1. 洗濯機パンとは?
まずは洗濯機パンの基礎から学んでいこう。詳しい役割と一緒に説明する。
洗濯機の下に敷くトレーのようなもの
洗濯機パンとは、洗濯機の下に設置されている白いプラスチック製の受け皿のことをいう。「防水パン」「洗濯パン」などと呼ばれることも多い。ただし、近年は住宅事情から洗濯機パンを設置しないご家庭も増えてきている。
洗濯機パンの主な役割
・水漏れのさいに直ちに床が濡れてしまうのを防ぐ
・洗濯機を回しているときの振動や騒音を抑える
・洗濯機下や裏に結露が生じ床が劣化してしまうのを防ぐ
・排水口に洗濯カスやヘドロなどが詰まり、水が溢れてしまうのを防ぐ
・洗濯機の下に隙間ができ通気性がよくなるため、カビや悪臭が発生しにくくなる
・洗濯機を回しているときの振動や騒音を抑える
・洗濯機下や裏に結露が生じ床が劣化してしまうのを防ぐ
・排水口に洗濯カスやヘドロなどが詰まり、水が溢れてしまうのを防ぐ
・洗濯機の下に隙間ができ通気性がよくなるため、カビや悪臭が発生しにくくなる
2. 洗濯機パンの取り付けは必要?
最近では洗濯機パンを設置していないご家庭も多い。では取り付ける必要はあるのだろうか。
「必要」ではないがさまざまなトラブルを防ぐことができる
近年では、水が溢れない仕組みになっている洗濯機が増えてきている。設置の義務はなく、水漏れがなければとくに必要はない。しかし、洗濯機の故障や排水ホースの劣化、排水口のつまりを完全に防ぐことはできないだろう。このようなトラブルが発生したとき、洗濯機パンがないとすぐに床がびしょ濡れになる。万が一のトラブルを防ぎたいなら、洗濯機パンの設置を検討してほしい。
集合住宅や賃貸物件の場合はとくに取り付けをおすすめしたい
たとえば排水ホースの接続不良などで水漏れした場合、洗濯機の周辺に水が溢れ出してしまう。集合住宅などで階下へ水漏れ被害が及んでしまえば、大きなトラブルの元だ。内装や家具、家電が壊れると賠償責任が発生することもある。
賃貸物件の床なども過度に傷めば、退去時に修理しなければならないだろう。洗濯機パンを設置することで水漏れ自体を防げるわけではないが、まずパンに水が溜まっていくので直ちに床が水浸しになるのを防ぐことができる。
賃貸物件の床なども過度に傷めば、退去時に修理しなければならないだろう。洗濯機パンを設置することで水漏れ自体を防げるわけではないが、まずパンに水が溜まっていくので直ちに床が水浸しになるのを防ぐことができる。
洗濯機パンなしの賃貸物件だった場合は?
賃貸物件で洗濯機パンがない場合、勝手に取り付けることはできない。設置したいときはまずは大家や管理会社に相談しよう。
3. 洗濯機パンの種類とサイズ
洗濯機パンの取り付けを検討しているときは、まず種類やサイズを確認する。サイズが内寸なのか、外寸なのかといったポイントも重要だ。
洗濯機パンの種類
・フラットタイプ
・かさ上げタイプ(枠なし)
・かさ上げタイプ(枠あり)
フラットタイプはパンの中に凹凸がなく、枠だけがやや高くなっているものだ。さまざまな種類の洗濯機に対応しているが、パンと洗濯機の底面との隙間が狭くなるため掃除がしづらいという欠点がある。
その欠点を解消できるのがかさ上げタイプだ。洗濯機の脚を乗せる四隅が盛り上がっているので、パンと洗濯機の底面との隙間が広くなる。ただし、洗濯機と洗濯機パンのサイズが異なるとガタつくことがあるので注意。なお、四隅だけが盛り上がっているのが枠なし、四隅と枠が盛り上がっているのが枠ありだ。
・かさ上げタイプ(枠なし)
・かさ上げタイプ(枠あり)
フラットタイプはパンの中に凹凸がなく、枠だけがやや高くなっているものだ。さまざまな種類の洗濯機に対応しているが、パンと洗濯機の底面との隙間が狭くなるため掃除がしづらいという欠点がある。
その欠点を解消できるのがかさ上げタイプだ。洗濯機の脚を乗せる四隅が盛り上がっているので、パンと洗濯機の底面との隙間が広くなる。ただし、洗濯機と洗濯機パンのサイズが異なるとガタつくことがあるので注意。なお、四隅だけが盛り上がっているのが枠なし、四隅と枠が盛り上がっているのが枠ありだ。
