目次
1. フローリングに穴をあける虫とは?

フローリングにキリであけたような小さい穴を発見した場合は、この虫のせいかもしれない...。その虫とは?
ヒラタキクイムシの仕業と考えられる
木材に害を及ぼす虫はいくつか種類があるが、総称して「キクイムシ」と呼ばれる。フローリングなどに穴をあける虫で有名なのが「ヒラタキクイムシ」だ。ヒラタキクイムシ類の代表種の昆虫を指す。
フローリングの表面にキリであけたような穴がある場合、最初は1カ所だけの穴が、春から夏にかけて少しずつ増えていくことでこの虫は発見される。
また、フローリングの表面に小さい盛り上がった粉が見られる場合も。粉を除けると、1~2mm程度の小さな円形の穴が発見できる。これは、フローリングを虫が食べた後の粉や糞だ。掃除をしても、毎日のように床に粉が落ちていることで発見されることが多い。粉の近くには、産卵終わりの成虫の死骸が落ちている場合もある。
想定される被害は?人体にも害がある?
ヒラタキクイムシが、人を刺したり噛んだりすることはない。人体に直接的な影響はないが、フローリングから穴をあけて虫が出てくるその存在は不快で、精神的な苦痛を感じる人もいるだろう。
2. ヒラタキクイムシの駆除方法

発生してしまったヒラタキクイムシを駆除する方法を解説しよう。
スプレータイプの殺虫剤が効果的
応急処置として、ヒラタキクイムシがあけた穴に、専用のスプレーノズルで殺虫剤を注入する方法が一般的だ。虫のあけた穴が複数ある場合は、すべての穴に殺虫剤を注入しよう。フローリングの穴の周辺にドリルなどで小さな穴をあけ、そこに薬剤を噴射すればさらに効果的だ。穴は木片などで塞ぎ、虫の侵入経路を塞ぐとよい。
殺虫剤を噴霧する際は、換気に十分な注意が必要だ。必ず使用前に殺虫剤に記載されている取扱説明書をよく読んで、殺虫剤の噴霧後もしばらく換気を行うようにしよう。
大量発生時は専門業者に相談を
ヒラタキクイムシが大量発生したときや完全に駆除したい場合は、被害の程度に応じた熱処理や殺虫剤処理を行うことができる専門業者に相談したほうがよい。処理すべき場所を特定するのも難しく、一度だけの薬剤噴射では完全に駆除できないため、繰り返し噴射する必要がある。
殺虫剤噴射後は約1年間の観察期間も必要となり、長期で対応しなければならない。これらの理由から、専門業者に相談すれば間違いはないだろう。薬剤の選択や散布方法などの相談にものってもらえる。
3. ヒラタキクイムシの予防方法

ヒラタキクイムシが発生する前に予防できるのが理想だ。ここでは、ヒラタキクイムシの発生を予防できる、主な3つの方法を解説しよう。
主な予防方法3選
【殺虫剤をまいておく】
フローリングの表面にあらかじめ殺虫剤を噴射しておくことで、雌が産卵することを防止できる。
【防腐剤を塗布しておく】
建築済み住居の場合、壁やフローリングなどの木材表面に防腐剤を塗布することにより、食害の予防につながる。防腐剤のほかにも、ニスや塗料を塗ることも有効だ。継続的に行うことで効果も高まる。
【発生しにくい木材を選ぶ】
フローリングや壁材には、ヒラタキクイムシが好まない樹種の木材を選ぶのがよいだろう。たとえば、ヒノキやスギなどの針葉樹は、辺材部にでんぷんや導管などの栄養分がないので産卵される心配がない。
4. フローリングに小さな穴を見つけたら要注意

ヒラタキクイムシは、人体へ影響がないうえに、フローリングにあく穴も小さくなかなか日常生活の中では気づきにくい。だからといって放置してしまうと、毎年発生して木材内部に卵を産みつけ、被害を繰り返すことになってしまう。
壁や床が穴だらけになってしまったり大切な家具に穴があいてしまったりと、家中が残念な見た目になってしまうかもしれないので、早めに対策しよう。
結論
フローリングに穴をあける虫「ヒラタキクイムシ」について、駆除や予防する方法を詳しく解説した。フローリングに小さな穴を見つけたら要注意。人体に影響がないとしても放置せず、虫の存在を疑おう。本記事を参考に、適切な駆除・予防方法を試してほしい。