1. 畳の黒い粒の正体

畳の上にうごめく黒い粒を見たことはないだろうか。その特徴から虫の種類を判別し、対処方法を決めていこう。
畳に穴
畳に黒い穴がポツポツとあいているのを見つけたら「シバン虫」を疑う必要がある。3mm程度のシバン虫は、茶色いカナブンのような姿が特徴的だ。人には無害だが、乾物を食害し、乾麺や粉類の袋に混入する場合があるため、衛生面が気になるところである。
また、もう1つの問題として挙げられるのが、シバン虫の幼虫に産みつけられた「アリガタバチ」の卵だ。シバン虫の体内で羽化し出てきたアリガタバチは、尖ったお尻の先で人を刺すので注意が必要である。
また、もう1つの問題として挙げられるのが、シバン虫の幼虫に産みつけられた「アリガタバチ」の卵だ。シバン虫の体内で羽化し出てきたアリガタバチは、尖ったお尻の先で人を刺すので注意が必要である。
毛が生えている
灰色と茶色と黒い色の毛で覆われた3mmほどの丸い虫が「カツオブシ虫」である。鰹節を好むという理由でその名がついているが、幼虫は繊維を食べるため、タンス内で発見される場合が多い。
細くて灰色
長い触角と3本の尾があり、細長くシルバー色をしているのが「シミ虫」だ。素早く動き回るその姿にはぞっとしてしまうが、人には無害である。シミ虫は、乾物や紙の表面を薄くかじり取るようにして食べるのが特徴だ。
2. 畳の虫の駆除方法

シバン虫
畳に穴をあけ、中に入り込むシバン虫。畳の中で産卵して増えていく場合もあるので、畳に薬を注入するタイプの殺虫剤や燻製方式のタイプを使って一網打尽にしておくとよい。被害が酷いのであれば、専門業者に熱処理駆除を頼むことも検討しよう。
カツオブシ虫
見つけしだい衣類を洗濯し、駆除を徹底して行おう。着物についてしまった場合は陰干しし、ブラシを丁寧に使って見落としのないように駆除するとよい。食害する布は絹やウールが多いが、汗がついていれば化繊繊維も食べる。タンスなどで長く保管する前には洗濯でしっかり汚れを落とし、防虫剤も忘れずに一緒に入れておこう。
シミ虫
体がやわらかいため、ティッシュペーパーでふき取るように取ってしまおう。すき間や柱の角に逃げ込むので、逃げる先を考えながら先回りして確実に仕留めるのがコツである。
3. 畳の虫の予防策

畳の虫は一度発生すると除去が難しくなるので、予防するのが最善策だといえるだろう。
掃除
髪の毛、食べカスなど、虫のエサになるようなものは掃除機で吸って虫を予防しよう。掃除機は、畳の目に沿ってゆっくりかけていくのがコツだ。畳一枚につき8往復、1往復に5秒かけて吸わせると、急いで往復させた場合に比べ倍以上のゴミが取れる。ブラシノズルを使い、畳の縁のすき間、ふすまの桟、コンセントもきれいにしておくことを忘れずに。
湿度
湿度が上がると虫の発生率も高まるので、畳の部屋での部屋干しは厳禁だ。こたつや布団を畳の上に敷く場合は、畳と布団のあいだに湿気がこもるのを予防するためにも、吸湿効果の高いシリカゲルの使用をおすすめする。
シリカゲルは人体に無害な物質で、お菓子の乾燥材としても多く使われているものだ。ホームセンターでは調湿材として販売されているので、それを不織布に包み、平らにならしたものを畳と布団の間に敷き込もう。シリカゲルは1kg千円弱で手に入る。100均のラッピング用不織布と組み合わせ、目的に合ったサイズの除湿剤を作るとよいだろう。
シリカゲルは人体に無害な物質で、お菓子の乾燥材としても多く使われているものだ。ホームセンターでは調湿材として販売されているので、それを不織布に包み、平らにならしたものを畳と布団の間に敷き込もう。シリカゲルは1kg千円弱で手に入る。100均のラッピング用不織布と組み合わせ、目的に合ったサイズの除湿剤を作るとよいだろう。
結論
クネクネと畳をはう銀色のシミ虫は、除去に躍起になってしまうほどの気持ち悪さである。その起源は古く、ムカシトンボやチャバネゴキブリよりも前に誕生していたというから驚きだ。当然人類との付き合いも長く、ともに暮らしてきた時間も多い。あまりの気味の悪さに一匹残らず追い出したくなる虫ではあるが、上手な付き合い方を見つけていく方が得策なのかもしれない。