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シンサレートとは?羽毛布団より暖かいってホント?特徴を徹底解説!

シンサレートとは?羽毛布団より暖かいってホント?特徴を徹底解説!

投稿者:ライター:渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年11月 3日

シンサレートという素材をご存知だろうか?羽毛布団よりも暖かいといわれることもある注目の素材だ。本稿ではシンサレートの基礎知識を解説するとともに、シンサレートを採用した布団の特徴を羽毛布団との比較も交えて解説する。最後におすすめ商品も紹介しているので、あわせて参考にしてほしい。

  

1. シンサレートとは?

まずはシンサレートに関する基礎知識を身につけよう。

3M社が開発した素材

1979年にはじめて販売されたというシンサレートは、アメリカの3M社が開発した素材(THINSULATEは商標登録済み)である。吸水性が1%以下と湿気が多い場所に強く保温性を失いにくいうえ、濡れてもすぐに乾くといった点が強みだ。湿気に強いためダニやカビが発生する確率もぐんと低くなる。また羽毛布団と違って化学繊維なので、アレルギーも起こりにくく人体にやさしい素材といえる。

シンサレートの布団が暖かい理由

布団の暖かさは繊維の間にどれだけ空気を溜め込めるかにかかっている。シンサレートは羽毛とほぼ同等の太さを持つマイクロファイバーが複雑に絡み合い、たくさんの空気を取り込んでいる。加えて熱を閉じ込めるための中綿を使い「デッドエア」と呼ばれる、動かない空気の層を作り出している。デッドエアの熱伝導率は木材の6分の1ともいわれており、その仕組みこそがまさに冷気を伝えず布団の中を暖かく保つというシンサレート最大の特徴を生み出している。

厚手の羽毛布団には負けるかもしれない

羽毛布団とシンサレートを同じ厚みで比較した場合、シンサレートのほうが2倍暖かいといわれている。ここでのポイントは「同じ厚み」という点だ。かさ高がある羽毛布団と比較した場合、やはり暖かいのは羽毛布団のほうだろう。したがって「薄手の羽毛布団よりは暖かい」と捉えるのが正解かもしれない。

2. シンサレートの種類と特徴

シンサレートには以下のような種類があり、それぞれ特徴が異なる。

シンサレートの種類

  • スタンダード:基本的なタイプ
  • ウルトラ:断熱性が15%アップ
  • リサイクル:再生ポリエステルを使用
  • ライト:スリムなタイプ
  • Exソフト:通常のシンサレートより軽い
  • ExソフトⅡ:Exソフトより柔らかく暖かさを長時間保てる
  • 消臭タイプ:におい分子の吸着、分解に優れている
  • 寝具用:軽さ、暖かさ、通気性を備えた寝具タイプ
  • ハイロフトタイプ:ボリューム感を長く保てる
  • ストレッチタイプ:伸縮性がある など
ご覧のようにシンサレートは10種類以上あり、このように機能性も異なる。シンサレートの布団を選ぶときは種類や機能性にも目を向けるとよいだろう。

3. シンサレートのメリット・デメリット

続いて、シンサレートのメリット・デメリットについて羽毛布団と比べた場合なども交えながら解説しよう。

シンサレートのメリット

  • 軽くて薄いのに暖かい
  • 吸水性が1%以下
  • 保温性が失われない
  • 速乾性がある
  • 吸汗性に優れている
  • 静電気が起こりにくい
  • 無臭
  • アレルギー物質を含まないため人体に優しい など
メリットはなんといっても暖かい点だ。上述のようにデッドエアを作ることにより大量の空気を閉じ込め、暖かい空気を逃さないよう工夫がなされている。また羽毛布団のようにかさばらず、コンパクトに収納できる点もメリットといえる。シンサレートには「におい」がない点も、羽毛布団独特のにおいが苦手な方にとってうれしいポイントだろう。ちなみに価格も1万円前後と、比較的リーズナブルである。

シンサレートのデメリットは?

一方デメリットとなる点もある。寝ている間に汗をかいた場合、羽毛布団であれば湿気を放湿できるため温度調節がうまくいく。その点シンサレートは放湿しにくく、熱がこもりやすい。温度調節がしにくいため、そこまで寒くない日に掛けてしまうと汗を大量にかいてしまうかもしれない。また身体にフィットしにくいというのも、人によってはデメリットに感じるだろう。

4. シンサレートか羽毛布団かで迷ったときは?

勝手知ったる羽毛布団にすべきか、はたまたシンサレートを新しく取り入れてみるか、迷う方も多いだろう。そんなときは以下のようなポイントを判断基準としてはいかがだろうか?

羽毛布団かシンサレートの布団か迷ったら

  • お手入れが楽な方を選びたい
  • コストを抑えたい
  • 羽毛の独特のにおいが苦手
  • コンパクトに収納したい
最終的にはお好みで判断していただくしかないのだが、たとえば上記に該当する方はシンサレートの布団に向いているといえる。ただし「包み込まれるようなフィット感」をお求めであれば、シンサレートの布団よりも羽毛布団のほうが向いているだろう。

5. シンサレートの布団にもダニは発生する?