洗濯機パンの代表的なサイズ
・正方形タイプ 幅640×奥行640mm
・長方形タイプ 幅740×奥行640mm
・長方形タイプ 幅800×奥行640mm
上記が代表的な3サイズだが、600×600mmといったコンパクトタイプも登場している。すでにパンを使っており交換する場合は、今お使いのパンを測ればよい。
一方、引っ越し先にパンがなく新たに購入する場合や、洗濯機を買い替える場合などは、サイズを確認してから購入しよう。ドラム式は幅が広いタイプが多く、洗濯機パンに入らないことがあるので正確に測ることが重要だ。
・長方形タイプ 幅740×奥行640mm
・長方形タイプ 幅800×奥行640mm
上記が代表的な3サイズだが、600×600mmといったコンパクトタイプも登場している。すでにパンを使っており交換する場合は、今お使いのパンを測ればよい。
一方、引っ越し先にパンがなく新たに購入する場合や、洗濯機を買い替える場合などは、サイズを確認してから購入しよう。ドラム式は幅が広いタイプが多く、洗濯機パンに入らないことがあるので正確に測ることが重要だ。
600や740などのサイズは内寸?外寸?
上記で紹介したサイズは外寸だ。洗濯機を置きたい場合は、まず内寸を測ることが重要になる。足回りが内寸より大きい洗濯機は、設置できないので注意しよう。メーカーの仕様を確認すれば、対応する洗濯機パンが記載してある。
4. 洗濯機パンの掃除方法
洗濯機パンが汚れていると、トラブルが発生することがあるので注意が必要だ。においやカビの原因にもなるので、定期的に掃除してほしい。
洗濯機を動かさずに掃除する方法
洗濯機を動かすのは難しいので日頃の掃除はそのまましよう。洗濯機パンの内側を、雑巾などを使ってキレイに拭き取る。手が届かない場所の掃除には、柄の長いハンディモップがおすすめだ。また、針金ハンガーにストッキングを巻きつけた道具を自作してもよい。
洗濯機を動かして掃除する方法
本格的に掃除をするなら洗濯機を動かす必要がある。まずは蛇口をしっかりと閉めて、コンセントやアース線、排水ホース、給水ホースを抜いておく。洗濯機を移動させたら、洗濯機パンの内側や周辺を雑巾を使って拭こう。
排水口や排水トラップの掃除も忘れずに
洗濯機を移動させたなら、排水口や排水トラップも併せて掃除しておきたい。排水トラップを使っている場合は、取り外して洗剤とスポンジで洗う。排水口の汚れには排水管専用の洗剤を活用してほしい。
5. 洗濯機パンが邪魔をして掃除できないときの対処方法
洗濯機パンの形によっては掃除が難しいことがある。掃除をしないリスクと、おすすめの対処法を紹介しよう。
排水口の汚れを放置するのはNG
洗濯したときに発生する、洗濯カスや糸くずの一部は排水口に流れる。蓄積すれば落ちにくい黒いヘドロになるので注意が必要だ。排水口が詰まってしまい漏水の原因となるため、放置せず定期的に掃除してほしい。
洗濯機パンをかさ上げすれば掃除がしやすくなる
フラットタイプの洗濯機パンは掃除がしにくい。「かさ上げ」で高さをあげれば掃除が簡単になるので検討しよう。かさ上げタイプの洗濯機パンに交換する方法と、アイテムを使った方法がある。ちなみに、かさ上げ(枠あり)タイプより、かさ上げ(枠なし)タイプのほうが掃除がしやすい。
6. 洗濯機パンをかさ上げタイプに交換する場合の費用について
かさ上げしたいなら、洗濯機パンの交換を業者に依頼するのが確実だ。費用の目安や自分でできるのかなど、気になるポイントを解説する。
洗濯機パンの交換を業者に頼んだ場合の費用の目安
業者によって料金設定が異なるほか、付帯工事の有無などによっても変わってくるが、おおよその目安として3〜5万円程度(洗濯機パンの商品代込み)を見ておくとよいだろう。止水栓を交換する費用なども考慮すると4〜6万円が妥当なところだ。ただし、別途で費用がかかることもあるので、まずは見積もりをとろう。
洗濯機パンの取り外しや取り付けは自分でもできる?
