通帳の正しい捨て方とは？安全な処分方法や捨てる際の注意点を解説

1. 通帳はどれくらい保管すべき？

使われなくなった通帳は、すぐに処分しても問題ないものと一定の期間保管しておく必要があるものに分類できる。すぐに処分してもいいものは、お金の流れを把握する必要がない繰り越し済みの通帳だ。反対に、確定申告用に通帳を利用している場合や、これからローンを組む予定のある場合、そして故人の通帳は扱いに注意しよう。

通帳の保管期間の目安

フリーランスや自営業の人は、通帳を領収書の代わりとして確定申告のときに使うケースも多いだろう。事業用通帳として使用している場合は、申告に関わる書類とみなされるので、5年または7年間の保存義務が発生する。誤って通帳を処分しないように気をつけたい。

また、普通預金通帳でも、これからローンを組む予定のある人は、過去1年間のお金の流れが把握できる通帳は処分しないようにしよう。直近3ヶ月分の通帳に記載されている情報をローンの審査の際に求められることがあるからだ。

故人の通帳については、通帳に記載されているお金の流れが遺産相続などに関わる可能性のあるものであれば、処分せず残しておいたほうがいいだろう。また、故人の確定申告が必要になる場合もある（準確定申告：対象の場合、相続の事実を把握した翌日から4ヵ月以内の申告・納税が必要）。申告に関わる書類として提出を求められたときのために、５年間は保存しておくと安心だ。

2. 通帳の正しい捨て方

不要になった通帳を処分するとき、安易にゴミ箱に捨てるようなことは避けてほしい。通帳には、住所や氏名、家庭内のお金の流れなど、個人情報が多く記載されているからだ。悪用されないためにも、正しい通帳の捨て方で処分するようにしよう。

繰り越し直後に銀行に依頼する

銀行で繰り越しをした通帳は、その直後であれば、窓口で簡単に処分してもらえることがある。すでに通帳が用済みであれば、そのまま処分してもらうのがおすすめだ。ただ、自宅にある古い通帳は、銀行に持ち込んでも処分してもらえないので気をつけてほしい。

自分で処分する

自分で処分する場合、通帳の捨て方にはどんな注意が必要だろうか。ここでは、具体的な方法と手順を解説する。

【個人情報が分からないようにする】

通帳には重要な個人情報が多く記載されている。処分するときは、個人情報が分からないように油性のフェルトペンなどで黒く塗りつぶしてしまうといいだろう。

【シュレッダーやハサミで細かくする】

フェルトペンなどで塗りつぶしたあとは、通帳をシュレッダーにかけて復元できないようにする。シュレッダーがない場合はハサミでもいいので、記載情報が見えなくなるくらいまで細かく刻んでしまうのがポイントだ。

【燃えるゴミに出す】

シュレッダーにかけたあとの紙くずは、燃えるゴミに出して処分しよう。袋の外側から透けて見えないように、先に茶封筒などに入れるか別紙に包んでからゴミ袋に入れるようにすると安心だ。

3. 通帳の捨て方の注意点

先述したように、通帳を悪用されないためにも捨て方には十分配慮してほしい。しかし、それ以外にも処分するときに注意が必要な通帳がある。それは、故人が所有していた通帳だ。故人名義の通帳は、どのように対処すればいいのだろうか。

故人の通帳は手続きが終わるまで処分しない

故人の通帳は、すべての手続きが終わるまでは、処分せずに手元に残しておくことをおすすめする。故人の通帳は、「事業の税制処理」や「相続税の申告」などがあるとき、生前のお金の流れを通帳で確認する場合がある。

また、通帳を作った銀行が合併などによってなくなっているケースなどは、通帳を処分してしまうと金銭を引き出すまでにとても時間がかることがあるので注意しよう。

個人情報の流出に注意する

故人の通帳にも、本人が生前残した財産や証券、株などを行っていれば配当金の詳細など、お金の流れがすべて記載されている。やはり個人情報が流出しないように、通帳の捨て方には気をつけてほしい。

結論

通帳には正しい捨て方がある。念入りに処分することで個人情報流出の危険を避けられるため、ご紹介した方法と手順についてしっかり覚えておいてほしい。また、一定期間保管が必要な通帳もある。誤って捨ててしまわないように再度確認してみてはどうだろうか。