目次
1. フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンの洗い方

さっそくフライパンの洗い方を解説していこう。まずは一般的なフライパンに多く見られる、フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンからだ。ちなみにテフロンとはフッ素樹脂のひとつでアメリカ・デュポン社の登録商標である。フッ素樹脂とテフロンの区別がつかない方もいるかもしれないので、本稿では併記させていただく。
フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンのメリット・デメリット
アルミニウムやステンレス製のフライパンにフッ素樹脂(テフロン)をコーティングしたものである。水や油を弾きやすく、食材がこびり付きにくいことから汚れを落としやすいフライパンとして人気だ。熱伝導率が高く火加減を調節しやすいほか、表面加工されているため錆が発生しにくいのも特徴である。
一方、熱伝導率の高さゆえ高温・強火といった調理には適さない。また金属ヘラなど硬いものを使うとコーティングが傷つき、水分や油、食材などが入り込むとフッ素樹脂が剥がれてしまうことがある。そのため木製やゴム(シリコン)製のヘラなど柔らかい調理道具を使うようにしよう。
一方、熱伝導率の高さゆえ高温・強火といった調理には適さない。また金属ヘラなど硬いものを使うとコーティングが傷つき、水分や油、食材などが入り込むとフッ素樹脂が剥がれてしまうことがある。そのため木製やゴム(シリコン)製のヘラなど柔らかい調理道具を使うようにしよう。
フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンの洗い方
- 余熱があるうちにキッチンペーパーなどで大まかな汚れを拭き取る
- 柔らかいスポンジに食器用中性洗剤を含ませて優しく洗う
- 流水でよくすすぎ、水気を拭き取ってからしっかり乾かす
使用後のフライパンには食材の残りや油が付着しており、その状態のまま時間が経つと冷えて固まってしまう。フライパンが温かいうちに、キッチンペーパーなどで大まかな汚れを拭き取っておくとその後のお手入れが楽になる。洗い方としては、柔らかいスポンジに食器用中性洗剤を含ませて優しくこするのが正解だ。金属たわしやスポンジたわしの硬い部分、クレンザーなどを使ってこすると表面が傷つくため控えよう。
フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンを洗うときの注意点
使用直後の、まだ熱い状態のフライパンにいきなり冷水をかけてしまうのはNGだ。急激な温度変化によってフッ素樹脂(テフロン)が剥がるおそれがある。フライパンが熱いうちに洗いたいときは必ずお湯やぬるま湯を使うようにしよう。また汚れ落としに漂白剤や食洗機用洗剤などアルカリ性の洗剤を使うと、フッ素樹脂(テフロン)が傷むおそれがあるため控えよう。
2. フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンが焦げついたときの洗い方

フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンが焦げついてしまったときの洗い方も覚えておこう。
お湯で焦げを落とす方法
金属たわしやクレンザーで焦げをこするとフライパンの表面が傷ついてしまう。お湯で焦げを柔らかくして落とす方法がもっともスタンダードだ。まずはフライパンの焦げが浸る程度の水を入れ、中火にかけて沸騰させる。しばらく煮立たせたら火を止め、一晩放置しよう。次に、柔らかいスポンジで優しくこすり落として流水でよくすすぐ。あとは水気をしっかり拭き取って乾燥させれば完了だ。
重曹で焦げを落とす方法
水に溶けた重曹を加熱すると二酸化炭素の泡が発生し、焦げを浮かせて落としやすくしてくれる。焦げが浸る程度の水をはり重曹を入れよう。目安は水100mlに対して小さじ1~2杯だ。なお重曹は熱湯に入れると発泡し吹きこぼれる。必ず水の状態で入れてから火にかけよう。準備ができたらフライパンを弱火で加熱して煮立たせる。火を止めて数時間からひと晩放置し、柔らかいスポンジでこすり落として流水でよくすすぐ。水気を拭き取って乾かせば完了だ。
3. フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンを長く使うコツ

