目次
1. 油性ペンの汚れが落ちにくい理由

落とし方の基礎知識として、油性ペンが落ちにくい理由を紹介する。特徴や性質をチェックしておこう。
そもそも簡単に落ちるようには作られていない
油性ペンは水性ペンと比較してインクがとどまりやすいため、プラスチックやビニール、金属にも使える。つまり落ちにくいのは油性ペンのメリットでもあるのだ。簡単に落ちるように作られていないので、汚したくないものに付着させないことが重要になる。
油性の溶剤は耐水性がある
素材にもよるが、水性ペンは水に溶けやすく水洗いだけで落とせるケースは多い。一方で油性ペンに使用される溶液は水に溶けにくい。水で洗っても落ちないので注意しよう。
定着剤がより落ちにくくさせる
油性ペンには定着剤が含まれている。インクを落ちにくくする目的があり、プラスチックやビニールにも書けるようにするためであるが、消したいときは厄介だ。
染料が素材に染み込んでしまう
着色剤は「顔料」と「染料」の2種類だ。顔料は表面に定着する、染料は素材に染み込むといった特徴がある。油性ペンは染料を使うものが多く、繊維などに付着すると奥まで染み込んで落ちにくくなってしまう。
2. 油性ペン汚れが落としやすい素材、落としにくい素材

油性ペンの汚れがついたとき、まずは素材をチェックしよう。「落としやすい素材」「残る可能性がある素材」「落としにくい素材」に分けて紹介する。
落としやすい素材
- 皮膚
- ガラス
- 金属(アルミ以外)
- 陶磁器
- ホワイトボード
ある程度落とせるが残る場合がある素材
- アルミ
- プラスチック
- 布
- ビニール/壁紙(ビニール系)
木綿や麻、絹、毛、ポリエステルなどの布類は、インクの色が残る可能性がある。毛や絹は落とすための溶剤で変色することがあるので、落とし方に注意しよう。
落としにくい素材
- 木
- 耐溶剤性の低いプラスチック
- 染まりやすいプラスチック
- デコボコがあるプラスチック
- 耐溶剤性の低いビニール/壁紙(ビニール系)
- 染まりやすい素材のビニール/壁紙(ビニール系)
- デコボコがあるビニール/壁紙(ビニール系)
塩化ビニールやスチロール、ナイロン、ウレタンといった素材のプラスチックは落としにくい。また、プラスチックやビニールの場合、種類によっては無水エタノールや除光液で溶けるケースがあるので注意が必要だ。
3. 服や布についた油性ペン汚れの落とし方

水洗いができるタイプの服や布なら、下記の方法を試してほしい。ただし、水洗いが不可能だったり大事な服だったりするなら、クリーニングに依頼したほうが安心だ。
除光液を使った落とし方
- 油性ペンで汚れている部分の裏側にあて布をする
- 汚れている部分に除光液を少しずつ垂らす
- 別の布を使いトントンと叩き出し、あて布に汚れを移す
- 汚れが移ったらあて布を取り替え、取れるまで手順を繰り返す
除光液はプロピレングリコール類が含まれるものを使用する。衣類が変色するケースもあるので、目立たない場所で試してから使おう。インクが付着してから早めに対処すれば、汚れは消しやすい。
塗布放置洗浄による落とし方
- 油性ペンがついた部分に裏からあて布をする
- インク汚れがある部分に洗剤を塗る
- そのままひと晩放置して翌朝に洗濯する
名前の通り、洗濯用の洗剤をつけて放置する落とし方だ。除光液と同様に、早めに対処することで消せる確率も高くなるため、油性ペンで汚した場合はすぐに実行しよう。
クレンジングオイルを使った落とし方
クレンジングオイルには油を溶かす効果がある。基本的な落とし方は除光液と同じだ。落ちたインク汚れが戻らないように、布を少しずつずらしながらトントンと叩いていこう。汚れがある程度落ちたら、洗剤を溶かした洗面器でつけ置きしてもよい。
4. プラスチックについた油性ペン汚れの落とし方

プラスチックについた油性ペンの落とし方を解説する。無水エタノールや除光液、プラスチック製消しゴムを使った方法を、それぞれ紹介しよう。
無水エタノールや除光液を使った落とし方
無水エタノールもしくは、除光液(プロピレングリコール類配合のもの)を布に含ませよう。あとは油性ペンが消えるまで繰り返してこするだけだ。ガラスや陶磁器、金属、ビニール、壁紙(ビニール系)、ホワイトボードにも使える。ただし、素材によってはプラスチックが溶けるケースがあるので、目立たないところで試しておこう。
プラスチック消しゴムを使った落とし方
プラスチック消しゴムで、プラスチックについた油性ペンをこする。繰り返しこすればキレイに落ちるだろう。こちらも、ガラスや陶磁器、金属、ビニール、壁紙(ビニール系)、ホワイトボードの油性ペン落としにおすすめだ。
5. 手や肌についた油性ペン汚れの落とし方

