1. エアコンのドレンホースとは?
エアコンの真下の床が濡れているのを見つけたことはないだろうか?その原因は、多くの場合故障ではなくドレンホースの詰まりである。そもそもドレンホースとは何なのか、まずは基本的なところから解説しよう。
水を排水するためのホース
ドレンホースとは、エアコン使用中に発生した水を排出するためのホースだ。室外機周辺からチョロチョロと水が流れているホースを見かけたら、それがドレンホースである。エアコン本体の内部では、温度調節の際にどうしても結露が生じる。その水滴がドレンホースを通じて排水されるというわけだ。
ドレンホースは2本ある
ドレンホースは2本あるのが一般的だ。1本は室内機から伸びており、もう1本は室外機につながっている。これは冷房運転時は室内機から、暖房運転時は室外機から排水されるためである。
2. エアコンのドレンホースが水漏れや害虫の原因となる?
エアコン本体のお手入れがバッチリでも、ドレンホースが原因で水漏れすることがある。
ドレンホースが詰まって水漏れすることがある
ドレンホースの先端に植木などがのっていたり枯葉などが詰まったりしていると、穴がふさがれて排水できない。あるいは、排水した水がうまく流れず先端部分が水たまりになっている場合なども要注意だ。行き場を失った水が室内機に逆流し、水漏れを起こすことがある。室内機から水漏れした場合、真っ先にドレンホースの状態を確認しよう。障害物があれば、取り除くことで解消するはずだ。
それでも解消しなければドレンホースに汚れやホコリ、ゴミなどが詰まっていることが考えられる。手が届くなら割り箸などでかき出し、届かなければ掃除機で吸い取るなどしよう。ただし掃除機で水を吸ってしまうと故障するおそれがあるため注意が必要だ。ドレンホース専用の、ポンプタイプのクリーナーを使う手もある。
それでも解消しなければドレンホースに汚れやホコリ、ゴミなどが詰まっていることが考えられる。手が届くなら割り箸などでかき出し、届かなければ掃除機で吸い取るなどしよう。ただし掃除機で水を吸ってしまうと故障するおそれがあるため注意が必要だ。ドレンホース専用の、ポンプタイプのクリーナーを使う手もある。
ドレンホースから害虫が侵入することがある
ゴミやホコリなどが詰まっており水分も適度にあるという場合、ドレンホース内にゴキブリといった害虫が発生してもおかしくない。そのまま室内に侵入するおそれもあるため、たまには掃除をするとともに害虫対策を講じるようにしよう。
3. エアコンのドレンホースの掃除方法
エアコンのドレンホースは簡単に掃除できる。まずは先端や内部が障害物やゴミなどでふさがれていないか確認しよう。
ドレンホースがふさがれていたときの対処方法
単純に先端が何かに当たっているなどしてふさがれているだけであれば、ずらしてあげるだけでよい。ベランダなどの排水口へ向けて水が流れやすくなるような位置に調整しよう。
手が届く範囲のゴミは割り箸などで取り除く
次に、ドレンホースの中を覗いてみよう。ゴミなどが溜まっていれば取り除くことで水漏れも解消するはずだ。手が届く範囲にあるゴミは、割り箸などを使ってかき出せばよい。
ホースの奥に詰まったゴミを掃除機で吸い出す方法
掃除機と汚れてもよい薄い布、それから輪ゴムを用意しよう。手で取り除けるゴミを割り箸でかき出したら、ドレンホースの排水口に布を巻きつけ輪ゴムで固定する。あとは掃除機を当ててゴミを吸い取る。ゴボゴボなどと水を吸い込むような音がしたらすぐに離そう。
