目次
1. 蛍光灯を交換する際の注意点

蛍光灯を交換するにあたって、まずは注意事項からお伝えする。実践している方も多いかもしれないが、再確認の意味も込めてチェックしておこう。
電源は必ず切る
感電防止のため電源は必ず切ることだ。「大丈夫だろう」がもっとも危険なのでお気をつけ願いたい。しばらく点灯させていた蛍光灯は熱を持っているため、電源を切ってしばらく経ってから外そう。
無理に外そうとしない
蛍光灯は割れやすいため、ガチャガチャと動かしたり無理に回したりするのは危険だ。万が一頭上で割れれば破片が顔にふりかかってくるおそれもある。くれぐれも丁寧に取り扱うことを心がけよう。
足元を安定させる
天井など自分の背丈よりも高い位置についている蛍光灯を外すときは、テーブルや台、脚立などに乗ることも多いだろう。上を見上げている間の足元というのは、思っている以上に不安定になりバランスを崩しやすい。周りに人がいれば支えてもらうか、安定感のある台などを使うようにしよう。
点灯管(グローランプ)もチェックする
今では見かけることも少なくなってきたが、グロースターター式の蛍光灯は点灯管(グローランプ)と呼ばれる小さな電球のような放電管がないと(切れていると)点灯しない。少し古めの建物のミニキッチンなどに設置されている短く細い蛍光灯などには、今も点灯管が付いていることが多い。交換しようとしている蛍光灯に点灯管があれば、一緒に交換しておくことをおすすめする。なお点灯管は左(反時計回り)で外れる。
2. 直管型蛍光灯の外し方と交換方法

キッチンや洗面所では両端の電極に直結した「直管型」を多く見かける。直結の方法には大きく3つあり、それぞれ取り外し方にコツがいる。感電防止に、作業前は電源を切り軍手をはめておこう。高い位置にある場合は脚立などで足場をしっかり固め、懐中電灯の明かりがあれば用意しておこう。
回転式の外し方と交換方法
両端が電源プラグと留め具の両方の役割を担っているタイプが回転式の蛍光灯だ。外し方は難しくない。90度回転させるとロックが外れるので、片側からゆっくり外そう。取り付けるときははめてから90度回転させればロックされる。なお、古い照明は回した拍子に受け側の電源部分が動き、取れなくなる場合もある。そのときは無理をせず専門業者に連絡し、点検や交換を依頼しよう。
ばね式の外し方と交換方法
両端が強力なばねによって支えられているタイプの蛍光灯だ。こちらも外し方はシンプルで、まず片側へ蛍光灯を押し込むようにしてから、反対側の端を下(横)へずらせば外れる。取り付けるときも同様の手順でOKだ。
スライド式の外し方と交換方法
端がスライド可能な部品で支えられているタイプの蛍光灯は、両端の部品を中央へ滑らせるとロックが外れる場合がほとんどである。手で支えながら片側ずつ外していこう。交換する際は逆の手順を踏めばOKだ。
3. 丸型蛍光灯の外し方と交換方法

大きな明るさを確保できる丸型蛍光灯は、主に部屋全体の照明として使われることから、交換する機会も多いだろう。外し方の手順と交換方法は以下の通りだ。
1.電源プラグを外す
外す部分は「電源プラグ」と丸型蛍光灯を支える「金具」の2か所ある。先に外すのは電線につながっている電源プラグだ。水平方向に引き抜くとうまく外せるはずだが、無理に引っ張らないように気をつけよう。
2.金具を外す
次に、丸型蛍光灯を支えている金具のツメを下げるようにして順番に外していけば、取り外しは終了だ。丸型蛍光灯が2重になっているタイプのものは、内側、外側の順で外すとスムーズに作業できる。
取り付けは逆の手順でOK
新しい丸型蛍光灯を取り付ける際は逆の手順でおこなえばよい。
4. 丸型蛍光灯からLEDに交換する手順

直管型蛍光灯をLEDに交換するには工事が必要だが、丸型蛍光灯をLEDに交換する場合は自分でできることが多い。せっかくなので交換手順を紹介しておこう。
丸型蛍光灯からLEDへの交換方法
まずは既設の丸型蛍光灯を取り外し、照明器具および電源部分を取り外す。電源部分は左回しで取れるものがほとんどだ。次に、配管器具にLED専用アダプタを取り付け、LED照明を取り付ける。最後にコネクターを接続してカバーをかぶせれば完成だ。
5. 電球型蛍光灯の外し方と交換方法

