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手袋

手袋を「つける」と「はめる」はどっちが正しい?「はく」の由来は?

投稿者:ライター 松岡由佳里 (まつおかゆかり)

鉛筆アイコン 2023年5月31日

靴は履く、セーターは着る、帽子はかぶる。それぞれ対象と呼応する動詞が異なる。では手袋はつけるとはめる、どちらが正しいのだろう。どうやら地域によって動詞が異なるらしい。ここでは手袋を身につけるときの動詞について、豆知識として紹介しよう。

  

1. 手袋を「つける」と「はめる」はどっちが正しい?

手袋
英語なら、すべてwearで済んでしまうところだが日本語は難しい。一般的に、肩から腰の間に身につけるものは「着る」、腰から下に身につけるものは「はく」という。
しかし、手袋を身につけるときは「着る」とはいわない。
つけるとはめるでは、どちらが正しいのだろう。

「はめる」と「する」が大多数

あるアンケートによると「はめる」と「する」が半々。そして「つける」「はく」という少数派もいた。広辞苑で手袋を引いてみると「手袋をはめる」という言い回しが出てくる。
地域別にみると「手袋をはめる」は西日本に集中しているようだ。東海エリアの一部も「はめる」が根づいている。
一方、「手袋をする」は、関東、東北の一部に集中している。
いろいろな地方から人が集まる東京では「はめる」「する」が大多数を占めている。

「つける」と「はく」は少数派

日本全体をみると「つける」と「はく」は少数派といっていいだろう。しかし、地域によっては圧倒的に「手袋をはく」の占める割合が高いところがある。

2. 手袋を「はく」の由来とは?

手袋
手袋は、確かに手を伸ばして立てば、下半身よりも下に位置する。だから「はく」が使われているのだろうか。

「はく」が使われるのは北海道だけではない

少数派である「つける」「はく」だが、前述のアンケートにおいて、北海道では70%以上の人が「手袋をはく」と表現すると答えている。
「はく」という表現は、北海道に限定されているものではない。青森や秋田などの北東北でもよく使われている。また、手袋の産地として有名な香川にいたっては「はく」を使うとの回答が100%だったという。

手袋は手靴と呼ばれていた

なぜ手につける手袋が「はく」になるのだろう。これには、歴史的な背景があるといわれている。日本に手袋が根づいたのは意外と最近で、国内で手袋が製造されるようになったのは、明治になってからだ。それまでは、お祭りなどで今でもよく見かける「手甲(てこう/てっこう)」を使っていた。
外国から入ってきた手袋、いわゆるグローブをどう表現していいのか苦労したのだろう。
最初についた名前が「手靴(てぐつ)」だったのだ。手の靴だから、動詞としては「はく」になる。のちに「手袋」という名称が一般的になったが、このときの「はく」という動詞だけは残って、今につながるというのが一説だ。
このような由来から、手袋の生産地である香川では「はく」が使われていると考えられる。
そして、香川県の人々が開拓するため北海道に入植し、寒い北海道で欠かせない手袋の「はく」を広めたともいわれている。

結論

手袋は、つけると、はめるがあり、どっちが正しいのか悩むところだ。つけるは、東日本、はめるは西日本に多い傾向がある。少数派では、する、はめるがあるが、あるアンケートにおいて、北海道では70%以上の人が「はめる」を使うと答えたという。さらに国内手袋の生産地である香川県でも、「はめる」を使う。手袋をはめると表現するようになった経緯にはさまざまな説があるが、手袋を手の靴と考えたから、という説が有力だ。
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  • 更新日:

    2023年5月31日

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