ただし上述したように、この方法は水を吸い込むなどした場合に掃除機を故障させるリスクがある。くれぐれも自己責任で行っていただくか、次に紹介するポンプを使った掃除をしよう。
ただし上述したように、この方法は水を吸い込むなどした場合に掃除機を故障させるリスクがある。くれぐれも自己責任で行っていただくか、次に紹介するポンプを使った掃除をしよう。
ホースの奥に詰まったゴミをポンプで吸い出す方法
エアコンのドレンホース用の詰まりクリーナーを用意しよう。ポンプタイプで販売されており、ネット通販やホームセンターなどで簡単に手に入る。そのほか、ゴム手袋やポンプで吸い取ったゴミを入れるビニール袋などがあればOKだ。
やり方は、まず手で取り除けるゴミを割り箸などでかき出し、ドレンホースにポンプの先端を差し込む。シリンダーをしっかり片手で持ちながら、もう片手でハンドルを引く。ゴミが吸い寄せられているはずなので、いったんポンプをドレンホースから外してビニール袋へ入れ、ハンドルを押してゴミを出そう。これを繰り返せば詰まりを解消できる。
やり方は、まず手で取り除けるゴミを割り箸などでかき出し、ドレンホースにポンプの先端を差し込む。シリンダーをしっかり片手で持ちながら、もう片手でハンドルを引く。ゴミが吸い寄せられているはずなので、いったんポンプをドレンホースから外してビニール袋へ入れ、ハンドルを押してゴミを出そう。これを繰り返せば詰まりを解消できる。
ドレンホースは2本一緒に掃除しておくとよい
お伝えしたように、ドレンホースは室内機から伸びているもの、室外機につながっているものの2本ある。どうせ1本を掃除するなら、ついでに2本とも掃除しておくと効率がよい。
4. エアコンのドレンホースの害虫対策
続いて、ドレンホースから害虫が侵入してしまうのを防ぐ方法を紹介しよう。
キャップを取り付ける
ドレンホースの先端に取り付ける防虫キャップが市販されている。もちろん水は流れるようになっているので心配は無用だ。大きめのゴミなども防げる造りになっており、100均でも手に入るので手軽に対策ができる。サイズを確認してから買うようにしよう。
ストッキングやネットをかぶせる
よりお金をかけずに対策するなら、使用済みのストッキングを巻く手もある。ただし網目が細かすぎるとホコリなどが詰まり、逆流による水漏れを招くおそれがある。心配な方は、キッチンのシンクの排水口などに使うネットで対策するとよいだろう。いずれも輪ゴムでしっかり固定することをお忘れなく。
ドレンホースを地面や壁から離す
地面や壁を伝ってドレンホースの中に害虫が侵入してしまうことがある。浮かせる、壁から離すなどして工夫しよう。羽のある虫が飛んできて入ってしまうこともあるが、キャップやネットなどと組み合わせればかなり防げるはずだ。
5. それでも水漏れが解消されないときは?
ドレンホースの位置を調節したり掃除をしたりしてもまだ水漏れが起こるときは、ドレンホースの劣化やさらに内部で何らかの不具合が発生していることなどが考えられる。寿命はケースバイケースだが、一般的には3〜5年ほどといわれているので、それくらい使用しているドレンホースだった場合は交換を検討しよう。自分で交換できないこともないが、正しく接続しなければ新たな水漏れの原因になるおそれもあるため、業者にお願いすることをおすすめする。
6. エアコンのドレンホースの劣化を遅らせるには?