洗濯機パンを交換する場合、排水口の位置が変わる可能性が高い。床に穴を開けたり、パイプを接続したりといった作業が必要なケースがある。自分でこういった工事をするのは難しく、破損などのトラブルが発生する可能性もあるだろう。交換は専門的な技術を持った業者に頼んでほしい。
7. 洗濯機パンを交換する際の注意点
洗濯機パンを交換するときの注意点を紹介する。トラブルを避けるために、あらかじめチェックしておこう。
サイズは必ず測っておく
もっとも基本的なことだが、お使いの洗濯機のサイズとパンのサイズが合うかどうかは、必ず確認しておこう。大きい分にはまだ何とかなるが、小さいとどうしようもない。使用する洗濯機が、洗濯機パンの内寸に収まるようにサイズを選ぼう。
かさ上げタイプに交換する場合は止水栓の位置も確認する
止水栓とは洗濯機用の蛇口だ。ほとんどのご家庭で、洗濯機よりも上に設置されている。かさ上げタイプのパンを選べば、当然ながら洗濯機の位置も高くなる。止水栓にぶつかってしまうような場合は交換できないため気をつけよう。なお止水栓を交換してぶつからないようにすることもできるが、その場合は別途工事費用などが生じる。
排水口の位置と洗濯機パンの穴の位置が合うか確認しておく
洗濯機パンは、商品によって排水口の位置が異なる。ご家庭の排水口の位置と洗濯機パンの排水口の位置が合うかどうかも、忘れずにチェックしておこう。
8. 洗濯機パンを交換せずにかさ上げできるアイテム3選
専用のアイテムを使用すれば、洗濯機パンを交換しなくてもかさ上げが可能だ。3つのアイテムを紹介するので、ぜひ活用してほしい。
テクノテック「イージースタンド」
設置すれば洗濯機の下に隙間が生まれる。2種類の高さを用意しているので、さまざまなメーカーの洗濯機パンに対応か可能だ。掃除がしやすくなるのはもちろん、振動や振動音の軽減も期待できる。
因幡電工「ふんばるマン」
ずれ落ち防止リブがついており、振動で洗濯機が落ちる心配が少ない。洗濯機パンの角に合った形なのでスッキリと収まる。洗濯機パンがあるときはもちろん、ないときにも使えるのが特徴だ。
新生産業「洗濯機かさ上げ台 マルチメゾン」
四隅のブロックを十字のセンタートレイでつなげることで、安定性を実現。脱水時の振動でも動きにくい。取り外し可能なカバーが付属しており、下の隙間にお子さんが手を入れるといったトラブルも防げる。
9. 洗濯機パンで水漏れなどのトラブルを未然に防ごう
洗濯機パンがあれば水漏れなどのトラブルを防げる。最近の洗濯機は水漏れしにくい仕組みになっているが、集合住宅や賃貸ならぜひ取り付けてほしい。賃貸で洗濯機パンを設置したいならまず大家や管理会社に相談しよう。
洗濯機パンは掃除がしやすいかさ上げタイプがおすすめだ。自分で取り付けるのは難しいので業者に依頼しよう。スペースや使用する洗濯機によって適したサイズが違うため、あらかじめ確認しておいてほしい。
洗濯機パンは掃除がしやすいかさ上げタイプがおすすめだ。自分で取り付けるのは難しいので業者に依頼しよう。スペースや使用する洗濯機によって適したサイズが違うため、あらかじめ確認しておいてほしい。
結論
洗濯機パンがなくても洗濯に支障はないが、水漏れがあったときに役立つ。トラブルを予防したいなら取り付けを検討してほしい。掃除の手間を軽減したい場合は、かさ上げタイプに交換してもよいだろう。業者に依頼する方法以外では、アイテムを使うことでかさ上げできるので、紹介した商品を参考にしてほしい。