目次
1. 洗濯機置き場の防水パンによる洗濯機トラブルの予防効果

防水パンとは洗濯機の下に設置する四角いプラスチック板で、洗濯パンとも呼ばれている。ここでは、洗濯機置き場になぜ防水パンが必要なのか解説する。
水漏れによる床浸水を防止する
床との間に設置することで、洗濯機からの水漏れを受け止める役割がある。マンションやアパートなどの集合住宅では、洗濯機の水漏れが階下にも直接影響を及ぼすおそれがあるため、それを防ぐ目的で設置することが多い。水漏れの原因は排水口の詰まり、排水ホースや洗濯機本体の劣化などさまざまなものがあるが、いずれにしても階下とのトラブルを最小限に抑える役割があるのだ。
結露による床の傷みを防止する
湿気が溜まりやすい浴室の近くに設置した洗濯機は、本体の底に発生した結露が流れ出たり、ドラム式洗濯機の洗濯物から出た湿気によって結露したりする場合がある。防水パンはこれらの結露を受け止められるが、洗濯機を床に直置きすると結露によって床材がダメージを受けるおそれがあるのだ。また、防水パンの上に置いた排水ホースからの水漏れや結露も止めるので、床への影響を抑えることができる。
洗濯機の運転による振動や音を抑える
ドラム式洗濯機を床に直置きすると、運転中の振動や音が意外に大きいことに気づく。これは洗濯機を揺らすことで洗濯物を洗っているため、仕方がないことなのだが、集合住宅では階下への影響を考えて夜間の洗濯を控える方もいる。防水パンの設置によって振動や音を軽減できるというメリットがある。
2. 洗濯機置き場に適した防水パンのサイズと種類とは

防水パンにはサイズや種類がある。ご家庭の洗濯機置き場に合った防水パンを選ぶためにも基本を押さえておこう。
防水パンのサイズ
- 幅64㎝×奥行64c㎝
- 幅74cm×奥行64cm
- 幅80cm×奥行64cm
防水パンには洗濯機の大きさに合わせて3種類のサイズがあり、排水ホースと床の排水口を繋ぐための丸い穴が開いている。ただし、防水パンによって穴の位置は異なる。防水パンと洗濯機、床のスペースのサイズ、そして排水口の位置などが合わないと設置できないので覚えておこう。なお、上記のサイズは防水パンの内寸を測ったものだ。内寸よりも大きいサイズの洗濯機は置けないので注意しよう。
1番目の防水パンはマンションや一般家庭に多いサイズだが、ドラム式洗濯機に合わない場合がある。タテ型からドラム式への買い替えを検討している方は確認が必要だ。
1番目の防水パンはマンションや一般家庭に多いサイズだが、ドラム式洗濯機に合わない場合がある。タテ型からドラム式への買い替えを検討している方は確認が必要だ。
防水パンの種類
防水パンには大きく3種類あり、価格帯は1万円台が多い。それぞれの特徴は次の通りだ。
・フラットタイプ
防水パンに洗濯機を直置きする従来型で、凹凸などがないため掃除機を設置しやすい。ただし、洗濯機の下には隙間がほとんどないため、掃除はしにくいだろう。
・かさ上げ枠ありタイプ
防水パンの四隅に台がついているかさ上げタイプは、洗濯機の下にわずかだが隙間ができる。ただしモップなどが入るほどの高さではないものも多いため、フラットタイプと比べれば掃除はしやすいが、使える道具などは限られてくるだろう。
・かさ上げ枠なし
四隅がかさ上げされており、周囲を囲う枠がない(または枠が低いか、台が2のタイプよりも高い)防水パンもある。洗濯機の下に広い空間が生まれるため、防水パンや排水口などの掃除がしやすい。
・フラットタイプ
防水パンに洗濯機を直置きする従来型で、凹凸などがないため掃除機を設置しやすい。ただし、洗濯機の下には隙間がほとんどないため、掃除はしにくいだろう。
・かさ上げ枠ありタイプ
防水パンの四隅に台がついているかさ上げタイプは、洗濯機の下にわずかだが隙間ができる。ただしモップなどが入るほどの高さではないものも多いため、フラットタイプと比べれば掃除はしやすいが、使える道具などは限られてくるだろう。
・かさ上げ枠なし
四隅がかさ上げされており、周囲を囲う枠がない(または枠が低いか、台が2のタイプよりも高い)防水パンもある。洗濯機の下に広い空間が生まれるため、防水パンや排水口などの掃除がしやすい。
3. 洗濯機置き場の掃除を楽にするのはかさ上げタイプの防水パン

