1. サンダルの汚れやにおいの原因は足裏の汗?
サンダルの汚れや黒ずみ、においは複数の要因が重なって起こる。まず、どのような要因があるのか理解を深めてから、それぞれの素材に合う洗い方を見ていこう。
足裏の汗
汗を出す汗腺は、足の裏から頭までの全身に分布している。そして、体の部位の中でも汗腺の数が多い足裏は、1日にコップ1杯程度の汗をかくといわれている。そのため、素足で履くサンダルには足裏から出た汗が溜まっているのだ。雑菌はこれをエサにしようとして分解を行い、その際に作られた物質によって嫌なにおいが発生する。また、汗を吸収する素材のサンダルを素足で履くと、汗の成分がサンダルにしみ込んだ後、黒ずみとなって浮き出てくるのだ。
足裏の角質
素足でサンダルを履くと、黒っぽい粘土のような汚れがついた経験がある方も多いだろう。これは、汗による水分で柔らかくなった足裏の角質が、サンダルとの摩擦で剥がれ落ちたものだ。この角質は雑菌のエサになり、それを分解する際に出る物質(イソ吉草酸)が嫌なにおいを発生させる要因である。
足の指から出る皮脂
サンダルの中敷きに足の指の形が黒いシミとなって残る場合がある。これは足の指の間から分泌された皮脂がサンダルに染み込こんだためである。
外で付着する汚れ
外出先でサンダルに泥や砂ボコリのほか、飲食物の汚れなどが付着すると、シミや変色の原因になる。
蓄積した汚れが及ぼすダメージ
汗、角質、皮脂、外で付着する汚れなどが、サンダルの素材を劣化させる要因になる。さらにこれらの汚れをエサにする雑菌やカビが繁殖することで、においを発生させたり素材を脆くしたりする。汚れを放置したままにしておくと、久しぶりに出したサンダルにカビが生えていた、ボロボロになっていたという事態にもなりかねないのだ。
2. ゴム・ポリウレタン素材のサンダルを洗おう
洗剤を使った洗い方
ゴム(ラバー)、ポリウレタンなどの合成樹脂を素材にして作ったサンダルの代表的なものとして、ビーチサンダルがある。ゴムやポリウレタンは水洗いが基本的な洗い方だが、酷い汚れには中性洗剤(おしゃれ着洗い用洗剤など)や弱酸性洗剤(ボディーソープなど)を使って洗おう。中性洗剤は、繊細な衣類にダメージを与えず汚れを洗い落とす効果が期待できる。また、中性に近い弱酸性洗剤もサンダルの素材を傷める心配をあまりせずに洗うことができるだろう。
準備するもの
- バケツ、洗い桶がない場合は、洗面台のシンク
- 中性洗剤または、弱酸性洗剤
- タオル
- ブラシ(あれば靴洗い用のブラシ)
- 細かい部分を洗うための歯ブラシ
手順
- サンダルについている泥や砂、ホコリなどの汚れは、シャワーをかけて洗い流すか、手やブラシでサッと払い落とす。
- バケツなどに溜めた水やぬるま湯に、中性洗剤を数滴ほど入れて洗浄液を作る。汚れが酷い場合は30分程度つけ置きすると、汚れが落ちやすくなる。
- ブラシを使って全体の汚れを落とす。サンダルの鼻緒部分は歯ブラシを使って擦る。
- 流水でサンダルをすすぐ。すすぎが足りないと洗剤が残ってしまい、サンダルを傷める原因になるのでしっかり洗い流しておく。
- 風通しのよい場所にたてかけた状態で陰干しする。ゴムやポリウレタンなどの合成樹脂は直射日光に弱く、長時間当てるとひび割れなどの劣化を招くので注意しよう。
3. 革素材のサンダルはどうやって洗う?
