1. 重曹とクエン酸の違いとは?

重曹とクエン酸の具体的な違いはなんだろうか。性質の違いや特徴を理解したうえで掃除に活かそう。
重曹(炭酸水素ナトリウム)
温泉の天然成分でもある弱アルカリ性の物質で、厚生労働省の既存化学物質にも登録されており、掃除や食品・医薬品など幅広い用途に用いられる。酸性の汚れを中和する作用があるため皮脂汚れの掃除に適しており、除湿・消臭作用や粒子による研磨作用もある。
一方で、重曹での掃除が適さない素材もある。たとえばアルミは化学反応による変色のおそれがあり、漆器は研磨作用により傷がついてしまう可能性がある。
一方で、重曹での掃除が適さない素材もある。たとえばアルミは化学反応による変色のおそれがあり、漆器は研磨作用により傷がついてしまう可能性がある。
クエン酸
お酢や柑橘類に含まれる酸味成分で、手あかや水あかなどアルカリ性の汚れを中和する作用があり、消臭効果も期待できる。ただし、鉄やアルミなどの貴金属は酸化によるサビの発生のおそれがあるため、クエン酸での掃除は適さない。
2. 重曹とクエン酸を合わせてできる炭酸水の効果

重曹とクエン酸にはそれぞれの洗浄作用があるが、この2つを合わせると別の洗浄作用が生まれる。重曹のアルカリ性とクエン酸の酸性が混ぜると中和反応が起こり、二酸化炭素が発生し炭酸水になる。この時に出る泡が、こびりついた汚れを浮かし落ちやすくしてくれる。
とはいえ、炭酸水はあくまで汚れを浮かび上がらせるだけだ。アルカリ性と酸性の中和反応により成分も中和されてしまうため、洗剤の効果が強くなるわけではないのだ。もっと強い洗浄効果を求めるなら、重曹よりアルカリ度が高い洗剤を使ったほうがよいだろう。
とはいえ、炭酸水はあくまで汚れを浮かび上がらせるだけだ。アルカリ性と酸性の中和反応により成分も中和されてしまうため、洗剤の効果が強くなるわけではないのだ。もっと強い洗浄効果を求めるなら、重曹よりアルカリ度が高い洗剤を使ったほうがよいだろう。
3. 重曹とクエン酸を使った排水溝の掃除方法

重曹とクエン酸を合わせてできる炭酸水は泡で汚れを浮かせる力があるため、キッチンやお風呂などの排水溝のヌメリ取りに向いている。以下に掃除のポイントを紹介するのでぜひ実践してほしい。
用意するもの
- 重曹(粉末)100g
- クエン酸(粉末)50g
- お湯
- スポンジ
- 歯ブラシ
手順
- 排水溝の部品をはずして、まわりのゴミをとる(はずした部品も2~6と同様の手順で掃除する)
- 重曹をまんべんなく排水溝にふりかけ、15分ほどおく
- クエン酸をふりかけ、お湯を注いで数分おく
- スポンジや歯ブラシで軽くこすり汚れを落とす
- 泡を洗い流し、1で外した部品を戻す
4. 重曹のみの使用がよい掃除もある

排水溝のヌメリを落とせる炭酸水だが、全ての汚れに対応しているわけではない。
これまでに解説したとおり、皮脂などの酸性の汚れには重曹のみでの掃除がおすすめだ。たとえば洗濯槽の汚れは皮脂汚れのため、重曹のみでの掃除がよい。また重曹は消臭効果も高いので、洗濯槽のにおいも落とすことができる。
それでは重曹を使った洗濯槽の洗浄方法を解説する。
これまでに解説したとおり、皮脂などの酸性の汚れには重曹のみでの掃除がおすすめだ。たとえば洗濯槽の汚れは皮脂汚れのため、重曹のみでの掃除がよい。また重曹は消臭効果も高いので、洗濯槽のにおいも落とすことができる。
それでは重曹を使った洗濯槽の洗浄方法を解説する。
洗濯槽の掃除方法
- ゴミ取りネットをはずし、洗濯槽に満水位置まで水かお湯をためる
- 重曹200gを洗濯槽に入れる
- 標準コースで洗濯機をまわし、5分したら停止させる
- 5時間程度(可能なら一晩)放置し、浮いてきた汚れをすくい取る
- もう一度洗濯機を回し、汚れが浮いたらすくい取る
- すすぎと排水を2〜3回、汚れが浮かなくなるまで行う
- 洗濯機の蓋を開け、洗濯槽をよく乾かす
注意すること
- 重曹は40~50度のお湯が最も効果が高まるので、洗濯槽の対応温度に注意しできるだけ高い温度のお湯で掃除する
- ドラム式洗濯機の場合、満水まで水を入れるとこぼれる可能性があるので水を少なめに入れる
- 手順7で洗濯槽に湿気が残ると、カビの発生につながるため完全に乾かす
結論
なかなか落ちない排水溝のヌメリ取りには、重曹とクエン酸を合わせた炭酸水がおすすめだ。ただし炭酸水での掃除は万能ではないため、重曹とクエン酸の違いと特徴を理解し、それぞれの掃除に適したものを選ぼう。さらに掃除が捗るはずだ。洗剤を扱うときは、肌荒れ防止のために手袋をつけよう。