目次
- 1. ビニール傘は何ごみに分類される?
- 2. 自治体別にビニール傘の正しい捨て方を紹介
- 3. ビニール傘の骨組みなどを分解して捨てる必要があるときは?
- 4. ビニール傘が「不燃ごみ」や「金属ごみ」などに分別される理由
- 5. ビニール傘が大量にあるときの捨て方は?
- 6. ビニール傘の正しい捨て方は自治体で異なると覚えておこう
- ※1:環境省_廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!
https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html
1. ビニール傘は何ごみに分類される?

ビニール傘は何ごみに分類されるのだろうか?なお本稿におけるビニール傘は、主にコンビニなどで手に入る透明もしくは乳白色といった傘を前提としているが「傘」でひとくくりにしている自治体も多い。そのため、いわゆるごく普通の傘であれば同じと考えてよいだろう。
意外と迷うビニール傘の捨て方
ビニール傘にはさまざまな素材が用いられている。たとえば傘地(生地)はビニールだが、シャフトは金属であり、石づき(先端)や手元(ハンドル)はプラスチックといった具合だ。そのためいざ捨てようとしたとき、可燃ごみなのか不燃ごみなのか、はたまた粗大ごみなのか資源ごみなのかなどで迷うことがある。あるいは分解し、素材ごとに分別したうえで捨てるのが正しいのだろうか。
ビニール傘が何ごみに分類されるかは自治体で異なる
ビニール傘の分別方法や正しい捨て方については、自治体によって異なる。すなわち「正しい捨て方」もさまざまであるため、まずはお住まいの自治体のホームページなどをチェックし、ビニール傘が何ごみに分類されるのかを見ておくことが大切だ。
2. 自治体別にビニール傘の正しい捨て方を紹介

上述したように、ビニール傘の捨て方は自治体によって異なる。以下にいくつか例を挙げるので、ひとつの参考にしてほしい。なおいずれも2022年1月13日時点、各自治体のホームページで確認できたものだ。一部を抜粋しているため、最新情報およびより詳細な情報は各自治体のホームページでご確認いただきたい。
自治体別にビニール傘の捨て方の例を紹介
【札幌市】
「燃やせないごみ(有料)」。40リットルの指定ごみ袋から飛び出してしまうものでも、その大部分が袋に収まっており、かつ口をしっかり結べる場合はごみステーションに出せる。
【仙台市】
「家庭ごみ」。緑色の指定ごみ袋に入れたうえで、一般的なごみと一緒に集積所に出す。
【さいたま市】
「もえないごみ」。ただし90cmを超えるものについては「粗大ごみ」になる。粗大ごみの場合は処理施設に直接持ち込む(現金払い)か、戸別回収(予約制)といった方法で処分できる。
【江東区】
「燃やさないごみ」。そのほか特筆すべき事項は見当たらなかったが、概ね30cm以上の大きなごみは「粗大ごみ」としているため、一応確認しておいたほうがよいだろう。
【品川区】
「陶器・ガラス・金属ごみ」。こちらも、一辺の長さが概ね30cm以上のものは「粗大ごみ」となる。ただし粗大ごみの処理手数料の欄には「傘立て」こそあるが「傘」が記載されていないため、やはり確認しておくと安心だろう。
【世田谷区】
「不燃ごみ」。世田谷区でも30cm以上のものは「粗大ごみ」としているが耐久消費財(長期間使用できるもの)が対象のようだ。したがってビニール傘は含まれないと考えてよいだろう。
【横浜市】
金属の骨組みは「小さな金属類」。30cmを超えるものもOKだ。一方ビニール部分は「燃やすごみ」となる。ただ分解できない場合はそのまま「小さな金属類」として出す。
【川崎市】
「小物金属」。本来30cmを超えるものは「粗大ごみ」となるが、傘に関しては30cmを超えてもOKとしている。
【横須賀市】
ビニールは外して「燃せるごみ」。金属の骨組みは「集団資源回収の『缶以外の金属』」となる。なお骨組みがカーボンファイバーの場合は、ビニールを外さず「燃せるごみ」に出す。また骨組みが金属でもビニールを外せないときは「不燃ごみ」となる。
【名古屋市】
「不燃ごみ」。そのほかに特筆すべき事項は見当たらなかった。
【京都市】
「家庭ごみ」。柄の部分などは多少袋からはみ出してもOKとしている。ただし家庭ごみとして出せるのは、1袋につき2本まで。1袋3本以上となる場合は「大型ごみ」になる。
【大阪市】
「普通ごみ」。こちらも特筆すべき事項は見当たらなかった。
【神戸市】
「小型の金属類」。多少袋からはみ出してもOKなので、45リットルの指定ごみ袋に斜めに入れるなど、できる限り奥まで入れて口を結ぶようにとのことだ。
【倉敷市】
「粗大ごみ」。複合製品の場合、ビニールなどを取り除くと「資源ごみ」になる。
【福岡市】
「燃えないごみ」。袋からはみ出してもOKなので、そのまま指定ごみ袋に入れて出す。
3. ビニール傘の骨組みなどを分解して捨てる必要があるときは?

