灯するランプがモデムよりルーターの方が少ないという違いがある。裏側には、LANケーブルを差し込むためのLANポートが複数備わっている点にも注目してほしい。モデムやONUと接続する際は、LANケーブルで「WAN」と書いてある差込口に繋ぐことがポイントだ。
3. ONUやハブとの違いとは?

インターネット接続の関連機器はさまざまあるが、モデムとルーターのような違いのほかにも、区別がつきにくい機器が存在する。ここではONUとハブについて説明しよう。
モデムとONUの違い
モデムはADSL回線(電話回線)のアナログ信号とパソコンなどのデジタル信号を相互変換する役割がある。一方、ONUは現在多くの家庭で普及しつつある光回線の光信号と、パソコンからのデジタル信号を相互変換する役割を持っており、光回線のインターネットにはかかせない存在だ。室内に設けられた光コンセントとルーターの間に位置し、光ケーブルと繋がっている。ONUも一般的にはモデムで通じることが多いので、呼び方はそれほど気にしなくてよいだろう。
ルーターとハブの違い
ハブとはインターネットに接続するデジタル機器が、複数あるときに使用する装置だ。しかしハブにはインターネットに接続する機能はなく、ルーターと必ずセットで使うことが必要となる。いまや一般家庭でもパソコンやタブレット、スマホなどインターネットを利用するデジタル機器がたくさんあるだろう。ハブはインターネット接続が必要なデジタル機器を増やすためのもので、ルーターと繋げることで家じゅうのデジタル機器がインターネットを使えるようになるのだ。
結論
モデムとルーターの違いについておわかりいただけただろうか。モデムは回線の信号を相互変換する機能を持ち、ルーターは複数のデジタル機器をインターネットに接続する機能を持つというはっきりとした違いがある。一度デジタル環境を整えてしまうと、なかなか両者を意識することはないかもしれない。引っ越しの際など、プロバイダを変更するときには再度インターネットに接続する場面が出てくるので、今回身につけた知識をぜひ役立ててほしい。