目次
1. 魚焼きグリルに溜まる汚れは2種類

汚れを効果的に落とすには、汚れの種類を知ることが大切だ。まずは魚焼きグリルに付着する汚れの種類について確認していこう。
油(脂)汚れ
魚焼きグリルで調理すると余分な油(脂)を落としてくれるわけだが、その油(脂)は網や受け皿などに溜まっていく。場合によっては跳ねて庫内に付着することもあるだろう。すぐに拭き取ることができれば簡単に落とせるが、加熱直後は熱くてとてもではないが拭き取るのは困難だ。時間が経つと固まって落ちにくくなる。
焦げつき
皮や尾びれなどがこんがり焼けた魚は美味だ。だがその焦げは網などに付着する。尾びれが反り返り、庫内に焦げが付着することもある。油(脂)と交わってさらに頑固にこびりついてしまうこともある。
2. 魚焼きグリルの掃除には重曹やセスキ炭酸ソーダがおすすめ
魚焼きグリルに溜まる油(脂)や焦げつきといった汚れは酸性に分類される。したがって、これらを効率よく落とすには重曹やセスキ炭酸ソーダといった、アルカリ性のアイテムを使うとよい。
重曹
重曹が得意とする汚れは焦げつきである。研磨作用があるため、網に頑固にこびりついた焦げを落とすのにピッタリだ。また消臭作用もあることから、魚焼きグリル庫内のにおいを取り除く効果も期待できる。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ度合いが高い。したがって頑固にこびりついた油汚れやたんぱく質などの汚れを落とすのに適したアイテムである。受け皿や庫内の掃除にはセスキ炭酸ソーダを使おう。
3. 魚焼きグリルの網を掃除する方法

それでは、魚焼きグリルの掃除方法を見ていこう。まずは網から、ひとつずつ紹介していく。
用意するもの
- 重曹
- スポンジ
- メラミンスポンジ
- 汚れてもよい歯ブラシ
- ゴム手袋
- 網が浸かるくらいの桶など
これらを用意しよう。メラミンスポンジはなくても構わないが、できれば普通のスポンジで落ちない汚れがあったときのために用意しておくことをおすすめする。また適当な桶がなければ二重に重ねたポリ袋を使ったり、シンクに栓をしたりする方法でもよい。
網の掃除方法
- 桶に40℃程度のぬるま湯をはる
- ぬるま湯1Lにつき大さじ3杯の重曹を溶かす
- 網を浸して30分ほど放置する
- 時間がきたら取り出しスポンジでこすり洗いをする
- 細かい部分の汚れは歯ブラシでこすり洗いをする
- 残った頑固な汚れはメラミンスポンジでこすり洗いをする
- 流水でよくすすぎ、完全に乾かす
以上が、重曹を使って魚焼きグリルの網を掃除する方法だ。浸け置きからのこすり洗いと覚えておこう。
使用後すぐにお手入れすれば簡単に落とせる
グリルの網は魚の油(脂)や焦げつきが付着しやすいパーツだが、使用後すぐであればスポンジに食器用洗剤を含ませてこするだけで汚れが落ちる。洗剤は水拭きをしてよく拭き取ろう。焦げつきがなかなか取れないときは、網をぬるま湯に浸しておくだけでもふやけて取れやすくなる。ただし使用後はかなり熱くなっているはずなので、直後ではなくほどよく冷めてからお手入れするようにしてほしい。
4. 魚焼きグリルの受け皿を掃除する方法

続いて、魚焼きグリルの受け皿を掃除する方法だ。こちらは油汚れが多く溜まるため、セスキ炭酸ソーダを使うとよい。
用意するもの
- セスキ炭酸ソーダ
- 空のスプレーボトル
- スポンジ
- メラミンスポンジ
- ゴム手袋
セスキ炭酸ソーダは水に溶かしてスプレーとして使う。空のスプレーボトルを用意し、水500mlに対して小さじ1〜2杯を溶かしておこう。
受け皿の掃除方法
- 受け皿を取り外してシンクに置く
- セスキ炭酸ソーダスプレーを全体に吹きかける
- スポンジでこすり洗いをする
- 頑固な汚れはメラミンスポンジを使ってこすり洗いをする
- 流水でよくすすぎ、完全に乾かす
セスキ炭酸ソーダは頑固にこびりついた油汚れもキレイに落としてくれる。成分が残らないようにしっかりすすぎ、水気を切ってよく乾かしておこう。
網と一緒に浸け置き洗いでもOK
スプレーボトルがない、あるいはごく軽度の油汚れであるといった場合は、網と一緒に重曹を溶かしたぬるま湯に浸け置きしてもよい。
5. 魚焼きグリルの庫内を掃除する方法