洗い方とあわせて長持ちさせる使い方のコツもぜひ覚えておこう。
調理は弱火から中火で
熱伝導率が高い=熱しやすく冷めやすいという特徴があり、強火で調理するとコーティングの寿命が縮むことがある。また一般的にフッ素樹脂は耐熱温度が250℃前後といわれている。こうしたことから、弱火または中火で調理するように心がけよう。強火の調理は後述の鉄製フライパンやスキレットなどがおすすめだ。
食材を入れたままにしない
長時間食材を入れたままにしてしまうと、水分や細かい食材カスなどが入り込んでしまうことがある。せっかくのコーティングが劣化したり剥がれたりする原因にもなるため、調理後は速やかに盛り付けるなどしてフライパンの中に食材を入れたままにしないようにしよう。
空焚きはしない
熱伝導率が高いため、1分ほどですぐに高温になってしまう。空焚きはフライパンの寿命を縮めるおそれがあるため控えよう。
硬い調理器具は使わない
先ほど軽く触れたが、金属ヘラなどを使うと傷がつき、汚れが入り込んだり焦げつきやすくなったりしてしまう。木製やゴム(シリコン)製といった、柔らかい調理器具を使うようにしよう。
クレンザーなど研磨剤は使わない
洗うときは、食器用中性洗剤と柔らかいスポンジを使って優しく洗おう。クレンザーなどの研磨剤を使うとコーティングが剥がれてしまうため控えることだ。頑固な焦げなどは、本稿で紹介した落とし方を試してほしい。また手早く洗うのも済ませるのも長持ちさせるコツだ。余裕があれば、上述した通り事前にキッチンペーパーなどで汚れを拭き取っておくことをおすすめする。
熱いうちに冷水をかけない
こちらも上述のように、急激な温度変化によってコーティングが剥がれてしまうのを防ぐため、熱いうちに冷水をかけるのはやめておこう。どうしても熱いうちに洗うときはお湯を使おう。
4. 鉄製フライパン(スキレット)の洗い方

続いて、料理男子ならぜひ使いこなしたいスキレットなど鉄製フライパンの洗い方を解説する。
鉄製フライパンのメリット・デメリット
鉄製フライパンのメリットは、なんといっても頑丈である点、丁寧に使えばそれこそ一生モノになるくらい長持ちする点だろう。また高温に強いためチャーハンやステーキなど強火で一気に仕上げたい調理にも向いている。蓄熱性が高く、いつまでも食べ物が温かいのも特徴だ。その一方で、お手入れに手間がかかる点、油断すると錆びてしまう点、油の量や調理方法によっては焦げつきやすい点などはデメリットになってくる。
鉄製フライパンの洗い方
- 余熱があるうちに、たわしやスポンジを使ってお湯で洗い流す
- キッチンペーパーや乾いた布などで水気を拭き取る
- フライパン内部に残っている水分を飛ばすため、空焼きをする
- フライパンがまだ熱いうちに油を薄く塗って馴染ませる
- 熱が冷めたら、湿気の少ない場所へ収納する
空焼きしたあとに油を薄く塗る際は、キッチンペーパーと菜箸を使って伸ばすとよい。また食べ物がこびりついているときは熱湯を入れるか、水をはって煮立たせると柔らかくなり落としやすくなる。湿気の多い場所に収納してしまうと錆などの原因となるため気をつけよう。
鉄製フライパンに洗剤を使うのがダメな理由
鉄製フライパンやスキレットは、表面に油を浸透させて油膜を形成する「油ならし」をすることで、錆や焦げ付きを防止している。食器用中性洗剤などを使って洗うと、その油膜が流れてしまうことから洗剤は使用不可にしているメーカーが多い。
とはいえ一部、食材の汚れやにおいがひどい場合は洗剤を使って洗ってもよいとするメーカーもあるため、一概に「ダメ」と言い切れないところがあるのも事実だ。ただし、その場合も洗ったあとは必ず油ならしをして油膜を形成しておくことだ。洗剤が使えるかどうかは、取扱説明書や各メーカーのホームページなどで確認しよう。
とはいえ一部、食材の汚れやにおいがひどい場合は洗剤を使って洗ってもよいとするメーカーもあるため、一概に「ダメ」と言い切れないところがあるのも事実だ。ただし、その場合も洗ったあとは必ず油ならしをして油膜を形成しておくことだ。洗剤が使えるかどうかは、取扱説明書や各メーカーのホームページなどで確認しよう。
鉄製フライパンの錆の落とし方
金属たわしなどにクレンザーを含ませ、錆をこすり落としたのち水洗いをしよう。水気を拭き取ったら空焼きして水分を飛ばし、油を薄く塗って馴染ませれば完了だ。
5. 鉄製フライパン(スキレット)が焦げついたときの洗い方

鉄製フライパンやスキレットは油断しているとすぐに焦げついてしまう。だが次の洗い方を知っておけば簡単に落とせる。キャンプなどでも使えるのでぜひマスターしておこう。
お湯で焦げを落とす方法
フライパンにお湯をはって加熱し煮立たせる。焦げがふやけて浮いてきたら金属ヘラやたわしなどでこすり落として水洗いをする。キッチンペーパーや乾いた布で水気を拭き取り、空焼きをして水分を飛ばしたら、油を薄く塗って完了だ。
焦げを炭化させて焼き切る方法
フライパンを強火で加熱し、焦げが炭化したら火を止める。熱が冷めたら金属ヘラやたわしなどで焦げをこすり落とし、お湯で洗い流そう。キッチンペーパーや布などで水気を拭き取ったら空焼きし、油を薄く塗れば完了だ。
6. 鉄製フライパン(スキレット)を長く使うコツ