手や肌についた油性ペンは自然に消えるが、早く落としたいときは以下の方法を試してほしい。研磨剤を使った落とし方の注意点と併せてまとめた。
石鹸やクレンジングオイルを使った落とし方
手洗い用の石鹸をぬるま湯でしっかりと泡立てる。あとは丁寧に洗えば、シワや指紋に入った油性ペン以外は落ちるだろう。よりキレイに落としたいなら、油を溶かす効果があるクレンジングオイルを活用してほしい。インク汚れに塗布したあと、軽くこすってから洗い流そう。
研磨剤を使うときは肌荒れなどにご注意を
クリームクレンザーなど研磨剤は、汚れを削って落とす効果がある。研磨剤と界面活性剤が油性ペンに高い効果を発揮するが、負担がかかるので肌が弱い方は使用をさけてほしい。使ったあとは化粧水やハンドクリームでしっかりとケアすることが重要だ。
6. 机や床、壁などについた油性ペン汚れの落とし方

机や床、壁など、場所別に油性ペンの落とし方をまとめた。それぞれの落とし方をチェックして、早めに対処してほしい。
机など木材についた汚れの落とし方
机や椅子、ドアなど木材についたインク汚れは、エタノールを含ませた布でこする。油性ペンが落ちたあとは、薄めた中性洗剤でふきとってから水拭きしよう。
エタノールがないときはバターやマーガリンで代用できる。同じように布に含ませてこすってから、中性洗剤で拭き取って油分を落としてほしい。ただし、木材の種類や加工によっては変色するケースがあるので、目立たない場所で確認しておくと安心だ。
エタノールがないときはバターやマーガリンで代用できる。同じように布に含ませてこすってから、中性洗剤で拭き取って油分を落としてほしい。ただし、木材の種類や加工によっては変色するケースがあるので、目立たない場所で確認しておくと安心だ。
ビニールの壁紙についた汚れの落とし方
ビニールの壁紙には無水エタノール、または除光液(プロピレングリコール類配合のもの)使った落とし方がおすすめだ。布に染み込ませたら、インク汚れが落ちるまで繰り返し拭く。プラスチック消しゴムでこすってもよいだろう。
ほかにはアルコールスプレーを吹きかけて、水をつけたメラミンスポンジでこする方法もある。いずれも強くこすりすぎると壁紙が傷つくので、力の入れすぎには注意してほしい。
ほかにはアルコールスプレーを吹きかけて、水をつけたメラミンスポンジでこする方法もある。いずれも強くこすりすぎると壁紙が傷つくので、力の入れすぎには注意してほしい。
床は素材によって落とし方が異なる
フローリングなど木材の床にはエタノールやバター、マーガリンを使用する。基本的な落とし方は机と同じだ。タバコや蚊取り線香の灰を指先につけてこすってもよいだろう。
また、ザラザラしたタイルの床には歯磨き粉と歯ブラシを活用する。水で湿らせたあと、歯ブラシに歯磨き粉をつけて汚れをこすろう。あとは雑巾で歯磨き粉を拭き取れば完了だ。
また、ザラザラしたタイルの床には歯磨き粉と歯ブラシを活用する。水で湿らせたあと、歯ブラシに歯磨き粉をつけて汚れをこすろう。あとは雑巾で歯磨き粉を拭き取れば完了だ。
7. 革靴や紙などについた油性ペン汚れの落とし方はある?

革靴や紙に油性ペンがついた場合、落とすことはできるのだろうか。トラブルをさけるためにも、あらかじめ確認しておこう。
革靴や紙についた油性ペンは残念ながら落とせない
革や合成皮革についた油性ペンは残念ながら落とせない。革靴や革製のバッグなどの革製品にインク汚れがついたときは諦めるか、専門の業者で染め直しを依頼しよう。また、同じように紙についたインク汚れも落とすことは不可能だ。修正液や修正テープを使って対処してほしい。
8. 時間がたった油性ペンの汚れは落ちにくくなる

時間がたった油性ペンでも基本的な落とし方は同じだ。しかし、油性ペンのインク汚れは時間の経過によって落ちにくくなる。紹介した落とし方を試しても、完全に落ちないことがあるので注意が必要だ。油性ペンがついたときは手遅れになる前にすぐ落とそう。
9. 油性ペン汚れの効果的な落とし方は素材で変わると覚えておこう

油性ペンの落とし方は、素材によって異なる。間違った方法だと素材が傷む可能性があるので注意が必要だ。無水エタノールや除光液、プラスティック消しゴムなどのアイテムを使い分けよう。
また、素材によって油性ペンの落としやすさは異なる。革や紙のように落ちないケースもあるので注意しよう。落ちやすい素材でも時間がたつと消えにくくなるので、なるべく早く対処することが重要だ。
また、素材によって油性ペンの落としやすさは異なる。革や紙のように落ちないケースもあるので注意しよう。落ちやすい素材でも時間がたつと消えにくくなるので、なるべく早く対処することが重要だ。
結論
耐水性があり定着液が含まれる油性ペンは落とすのが難しい。水だけでは落ちないので、無水エタノールや除光液といったアイテムを活用しよう。布には除光液、木材にはエタノールやバターというように、素材によって適した落とし方は異なるので確認が必要だ。素材によっては傷むことがあるため、目立たない場所で試してから紹介した落とし方を試してほしい。