布団にはダニの悩みがつきものだが、シンサレートの布団にも発生するのだろうか?答えはこちらだ。

シンサレートの布団はダニが発生しにくい

化学繊維のシンサレートは湿気がこもりにくく、ダニが発生しにくいといわれている。そのため布団のダニ対策を重視するのであればシンサレートの布団がおすすめだ。化学繊維ならご家庭の洗濯機で丸洗いでき、皮脂などを簡単に落とせるのもポイントだろう。それに、動物性繊維に対するアレルギーをお持ちの方も安心して使える。なおシンサレートの布団の中には、生地に防ダニ・防塵効果のあるアルファインを使用したものもある。

6. シンサレートの布団の保管方法

続いては、シンサレートを採用した布団の保管方法について見ていこう。

通気性のある不織布ケースでの保管がおすすめ

シンサレートの布団は保管が簡単だからと、ビニール製の布団ケースに入れてしまうのはNGだ。長期間保管するとなると、いくら湿気がこもりにくくダニが発生しにくいとはいえ、通気性は悪くなる。不織布など、通気性のよい素材でできた布団ケースに入れて保管するのがおすすめだ。

布団圧縮袋なら1/4程度に圧縮できるものを

かさばる布団を圧縮して効率的に収納スペースを使えるのが布団圧縮袋のメリットだが、シンサレートの保管は羽毛と同じく、ふんわり感が損なわれてしまうおそれがある。とくに長期間保管しておくと中綿がへたり、元に戻らなくなることもある。こうしたトラブルを防ぐには、元の厚みの1/4程度を圧縮のリミットとして保管するとよい。そうすれば翌シーズンに出した際、ふんわり感が失われるといったリスクを減らせるはずだ。

7. シンサレートの布団の保管に防虫剤は必要?

シンサレートを使った布団はダニなどが発生しにくいのだが、長期保管する際は防虫剤の使用をおすすめする。その理由は次の通りだ。

防虫剤をおすすめする理由

お伝えしているように、シンサレートの布団はその特性上ダニやカビは発生しにくい。しかし、湿気が閉じこもりやすい場所で保管すれば、たとえシンサレートの布団でも多少の害虫が発生するおそれがある。来シーズンまで清潔に保管するためにも、防虫剤を使うとよいだろう。

防虫剤を使う際の注意点

防虫剤を何個も使用したり、においの強いものを使ったりすると、シンサレートの布団ににおいが移ってしまうことが考えられるため気をつけよう。

防ダニ効果のあるものを選ぶ手も

シンサレートの種類はさまざまで得られる効果も異なる。中には防ダニ効果のある生地を使用した布団もあるので、購入の際はチェックしておこう。

8. シンサレートの布団のお手入れ方法

できれば機能性を損なわず長く使いたいものだが、どうしても汚れは溜まる。そのまま使い続ければ寿命を縮めることにもなるため、適宜お手入れをすることが大切だ。

シンサレートの布団に溜まる汚れとは?

  • 皮脂
  • フケ
  • ホコリ
  • 抜け毛
  • 皮膚片 など
シンサレートは寒い冬に大活躍する素材だが、そんな冬でも寝ている間にヒトは汗をかく。汗や皮脂汚れが蓄積すれば、機能性を損ない寿命を縮めてしまうおそれがある。

シンサレートの布団が汚れたときのお手入れ方法

  • ご家庭の洗濯機で洗う
  • クリーニングに出す
  • 汚れた部分に洗剤を直接含ませてもみ洗いをする など
シンサレートのメリットは、ご家庭の洗濯機でも洗えるということだ。とくに気をつけるポイントもなく、手軽に家庭で洗濯ができる。ただし洗濯表示(※1・※2)だけは必ず確認し、指示があればそれに従おう。不安なときはクリーニングがおすすめだ。

シンサレートの布団のホコリを取り除く方法

シンサレートは繊維の目が細かく、ほかの布団に比べてホコリが入り込みにくい。これもシンサレートの寿命が長いといわれる根拠のひとつだが、とはいえ使い続ければホコリは溜まる。そんなときは、掃除機で吸い取るのがいちばんだ。あるいは上述したようにご家庭で洗濯したりクリーニングに出したりするのでもよい。定期的にお手入れをして少しでも長く使い続けよう。

9. シンサレートの布団の選び方とおすすめ3選

3M社は、シンサレートという素材を各メーカーに供給している。したがってシンサレートの布団は、さまざまなメーカーが製造・販売していることになる。どの種類のシンサレートをどれだけ使用しているか、付帯機能はあるかなどはメーカーごとに異なる。このため選び方は非常に重要だ。

シンサレートの布団の選び方

高密度のシンサレートを採用しているかどうか、全面に使われているかどうか、ウルトラやEXなど保温性に優れた種類を使っているかどうかなどは確認しよう。また付帯機能として防臭や防ダニ、吸汗や速乾など求める機能が搭載されているものもあるのであわせてチェックしておこう。暖かさを再重視するのであれば、シンサレートが2層になっていたり断熱シートが組み込まれていたりするものもおすすめだ。

アイリスプラザ「シンサレート 掛け布団」

まずはシンサレートを使った布団がどんなものか試してみたという方は、リーズナブルなこちらの商品がおすすめだ。

ニトリ「掛けふとん シンサレートウルトラ」

スタンダードに比べて断熱性が15%アップしている、シンサレートウルトラを採用した掛け布団である。抗菌・防臭加工も施されている。

伊藤清商店「シンサレート ウルトラ プレミアム200 掛け布団」

同じくシンサレートウルトラを使った掛け布団だ。防ダニ・抗菌・防臭加工が施されているほか、専用のマイクロフリースカバーも付いてくる。

結論

シンサレートは軽くて薄いうえ、暖かいという魅力的な素材だ。ただしかさ高のある羽毛布団と比べても暖かいかというと、残念ながら断定はできないため、じっくり検討することが大切だ。またお手入れや保管が簡単とはいえ、何もしないままでは機能性を損なうおそれがある。湿気やダニ対策は忘れずに行おう。

(参考文献)

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  • 公開日:

    2019年4月15日

  • 更新日:

    2021年11月 3日

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