目次
1. コーヒーをこぼしたらまずは応急処置

色の濃いコーヒーだが、こぼしてしまっても速やかかつ冷静に対処すればキレイに落とせる可能性が高い。
コーヒーの染み抜きは時間勝負
水溶性や油溶性など汚れにもいろいろな性質があるが、コーヒーの染みはそのうち水溶性、つまり水に溶けやすい汚れに分類される。したがってスピーディーに対処することが大切だ。
用意するもの
- 食器用中性洗剤(なければ手洗い石鹸でもOK)
- タオル(なければティッシュや汚れてもよい布でOK)
これだけあれば応急処置は可能だ。出先の飲食店やお手洗いなどでもできるので、ぜひ覚えておこう。
応急処置の手順
- まずは乾いたタオルでコーヒーの染みをポンポン叩いて水分を移す
- 食器用中性洗剤を水で薄め、タオルの一部に含ませたら染みをポンポン叩く
- タオルの洗剤が付いていない部分を水に濡らし、染みをポンポン叩く
- タオルの乾いている部分または別の乾いた布などを当てて水分を吸い取る
- できるだけ早く洗濯をする
染み抜きは「こする」のではなく、汚れをタオルに移すイメージで叩くのがポイントだ。染みの大きさによっては綿棒、またはティッシュペーパーで作ったテルテル坊主を使ってもよい。また叩く際は染みが拡がるのを防ぐため、外側から内側に向かうことも心がけよう。カフェオレやラテは乳成分を多く含む。時間の経過とともに黄変するためやや広めに叩こう。応急処置で汚れを取ったあとは、なるべく早く洗濯し輪染みになって残らないようにする。
2. コーヒーの染み抜きをする前の注意点

スピードが重要とお伝えしたが、その前に確認しておくべきポイントもある。うっかり忘れてしまうとトラブルを招きかねないため、以下の2点は必ず確認しよう。
洗濯表示をチェックする
まずは洗濯表示を確認し、水洗いできる衣類かどうかを必ず確認することだ。なお洗濯表示には新旧がある。知らないという方はぜひこの機会に覚えておくとよい。消費者庁のサイトに詳しく書かれているので紹介しておこう(※1・※2)。
色落ちしないかチェックする
応急処置で紹介した食器用中性洗剤であれば基本的には問題ないはずだが、衣類の素材によっては洗剤で色落ちするリスクがゼロではない。不安な方は、まずは目立たないところに洗剤をつけ、白い布やティッシュなどでポンポン叩いて色落ちがないか確認しておくと安心だ。
3. 洗濯でコーヒーの染み抜きをする方法

ついてすぐの染みなら簡単に落とせるが、時間が経ったものはひと手間かけた染み抜きが必要になる。応急処置で落としきれなかった染みなども、次の方法で洗濯すればキレイに落とせる可能性がある。
必要なもの
エマールなど液体のオシャレ着用中性洗剤と、ワイドハイターなど液体の酸素系漂白剤を用意しよう。
洗濯による染み抜きの手順
- 染みに液体の酸素系漂白剤の原液をつける
- 洗濯機へ入れて中性洗剤をセットし、通常通り洗濯・すすぎ・脱水をする
液体の酸素系漂白剤の原液をつけるというたったひと手間で、頑固な染みもキレイに落とせる。これでもダメなときは、最終手段としてクリーニングに出すことを検討しよう。
染み抜きで衣類が傷むことはない?
塩素系など漂白力の強い洗剤は衣類へのダメージが懸念されるが、本稿で紹介しているオシャレ着用中性洗剤や酸素系漂白剤であれば過度に心配する必要はない。ただし、ゴシゴシこすったりすれば当然ながらダメージがあるため気をつけよう。
4. カーペットについたコーヒーの染み抜き方法

カーペットにコーヒーをこぼしてしまうこともよくある。この場合も、まずは速やかに応急処置を施すことが大切だ。
応急処置に必要なもの
コップ1杯ほどの水と乾いたタオルを用意しよう。
応急処置の手順
基本的には衣類の場合と同じだ。まずは乾いたタオルで染みをポンポン叩き、水分を移す。次に染みに水を少量含ませ、タオルの乾いている部分で素早く吸い取る。これを数回繰り返せば少しずつ染みが薄くなっていくはずだ。応急処置が済んだら、本格的な染み抜きをしよう。
染み抜きに必要なもの
コップ1杯ほどの水と乾いたタオル、カーペット用の洗剤とブラシを用意しよう。ブラシはカーペットの毛を起こすために用いるものだ。とくに決まりはないが、ヘアブラシもしくは洋服ブラシなどがあるとよい。
染み抜きの手順
まずはブラシで毛を起こし、染みとその周辺に少量の水を含ませる。次に、その上からカーペット用の洗剤をつけ乾いたタオルで吸い取る。これを、染みが薄くなる(消える)まで数回繰り返そう。もちろん、丸洗いできるカーペットなら最初から洗濯してしまってOKだ。
5. 車内についたコーヒーの染み抜き方法

最後に、車内にこぼしてしまったコーヒーの染みの落とし方も紹介しておこう。コーヒーは車のお供に最適な飲み物だが、コーナリングでこぼれるなどすることも多い。車内は温度が上がりやすく汚れも固着しやすいため、初期段階で落とすことが重要になる。
染み抜きの手順
もちろん走行中は絶対にNGなので、帰宅後などに速やかに行おう。まずは食器用中性洗剤と液体の酸素系漂白剤を1:1の割合で溶かした洗浄液を用意する。これを空のスプレーボトルに入れて染みにスプレーしたあと、乾いたタオルを押し当てるようにして吸い取る。汚れがつかなくなるまで繰り返し、最後に水を含ませたタオルで叩いて乾かせば完了だ。繊維に洗浄液が残っていると輪染みになるおそれがあるため、水拭きと乾拭きまでしっかり行おう。
結論
コーヒーの染み抜きは時間が勝負だ。ご家庭であれば即洗濯をすれば落ちるはずだが、出先でこぼしたときも慌てずに、まずは応急処置を施すことで少しでも染みを抜いておこう。帰宅したあとは速やかに洗濯することも忘れないようにしよう。
(参考文献)
- 1:消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html - 2:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html