革専用クリーナーを使った落とし方
革素材のサンダルは、革製品専用クリーナーを使って汚れを落とすとよい。革用のブラシや歯ブラシなどで砂ボコリをサッと落とした後、クリーナーをつけた布でサンダルを優しく擦りながら汚れを拭き取ろう。この後は、素材に合う保革用クリームやオイルで素材に栄養を与えて保護しておけば完了である。
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専用消しゴムクリーナーで黒ずみを落とす
革専用の消しゴムで擦るとサンダルの軽い黒ずみ程度なら落とせる。
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革専用クリーナーがない場合は?
自宅にある中性洗剤(おしゃれ着洗い洗剤)、または弱酸性洗剤(ボディーソープなど)を使って洗う。
準備するもの
- 中性洗剤、または弱酸性洗剤
- 水、またはぬるま湯(約30℃)
- タオル
- 歯ブラシ
手順
- 念のため、洗剤で色落ちしないかチェックする。水やぬるま湯で濡らして固く絞ったタオルに中性洗剤などを含ませ、サンダルの目立たない場所に擦り付ける。タオルにサンダルの色が着いてこなければOKだ。
- 水で濡らして固く絞ったタオルに、洗剤を2、3滴落として馴染ませる。汚れ部分をトントンと叩くようにして汚れを落とそう。叩いても落ちない汚れは、ブラシで軽く擦るとよい。
- 汚れが落ちたら、サンダルの水気を新しいタオルで吸い取る。陰干しにして自然乾燥させたら、保革用クリームやオイルで素材に栄養を与えて保護しておこう。
革専用洗剤で洗う
近頃は革製品を水洗いできる洗剤が販売されており、レザージャケットや革靴なども洗える。水を入れた容器に適量の洗剤を入れて洗浄液を作り、スポンジなどに洗浄液を含ませてサンダルを洗ったら、水ですすいで乾燥させよう。その後は、保革用のクリームやオイルで保護しておけば完了だ。
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4. 合成皮革の汚れの落とし方とサンダルの汚れ予防対策
本革と同様に汚れを拭き取ろう
合成皮革のサンダルは水洗いできるものが多いが、丸洗いする洗い方では接着部分が剥がれてくる場合がある。そのため、汚れは拭き取って落とす方が無難だ。また、一部のサンダルの中には、ベルトは合成皮革でできているが、足裏が触れる場所はコルクやスウェードなどの素材が使われているため、水洗いできないものがある。その場合は、革素材のサンダルと同じように、タオルに中性洗剤などを含ませて、汚れを拭き取る洗い方がよいだろう。
合皮素材の汚れの落とし方
準備するもの
- 中性洗剤、または弱酸性洗剤
- 水、またはぬるま湯(約30℃)
- タオル2枚
- 歯ブラシ
手順
- 念のため、洗剤で色落ちしないかチェックする。
- 乾いた泥汚れなどをサッと払い落とす。
- 水で濡らして固く絞ったタオルに、洗剤を2、3滴落として馴染ませる。
- 洗剤を含ませたタオルで汚れ部分をトントンと叩くようにして汚れを落とす。叩いても落ちない汚れは、ブラシで軽く擦って汚れを落とそう。
- サンダルの水気は新しいタオルでトントンと叩くようにして取り除く。風通しのよい場所で陰干しにして自然乾燥させれば完了だ。
サンダルの汚れ予防対策
防水スプレーや撥水スプレーには、汚れをつきにくくする効果があるので、定期的にスプレーしておくとよい。汚れたらすぐに拭き取るか洗うなど、素材に合わせた手入れをしよう。ついたばかりの汚れは落ちやすく、汚れが溜まるほど落ちにくくなるからだ。毎日履き続けたサンダルには湿気が溜まっていくため、雑菌やカビが繁殖する原因になる。ときどき、ほかのサンダルに履き替えるようにして、湿気や汚れが蓄積しないように注意しよう。
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結論
ゴムなどの合成樹脂素材のサンダルは水洗い、本革は拭き取るなど、素材の特徴に応じた方法で汚れを落とそう。歯ブラシで汚れを擦るときは、やみくもに動かすと素材に小さな傷がつく恐れがあるので、一定方向に動かすように心がけるとよい。きれいになったサンダルで快適な夏を過ごしたいものだ。