鉄製フライパンやスキレットはきちんとお手入れをすれば長く使える。次のようなポイントを覚えておこう。
油ならしをする
一部不要な鉄製フライパンもあるが、基本的には最初に使う前に油ならしをする。具体的なやり方は商品によって異なるが、強火で空焼きをして表面全体が青白くなったところで油を加える。次に野菜くず(捨てるようなものでOK)を軽く炒めて火を止める。鉄製フライパンが十分に冷めたら野菜くずを捨てて、たわしまたは柔らかいスポンジなどを使ってぬるま湯で洗う。最後に空焼きをして水分を飛ばし、油を薄く塗って馴染ませれば完了だ。
十分熱してから食材を入れる
調理の直前、火にかけたら煙が立ちはじめるまで十分加熱したのち、油を全体によく馴染ませてから食材を入れるようにしよう。
油は適量を使う
ヘルシーな料理を作りたいときなどは油の量を抑えたくなるかもしれないが、油が少ないと焦げつきやすくなる。多すぎる必要はないが、食材に対して適量の油を使うように心がけよう。
洗剤は使わない
お伝えしたように、一部OKのメーカーはあるものの、基本的には洗剤を使わずに洗うことだ。水またはぬるま湯と、たわしまたはスポンジを使うだけで十分落とせる。
空焼きと油ならしは毎回行う
鉄製フライパンにとって水分は大敵だ。洗ったあとはキッチンペーパーなどで水気を拭き取るとともに、空焼きをして内部の水分もしっかり飛ばしておこう。その後、キッチンペーパーや菜箸を使い、油を薄く塗って馴染ませる作業もセットで覚えておこう。
湿気が溜まりやすい場所に保管しない
錆の原因になるため、シンク下など湿気が溜まりやすい場所に保管するときは気をつけよう。しばらく使わないときなども要注意だ。どうしても適切な場所が見当たらないときは、新聞紙で包んだり除湿剤・乾燥剤を置いたりなどひと工夫取り入れよう。
7. ステンレス製のフライパンの洗い方

フライパンといえばフッ素樹脂(テフロン)加工または鉄製が多いが、ステンレス製のフライパンも人気だ。せっかくなのでこちらも洗い方を解説しておこう。
ステンレス製のフライパンのメリット・デメリット
錆にくく耐久性に優れている点や、見た目がスタイリッシュでオシャレな点などはステンレス製のフライパンの大きなメリットだ。熱伝導性が低い(熱しにくく冷めにくい)ため、温まるまでは時間がかかるが、食べ物が冷めにくいという特徴がある。
一方、重量がある点やステンレスがむき出しなので食材がこびりつきやすい点などはデメリットになる。やや「使い勝手がよくない」と感じる方が多いかもしれないフライパンだ。
一方、重量がある点やステンレスがむき出しなので食材がこびりつきやすい点などはデメリットになる。やや「使い勝手がよくない」と感じる方が多いかもしれないフライパンだ。
ステンレス製のフライパンの洗い方
食器用中性洗剤を含ませたスポンジで、優しくこすり洗いをしよう。金属たわしやスポンジの硬い面、クレンザーなどを使うのは控えたほうがよい。こすり洗いのあとは流水でよくすすぎ、キッチンペーパーや布などで水気を拭き取ってから乾燥させよう。錆が発生しているほかの金属に触れると「もらいさび」する場合があるため保管場所にも配慮が必要だ。
8. アルミ製(セラミックコート)のフライパンの洗い方

最後にもうひとつ、アルミ製でセラミックコートが施されているフライパンの洗い方も説明しよう。
アルミ製(セラミックコート)のフライパンのメリット・デメリット
アルミ製のフライパンに、真っ白なセラミックコートが施されているフライパンだ。見た目にキレイなうえ、食材もよく見えるのが特徴である。硬くて摩耗しにくく、商品にもよるが金属ヘラなども使えるのがメリットだ。ただしフッ素樹脂(テフロン)加工と同じく、急激な温度変化には弱いといった欠点があるため取り扱いには気をつけよう。
アルミ製(セラミックコート)のフライパンの洗い方
十分に冷めたら、食器用中性洗剤とスポンジを使って洗おう。硬いとはいえ金属たわしおよびスポンジの硬い面を使ってのこすり洗い、研磨剤を使ったお手入れなどは控えたほうがよいだろう。、冷どうしても落としにくい汚れがあるときは、ぬるま湯をはって食器用中性洗剤を溶かし、しばらく浸け置きしておくとよい。
結論
フッ素樹脂(テフロン)加工のフライパンと鉄製フライパン(スキレット)を比較しても分かるように、素材が異なれば洗い方もまったく変わる。本稿で紹介した素材別の洗い方をぜひ参考にしていただき、フライパンを長く使っていただきたい。なお細かい洗い方や注意点は商品によって異なる場合があるため、あわせて取扱説明書やメーカーのホームページもチェックしておこう。