目次
- 便器の洗浄・除菌・ウイルス除去:便器の内側に原液を2プッシュかけ、こすらずに2〜3分待って水で流す
- 便座や便ふた、タンクやタイルなどの洗浄・除菌:1プッシュ分を水1Lで薄め、布を浸してよく絞ったのち拭き掃除をしたら、入念な水拭きで拭き取る
- 便器の水たまりに1袋投入し、大量の泡が発生してから30分以上放置する
- 泡が出なくなるまで水で洗い流せば(フラッシュすれば)完了
1. トイレ掃除にキッチンハイターを使わないほうがよい理由
「トイレの黒ずみなどの掃除はキッチンハイターで落とせる」といった情報も散見されるが、無闇矢鱈に使用することは控えたほうがよいだろう。その理由から解説する。
そもそも用途外である
「キッチンハイター」「キッチン泡ハイター」いずれも布巾やまな板、食器などキッチンまわりおよびキッチン用品などの殺菌・漂白・ヌメリとり・消臭などを目的とした商品だ。一部、ドアノブに付着したウイルスの除去や、冷蔵庫の中の除菌・消臭といった使い方もあるが、これらはいずれもメーカー(花王)が公式に紹介しているものである。
キッチンハイターやキッチン泡ハイターの用途に「トイレ掃除」は含まれていないため、そもそも用途外であることは理解しておこう。
便器メーカーがNGとしているケースもある
TOTOは基本的に家庭用の洗剤であれば液性(酸性・中性・アルカリ性)問わず使用できるとしているが、強力なアルカリ性洗剤などの使用はNGとし、基本的には「トイレ用中性洗剤」を推奨している。またウォシュレット掃除などに用いた場合、速やかに拭き取らないと洗剤の気化ガスがウォシュレット本体内に入り込み、故障する原因になるとしている。
LIXILも、強いアルカリ性洗剤や漂白剤は、アクラセラミック・プロガード仕様といったコーティングを傷つけるおそれがあるためNGとし「トイレ用中性洗剤」を推奨している。パナソニックもまた「トイレ用中性洗剤」「トイレ用漂白剤」はOKであるが、アルカリ性洗剤はNG(湿布法を用いて掃除する場合は除く)としている。
トイレ掃除に効果的かもしれないがトラブル発生時は自己責任である
キッチンハイターの主成分は、塩素系漂白剤やカビ取り剤にも含まれる「次亜塩素酸ナトリウム」だ。強い殺菌と漂白作用を持ちノロウイルスやサルモネラ菌、大腸菌などの消毒にも効果的とされている。黒カビの細胞を破壊し、黒い色素を分解して落とす効果もある。したがって、トイレ掃除に使用できるかできないか、といえばできる可能性は高い。
しかし仮に効果があったとしても、メーカーが実験などをおこなっていない使用方法や、パッケージなどに記載された用途以外への使用はメーカー非推奨だ。したがってキッチンハイターやキッチン泡ハイターをトイレ掃除に使用して何らかのトラブル(変色、故障等)が発生しても、すべて自己責任ということになる。
こうしたことからも、キッチンハイターやキッチン泡ハイターを本来の用途ではないトイレ掃除に使用することは控えたほうがよいだろう。
2. トイレ掃除はキッチンハイターではなくトイレ専用のハイターを

トイレ掃除は、やはりトイレ掃除専用の洗剤を使うのが正解だ。ハイターにもトイレ専用の商品がラインアップされているので紹介しておこう。
「除菌洗浄トイレハイター」で落とせる汚れと使用方法
便器やタンク、便座や便ふた、タイルなどの洗浄・除菌・ウイルス除去に使用できる商品だ。液垂れしにくく汚れに密着するジェル状になっており、ノズルも逆さなので便器のフチ裏にもかけやすい。
【使用方法】
「トイレハイター 水ぎわ・水底スッキリ」で落とせる汚れと掃除方法
強力に発泡するタイプの洗浄剤だ。便器内の水たまり部分の洗浄・除菌・ウイルス除去に使用できる。ブラシでこすらずとも、水たまり部分に発生した黒ずみや黄ばみを落としてくれるという。なお使用できるのは洋式水洗トイレのみなので注意しよう。
【使用方法】
3. そもそもトイレの悪臭や黒ずみ汚れの原因は?

トイレの便器の悪臭や黒ずみの原因を知っておこう。
悪臭は尿ハネなどによるアンモニア臭が主な原因
トイレ特有の「あの」アンモニア臭の原因は、尿の成分が変化する際に発せられるものだ。男性が立って小用を足したり、便ふたを開けたまま水を流したりすると、便器のまわりだけでなく壁や床まで尿などが飛び散る。それをエサとする雑菌が繁殖し、尿の成分が分解されるときにアンモニア臭が発生する。
黒ずみは雑菌の繁殖やカビが主な原因
トイレのタンクにカビが繁殖すると、洗浄で流れたときに便器内にも付着する。これをエサに細菌類やカビが繁殖し、やがて黒ずみ汚れとなって目に見えるほどになってしまう。
結論
トイレの頑固な黒ずみや悪臭といった汚れは、通常のトイレ用中性洗剤だけでは落とせないことも多い。そんなとき、塩素系漂白剤のひとつであるキッチンハイターがあれば使いたくなるのが自然かもしれない。だが用途外であること、トイレ専用のハイターが販売されていることなどから、やはりきちんと「トイレ専用の洗剤」を選び使用することをおすすめする。