お分かりのように、洗濯機置き場の掃除が楽なのはかさ上げタイプの防水パンだ。近年人気ということもあり、買い替えなどを検討しているご家庭も多いだろう。ただし選ぶときにポイントがあるので失敗しないためにも覚えておこう。
洗濯機置き場に「かさ上げタイプの防水パン」を設置するとき
お使いの洗濯機のサイズと防水パンの内寸、排水口の位置や洗濯機置き場のスペースなどが合うかどうかは必ず確認しよう。それからもうひとつ注意したいのが「止水栓」の位置だ。止水栓とは洗濯機置き場にある蛇口のことだが、とくにフラットタイプの防水パンからかさ上げタイプの防水パンに変えるときは気をつけてほしい。
洗濯機本体のかさが高くなりすぎて止水栓に当たってしまうなど、使い勝手が悪くなるおそれがあるからだ。止水栓を買い替えたり、止水栓の位置を高くするには別途水道工事などが必要になったりするため、余計なコストがかかるおそれがある。洗濯機置き場にかさ上げタイプの防水パンを設置するときは、高さも忘れずに測っておこう。
洗濯機本体のかさが高くなりすぎて止水栓に当たってしまうなど、使い勝手が悪くなるおそれがあるからだ。止水栓を買い替えたり、止水栓の位置を高くするには別途水道工事などが必要になったりするため、余計なコストがかかるおそれがある。洗濯機置き場にかさ上げタイプの防水パンを設置するときは、高さも忘れずに測っておこう。
4. 洗濯機置き場や防水パンを掃除しよう

続いて、洗濯機置き場や防水パンの掃除方法を紹介する。
洗濯機を設置した状態で掃除する場合
- 掃除機のノズルを使ってゴミを吸引する。
- ハンディモップを洗濯機の間に差し込んで、掃除機で取れなかった細かいゴミを拭き取ろう。
- 洗濯機置き場周辺の汚れを雑巾などで水拭きして終了。
洗濯機置き場の防水パンにはホコリや髪の毛などのゴミが溜まりやすいので、モップや掃除機のすき間用ノズルを使って掃除しよう。ハンディモップがない場合は、針金ハンガーを左右に引き伸ばし、その上から不要なストッキングを巻き付けて洗濯機の下に差し入れて掃除してみよう。ストッキングの静電気によってホコリなどが取れるはずだ。
洗濯機を動かして掃除する場合
- 蛇口をしめてコンセントを抜き、アース線や排水ホース、排水エルボ(ホースと排水口を繋ぐ部品)などを取り外して洗濯機を移動させる。排水ホースを取り外すと水が出てくる場合があるので、あらかじめ用意したバケツに入れる。
- 防水パンに亀裂や破損がないかチェックしながら、雑巾で汚れを拭き取る。
- 排水口のゴミを取り除く。
- 歯ブラシなどで汚れを落とし、パイプクリーナーを流し入れる。
- 排水ホースも破損や亀裂がないかチェックしながら、雑巾で汚れを拭き取る。また、水洗いした場合は乾いた雑巾で水気を拭き取っておこう。ホースに亀裂や破損がある場合は新品と交換する。
- 所定の時間放置しておいたパイプクリーナーを、流水でよく洗い流す。
- 掃除が終わったら排水ホースなどを元通りにしておく。
年に2回は洗濯機を移動させて、防水パンや洗濯機の下を掃除しよう。洗濯機を動かすには排水ホースなどを取り外す必要があるので、ついでに排水口も一緒に掃除する。排水ホースや排水口に髪の毛や洗濯の汚れなどが蓄積しているので、掃除することで詰まりによる水漏れ防止になる。
5. 洗濯機置き場におすすめ!かさ上げタイプの防水パン3選

最後に、洗濯機置き場の防水パンをかさ上げタイプにしたい方のためにおすすめを3選紹介する。
カクダイ(KAKUDAI)「洗濯機用防水パン(水栓つき)」
内寸64×64cmのかさ上げタイプの防水パンだ。自動閉止機構が付いているほか、2mの洗濯機給水ホースと専用ユニット取り出し用の金具も付属する。
テクノテック(TECHNOTEC)「かさ上げ防水パン イージーパン」
同じく内寸64×64cmの防水パン。コンパクトな洗濯機置き場にピッタリなサイズだ。12cmほどかさ上げできるため、防水パンや洗濯機置き場の掃除も楽になるだろう。
エスピージー(SPG)「洗濯機防水パン 排水トラップセット」
ドラム式にも対応する、74×64cmの防水パン。11.8cmのかさ上げができる。排水トラップ(縦排水・横排水各1個)と、排水口を覆う目隠しカバーが付いてくる。
結論
防水パンを洗濯機置き場に設置すると、洗濯機からの水漏れ防止になるだけでなく、振動や音の軽減にもつながる。掃除を楽にする防水パンはかさ上げタイプだが、購入する際は高さや内寸、排水口の位置などを忘れずに確認しよう。