もうひとつ、電球型蛍光灯の外し方や交換方法についても知っておこう。
電球型蛍光灯の外し方と交換方法
直管型や丸型と比べれば外し方は簡単だ。電源を切り、手で触れる程度まで冷めたら回転させて取り外すだけでよい。取り付けは逆の手順でOKだ。
電球型蛍光灯を交換する際の注意点
プラグにいくつかのタイプがあるため、交換の際は適合するものを購入する必要があると覚えておこう。また交換したあとは電源を入れてみて、問題なく点灯するか確認することだ。取り付けが甘かったり内部で配線が切れていたりすると、まったく点灯しないか暗い状態になるなどする。不具合の原因が分からないときは、電源を切った状態で専門業者に相談してほしい。
6. 電球型蛍光灯もLEDに交換可能

丸型と同じように、電球型蛍光灯もLEDに交換できる。同程度の明るさのLED照明と交換したいときは、まずは既設の電球型蛍光灯のワット(W)数を確認しよう。LEDではルーメン(lm)で表示されるためややこしいが、目安としては次の通りだ。
ワットとルーメンの目安
- 60W:810lm以上
- 50W:640lm以上
- 40W:485lm以上
- 30W:325lm以上
- 20W:170lm以上
このあたりを目安にLED照明を探してみよう。また電球色や昼白色、昼光色など色味にもいろいろな種類がある。口金(くちがね)のサイズなどとあわせて色味もチェックしておくことをおすすめする。
電球型蛍光灯からLEDへの交換方法
回転させて取り外し、同じように回転させて取り付ければ完了だ。こちらは迷うことはほぼないだろう。明るさや色味、口金のサイズなどのほうが重要なので覚えておいてほしい。
7. 直管型蛍光灯からLEDに交換するには?

直管型蛍光灯は、丸型や電球型のように簡単にLED照明に交換することができないケースがほとんどだ。ではどうすればよいのだろうか?
電気工事業者に依頼する
既設の配線器具(安定器)にLED照明を取り付けてしまうと正常に作動しないことがある。取り付けそのものはできたとしても、チラついたり寿命が短くなったり、古い配線器具では発火したりするおそれもある。そのため配線器具の取り外しが必要になるケースがほとんどだ。ただしその取り外しには電気工事士の資格が要る。したがって直管型蛍光灯からLED照明に交換する際は、必ず電気工事士が在籍している業者に依頼しよう。
8. 蛍光灯を交換するタイミング

蛍光灯を交換するタイミングについてもおさらいしておこう。まったく点灯しなくなったという場合はもちろんだが、それ以外にも次のような症状が現れたら交換したほうがよい。
チラつくようになった
点滅したり、いったん消えてからまた点灯したり、そこまではいかなくとも時折チラつくようになったりしたら交換のサインだ。放置しておいても復活することはないし、場合によっては正常な蛍光灯よりも電力を消費し電気代が膨らむおそれがある。
変色した
暗くなったような気がする、色味が変わってきたような気がするといった場合も交換のタイミングと思っておこう。「完全に点灯しなくなってから交換すればよい」という方も多いかもしれないが、上述のように自然に復活することはないし、電気代がかさむおそれもある。
9. 蛍光灯カバーの外し方も覚えておこう

蛍光灯を交換する前に意外と苦戦することが多いのが、カバー外しだ。カバーにもいろいろな種類があるが、とくにコツが必要なのは丸型シーリングやキックばね型だろう。せっかくなので、最後にカバーの外し方も簡単に説明しておく。
ねじ込み式の蛍光灯カバーの外し方
シーリングライトなどに多いいわゆるねじ込み式は、カバーの両端を持ち左右どちらか(多くは左=反時計回り)に回して外そう。回しきってから取り外すタイプと、回しているうちにツメがズレて取り外せるものとがある。突然外れて体のバランスを崩さないよう慎重に作業にあたってほしい。
キックばね式の蛍光灯カバーの外し方
上記のようなねじ込み式でなければ、カバーの縁全体か一部を引っかけて固定しているタイプが大半である。カバーの縁のツメを外しても取り外せないときは、内側にキックばねがついていないか探してみよう。カバーの片側を下げたとき、V字の針金が見えたらそれがキックばねだ。V字の上部分を内側に寄せれば取れる仕組みなので、ひとつずつ丁寧に外していこう。
10. 蛍光灯の外し方は難しくはないがご安全に!

蛍光灯の交換は知識がなくてもなんとなくできてしまうことが多い。だが電気を扱う以上、正しい知識で事故やケガを防ぐことが何よりも重要だ。慣れている方もぜひこの機会に再確認していただくとともに、今後蛍光灯を交換する際はより一層、安全を確保して作業にあたってほしい。
結論
蛍光灯の交換で大切なことは、電源を切るといった基本的なところを守ること、足元を安定させることだ。また古い配線器具をお使いの場合、LEDに対応していないこともある。少しでも不明点や不安があるときは無理をせず、業者やメーカーに相談するなどしてほしい。