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ネジのピッチとは?測り方と並目や細目の違いからサイズ一覧まで紹介

ネジのピッチとは?測り方と並目や細目の違いからサイズ一覧まで紹介

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年11月15日

ネジ径は同じなのに入らない場合、ピッチが合っていないのかもしれない。とりわけボルトとナットのように対になっているネジの場合、径(太さ)や長さのほかピッチにも注意する必要がある。ピッチの基礎知識からサイズ一覧まで紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

  

1. ネジが合わない原因は「ピッチ」かも

ネジ(ボルト)とナット
一般的な「M4」のネジを交換しようと同表記のある同じ長さのネジを購入したものの、ナットに合わないという経験をしたことはないだろうか?その原因はもしかするとピッチかもしれない。

ネジのピッチとは?

ピッチとはネジの螺旋状のギザギザ部分(ネジ山)の、山同士の間隔を指す。ネジ径と長さが同じでも、おねじとめねじのピッチが合わなければ噛み合わないことがある。

ネジのサイズを確認する際のポイント

たとえば直径4mm、長さ10mmのネジを購入しようとホームセンターで「M4×10P0.7」と記載されたネジを購入したとしよう。このとき「径と長さは同じはずなのにネジがうまく噛み合わない」ということがある。この場合ピッチに問題があることが考えられる。

【ネジのサイズの見方】

  • M:メートル規格の記号
  • 4:直径4mm
  • 10:長さ10mm
  • P(ピッチ):0.7mm
上述した「M4×10P0.7」のサイズの見方はこのようになる。

2. ネジのピッチには「並目」と「細目」がある

「並目」と「細目」のイラスト
ピッチには「並目」と「細目」の2種類がある。両者の違いも正しく理解しておこう。

「並目」「細目」とは?

並目よりも細目のほうがピッチの間隔が短い。すなわち「ネジ山が細かい」ということになる。具体的には、たとえばネジの規格がM4だとすると並目が0.7mm、細目が0.5mmといった具合だ。ほんのわずかな差だが、この違いが正しい噛み合いを妨げる要因となる。同じ径でも並目と細目は違うネジ、と考えたほうがよいだろう。

並目と細目、どちらを選ぶ?

並目はネジ山が丈夫で摩耗しにくいとされている。一方の細目はネジ山が細かいため、振動などで緩みにくいとされている。もっとも、JIS規格による止めネジはすべて並目のため、一般的にホームセンターで取り扱うのは並目ネジが多い。オーダーメイドでもなければ、たいていの場合並目のネジを選ぶ(選んでいる)ことになるといえるだろう。

3. ネジのピッチを測定する方法

ピッチゲージでネジのピッチを測っているところ
ネジのピッチを測定する方法を知っておこう。

ピッチゲージを使って測定する

ピッチゲージという計測機を使用してネジのピッチを計測する方法がある。もっとも一般的なのは、数パターンから十数パターンのゲージが本体に十徳ナイフのように組み込まれているものだ。これをネジ山に当てていき、適合したピッチがそのネジのピッチということになる。

一つひとつ当てていくのは大変では?

十数パターンもあるピッチゲージを使用する場合、適合するものを探すのは大変そうに思えるかもしれないが、総当たりする必要はない。インターネットで調べればネジ径に対するピッチのパターンがすぐにわかるためだ。各ゲージにはピッチの数値が刻印されているので、たとえば「M6」のネジと分かれば1mmと0.75mmの2パターンだけを試せばよいというわけだ。

ピッチゲージにはミリ用とインチ用がある

ピッチゲージには「ミリ用」と「インチ用」があるため、まずはどちらの仕様か確認することが重要だ。ミリ用はmmで確認し、インチ用は山数で確認する。角度も、ミリ用は60度、インチ用は55度と60度の2種類がある。

ピッチゲージがない場合は?

ピッチゲージを常備している方は専門職でもない限り少ないだろう。たかだかネジ1本のピッチを測定するためだけに工具を購入するのも気がひけるかもしれない。そんなときはネジを持ってホームセンターに行ってみよう。ネジコーナーに数十種類のネジのサンプル台が置いてあることが多いためだ。ここで合わせてみれば必要なネジの正確な径やピッチを調べられる。

4. ネジの呼び名とピッチ一覧

いろいろなネジ
ネジの呼び名ごとに並目、細目それぞれのピッチをまとめたので最後に掲載しておこう。

ネジの呼び名とピッチ一覧

  • ネジの呼び名:並目(細目)
  • M2:0.4(0.25)mm
  • M2.3:0.4(-)mm
  • M2.6:0.45(-)mm
  • M3:0.5(0.35)mm
  • M3.5:0.6(0.35)mm
  • M4:0.7(0.5)mm
  • M5:0.8(0.5)mm
  • M6:1.0(0.75)mm
  • M8:1.25(1.0)mm
  • M10:1.5(1.25)mm
  • M12:1.75(1.25 / 1.5)mm
  • M14:2.0(1.5)mm
  • M16:2.0(1.5)mm
  • M18:2.5(1.5)mm
  • M20:2.5(1.5)mm
  • M22:2.5(1.5)mm
  • M24:3.0(2.0)mm
  • M27:3.0(2.0)mm
  • M30:3.5(2.0)mm
  • M33:3.5(2.0)mm
  • M36:4.0(3.0)mm
  • M42:4.5(4.0)mm
  • M45:4.5(4.0)mm
  • M48:5.0(4.0)mm
  • M52:5.0(4.0)mm
※JIS B 0205規格群(※1)を主とする。

結論

ネジには径や長さのほか「ピッチ」という忘れてはならない重要な要素がある。径と太さ、そしてピッチが合うことでネジ山が噛み合い、ネジ本来の役割が十分に発揮される。ネジ交換などで購入する際は、径と長さに加えてピッチにも気をつけよう。
(参考文献)
※1:日本産業標準調査会:データベース-JISリスト
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  • 公開日:

    2019年6月30日

  • 更新日:

    2021年11月15日

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