グリル庫内は掃除しづらいパーツだが、油(脂)の飛び跳ねや焦げが付着しているので掃除はしたほうがよい。ここではセスキ炭酸ソーダを使った掃除方法を紹介しよう。
用意するもの
- セスキ炭酸ソーダ
- 空のスプレーボトル
- 雑巾(できれば3枚)
- 汚れてもよい薄めの布
- ゴム手袋
- 割りばし
- 輪ゴム
まずは先ほどの手順でセスキ炭酸ソーダスプレーを作っておこう。また薄めの布にはセスキ炭酸ソーダスプレーを含ませ、割り箸に巻きつけて輪ゴムで固定しておこう。手が届きにくい奥のほうを掃除する際に使うものだ。なお雑巾を3枚としたのは、汚れを拭き取るために1枚、水拭きに1枚、仕上げの乾拭きに1枚使うという理由だ。ただし最後の乾拭き分はなくてもよい。少なくとも2枚は用意しておこう。
庫内の掃除方法
- グリル庫内にセスキ炭酸ソーダスプレーを吹きつける
- 30分ほど放置したのち、ゴム手袋をはめて雑巾で拭き取る
- 布を巻いた割り箸で、手の届かない場所の汚れを拭き取る
- 水に濡らして固く絞った雑巾で水拭きをする
- 別の乾いた雑巾で乾拭きをする(雑巾の枚数に余裕があれば)
雑巾の枚数に余裕がない、適切な薄めの布が見つからないというときは、庫内を拭き掃除した雑巾を裏返すなどして割り箸に巻きつけてもよい。そのあたりは臨機応変に対応してほしい。ただし成分が残らないよう、水拭きだけはしっかり行っておこう。
庫内の頑固な汚れには「パック」がおすすめ
庫内に頑固な汚れがあったときは、セスキ炭酸ソーダスプレーを吹きつけた上からキッチンペーパーを貼り、さらにたっぷりスプレーしてから30分ほど放置しよう。したたり落ちてしまいそうなときはラップで覆うのもよい。そのあとに拭き掃除をすればキレイに落ちるはずだ。
使用後すぐなら汚れは簡単に落ちる
網などと同じように、使用後すぐにお手入れをすれば汚れが定着する前なので簡単に落とせる。食器用洗剤とスポンジを使ってこすり洗いをしたのち、水拭きで仕上げよう。くれぐれもヤケドにはご注意を。
6. 魚焼きグリルの排気口を掃除する方法

続いて、意外と忘れがちな魚焼きグリルの排気口の掃除方法を紹介する。
用意するもの
- 「ジフ」などのクレンザー
- 汚れてもよい薄い布
- 割り箸
- 輪ゴム
- ゴム手袋
布の代わりにキッチンペーパー、割り箸の代わりに菜箸などでもよい。またクレンザーではなく、今回紹介してきたセスキ炭酸ソーダスプレーなどでもOKだ。使いやすいアイテムを選んでほしい。
排気口の掃除方法
クレンザーまたはセスキ炭酸ソーダスプレーなどを含ませた布を、割り箸の先に巻きつけて輪ゴムで固定する。それを使って排気口を掃除していこう。布は面を変えながら、キッチンペーパーは何枚か取り替えながらコツコツ汚れを落としていくのがポイントだ。終わったら、水に濡らした布またはキッチンペーパーを割り箸などに巻きつけて水拭きをして仕上げよう。排気口カバーの部分は、スポンジに食器用洗剤を含ませてこすり洗いをし、最後に雑巾などで水拭きをして仕上げよう。
7. 魚焼きグリルの臭いを取る方法

魚焼きグリルにはどうしても臭いが染みついてしまう。油汚れや焦げが取れても臭いだけ残っていることもある。その場合は、次のいずれかの方法を試してみよう。
茶葉やコーヒーの出し殻を空焼きする
茶葉やコーヒーの出し殻などには脱臭効果がある。当然体に害はないうえ、本来は捨てるはずのものを再利用できるので経済的だ。魚焼きグリルを使用したあと、水気を軽く切った茶葉やコーヒーの出し殻を受け皿に敷き、水分が飛ぶまで5分程度弱火で加熱しよう。触れられるくらいまで温度が下がったら、通常通り廃棄すればOKだ。
重曹をふりかける
上述のように重曹にも脱臭作用がある。グリル庫内に、できるだけ薄くかつ、まんべんなくふりかけよう。ひと晩などしばらく放置したのち、拭き取って水拭きをして仕上げれば完了だ。
柑橘類の皮で磨く
ミカンやグレープフルーツといった柑橘類の皮にも消臭効果が期待できる。皮でグリルを拭けばイヤな臭いを抑えられるだろう。錆を防ぐため、皮で拭いたあとは水拭きをして成分が残らないようにしよう。
8. 魚焼きグリル掃除を楽にする使い方のコツ

魚焼きグリルをまるごとキレイにする掃除方法を紹介してきたが、使うたびにここまでするのは面倒だ。掃除を少しでも楽にするためのコツを最後に紹介しよう。
網にアルミホイルを敷く
焼き加減が変わってしまうおそれがあるが、この方法なら網や受け皿はほとんど汚れないため、使用後はアルミホイルを捨てるだけで済む。
網に酢かサラダ油を塗る
薄く酢またはサラダ油を塗っておくと、焦げが張りつきにくくなる。ただし酢の場合はにおいが移るおそれがあるため気をつけよう。
受け皿に水溶き片栗粉を入れる
魚焼きグリルを使う前に、水300mlに大さじ4杯の片栗粉を溶かしたものを受け皿に流し込んでおこう。油が片栗粉に吸収され、冷えると固まる。そのまま剥がして捨てればOKだ。
受け皿にグリルストーンを敷く
油やにおいを吸収してくれるのがグリルストーンだ。石の遠赤外線効果によってふっくら美味しく焼き上がるともいわれている。数回使用するたびに交換が必要なためランニングコストはかかるが、試してみる価値はあるのではないだろうか?
結論
魚焼きグリルには油(脂)汚れや焦げつきが付着する。庫内は狭くて暗いうえ奥まっており、また網は目が細かいなど掃除しにくい設備ではあるが、放置するほど頑固な汚れが溜まってしまう。焼き魚をより美味しく食べるためにも、ぜひ本稿で紹介した魚焼きグリルの掃除方法をマスターしてキレイに保っていただきたい。