エアコンのドレンホースの劣化を少しでも遅らせるには、耐候性に優れたドレンホースに取り替えることだ。屋外で風雨や紫外線などの影響を受けやすいドレンホースは、どうしても劣化してしまう。塩ビ製など、耐候性のあるドレンホースを選ぼう。また可能な範囲でカバーをかけるなどして、直射日光が当たらないようにするのもおすすめだ。あわせて、キャップやネットなどを使って害虫やゴミが入り込んでしまうのを防いでおこう。
7. ドレンホースではなく、エアコン内部の結露が原因の水漏れもある
室内機内部の結露が直接的に水漏れを招くケースもある。エアコン内部には金属製の薄い板「アルミフィン」が内蔵されている。設定温度に合わせて空気の温度調整をするものだが、冷房の設定温度によってはこのアルミフィンの温度が極端に低くなることがある。周囲の空気との温度差が大きい分だけ結露も多く発生し、排水が間に合わず水漏れを起こすことがある。
冷やしすぎなければ結露の量も少なくなるため、冷房使用時は温度をやや高めに設定して水漏れが起こりにくい状態を作ろう。そのためにもフィルター掃除が大切である。フィルターにゴミが溜まっていると冷房効率が下がり、必要以上に温度を低く設定しがちだ。フィルターは掃除機で吸い取るだけでもある程度ゴミを取り除ける。普段は簡単な掃除で済ませ、月1回取り外して歯ブラシでこすり洗いをするといった方法がおすすめだ。
冷やしすぎなければ結露の量も少なくなるため、冷房使用時は温度をやや高めに設定して水漏れが起こりにくい状態を作ろう。そのためにもフィルター掃除が大切である。フィルターにゴミが溜まっていると冷房効率が下がり、必要以上に温度を低く設定しがちだ。フィルターは掃除機で吸い取るだけでもある程度ゴミを取り除ける。普段は簡単な掃除で済ませ、月1回取り外して歯ブラシでこすり洗いをするといった方法がおすすめだ。
8. エアコンのドレンホースを延長する必要がある場合とは?
ドレンホースが原因の水漏れや対策について解説してきたが、ここからは「ドレンホースの延長」について解説していく。実は、エアコンを取り付ける環境などによってはドレンホースを延長する必要があるのだ。いざというときに困らないためにも、頭の片隅に入れておいてほしい。
室内機と室外機の距離が4m以上離れている場合
4mというのは、一般的なエアコンの取付工事に含まれている長さを基準としている。たとえば室外機が1階、室内機が2階で距離が遠い場合などは、延長しなければならないことがある。
既存のドレンホースに何らかの問題がある場合
踏まれてつぶれている、一部に亀裂があるなど正常ではないドレンホースは、その部分だけをカットしてジョイントをかませ、延長するといった方法で直せる。
9. エアコンのドレンホースを延長する方法
エアコンのドレンホースをまるまる交換するのは自分では難しいが、延長であれば自分でできることもある。
必要な道具
- ドレンホース
- カッター
- ジョイント
- 配管用のテープ
これらをそろえておこう。いずれもホームセンターやネット通販などで見つかる。なおカッターではなくハサミでもよい。また配管用のテープがなければ粘着テープでもOKだ。
延長する方法
ドレンホースに劣化などが見られず、単純に延長するだけであれば、先端にジョイントを差し込んで新しいドレンホースを接続し、配管用のテープで固定すれば完了する。ただしそのままだとかなり長いはずなので、カッターなどで適当な長さにカットしよう。一部つぶれや亀裂などがある場合は、その部分をカッターでカットし、ジョイントを差し込んで新しいドレンホースを接続する。あとは同じように配管用のテープで固定して適当な長さにカットすれば完了だ。
10. エアコンのドレンホースを延長する費用
最後に、エアコンのドレンホースの延長を自分でした場合と、業者に頼んだ場合との料金を比較してみよう。
自分でやる場合は2,500〜3,000円程度
上述した道具などをすべてそろえた場合、これくらいの費用を見ておこう。カッターや粘着テープなどはご家庭にあるものでもよいので、それを使えばさらにコストを抑えられる。
業者に頼む場合は5,000円程度〜
ドレンホースそのものの料金や作業料、出張料などトータルで5,000円以上はかかると思っておこう。ただしエアコンのドレンホースの交換だけで業者を呼ぶということはあまりないかもしれない。業者にとっても利益がよいとはいえないため、延長程度なら自分でできるようになっておいたほうがよいかもしれない。
結論
エアコンからの水漏れしたときの原因のひとつとして、ドレンホースの目詰まりがある。まずはドレンホースの状態を確認し、ゴミなどが詰まっていれば取り除こう。また室内機のフィルターも定期的に掃除することだ。エアコンの設定温度が低すぎたことによって大量に発生した結露が原因の水漏れは、自分で簡単に対処できるので覚えておこう。