お分かりのように、ビニール傘の正しい捨て方は自治体によってやや異なる。「不燃ごみ」「燃えないごみ」といった分別方法が多いようだが、中には横浜市のように「分解できるものは分解し、それぞれ分別したうえで捨てる」としている自治体もある。
ビニール傘を分解する方法とは?
分解というと大変に思えるが、石づき(先端部分)をペンチなどで外し、ビニールと金具の接合部分を外すなどすれば、意外と簡単にビニールと骨組み、プラスチックなどに分解できる。金属パーツはとくに、ごみ袋が破れないよう丁寧に入れよう。またごみ袋から飛び出したりバラバラになったりしないように、紐やテープなどでまとめておくとより安全だ。
4. ビニール傘が「不燃ごみ」や「金属ごみ」などに分別される理由

ところで、ビニール傘といえば生地がビニールなわけだが、一般的にビニールは「可燃ごみ」「燃えるごみ」に分別される。だがそのビニールが付いたままのビニール傘を「不燃ごみ」「金属ごみ」などとして捨てるよう指定している自治体も多い。この理由はどこにあるのだろうか?
金属のほうが割合が大きいとの判断か
ビニールは一般的に「燃えるごみ」であるが、分解できないケースもある。その場合、金属パーツの割合が大きいと判断して「不燃ごみ」あるいは「金属ごみ」などとするケースがある。自治体ごとに異なる処理能力などの問題もあるかもしれないが、基本的にはこうしたことが理由だと思ってよいだろう。
逆に「可燃ごみ」「燃えるごみ」とする自治体もある
とはいえ、仙台市や京都市、大阪市などのように普通の「家庭ごみ」あるいは「普通ごみ」といった分別方法を指定している自治体もある。こちらはビニールのほうが割合が大きいという判断に基づくものかもしれない。いずれにせよ、お住まいの自治体のルールを確認することが肝心だ。
5. ビニール傘が大量にあるときの捨て方は?

2〜3本程度であればとくに悩むことはないかもしれないが、10〜20本など大量にあるビニール傘はどのように処分すればよいのだろうか?
基本的にはコツコツ捨てていくしかない
自治体のルールに沿って、1本ずつ捨てていくというのがもっとも基本になるだろう。ただし京都市のように、1袋3本以上になると「家庭ごみ」から「大型ごみ」になるといったケースもある。一気に処分したいときは、自治体に問い合わせて確認しておくと安心だ。
まだ使えるビニール傘なら買取や売却といった方法も
これはかなりレアなケースになるかもしれないが、まだまだ十分機能するビニール傘で、かつ20本などまとまった本数をお持ちなら、もしかするとリサイクルショップで買い取ってくれたり、フリマアプリなどで売却できたりするかもしれない。
無許可の不用品回収業者には絶対に依頼しないこと
「一般廃棄物(一般家庭から排出されるごみ)」を回収できるのは、自治体の委託を受けている業者、あるいは自治体の「一般廃棄物処理業許可」を得ている業者だ。「産業廃棄物(事業所から排出されるごみ)収集運搬業許可/処理業許可」や「古物商」といった免許では回収できない。
こうした無許可の業者に依頼してしまうと、不法投棄といった不適正処理のリスクや、法外な料金を請求されるといったリスクがある。トラブルを防ぐためにも無許可の業者には絶対に頼まないようにしよう。(※1)
6. ビニール傘の正しい捨て方は自治体で異なると覚えておこう

さまざまな素材が使われているビニール傘は、いざ捨てようとしたとき分別に迷うアイテムのひとつだ。お伝えしてきたように自治体ごとに異なるため、とにかく自治体のホームページなり引っ越しの際に受け取るガイドなりで確認しておこう。とくに引っ越しをされた方は、以前住んでいた自治体とルールが異なることも考えられる。「〜だろう」と決めつけず、確認して適切に処分しよう。
結論
ビニール傘の捨て方、分別方法は自治体で異なる。一度に出せる本数が決まっていたり、分解が必要だったりする自治体もあるので、事前に正しい捨て方を確認しておこう。なお本稿では「ビニール傘」としたが、基本的には「傘」でひとくくりにしている自治体がほとんどである。
(参考文献)