目次
1. 包丁の正しい捨て方は自治体で異なる

不要になった包丁をキッチンに置いておくわけにはいかない。そうかといってどこかへ保管するのもケガなどのおそれがあるため危険だ。したがって処分することになるわけだが、正しい捨て方をご存知だろうか?
捨て方は自治体で異なる
ご家庭で使うような一般的な包丁であれば、一般的には「不燃ごみ」としての捨て方になるだろう。ただし自治体によっては「金属ごみ」など細かく指定している場合もある。以下に一例を紹介するが、まずはお住まいの地域のごみ出しルールを確認しよう。
札幌市の場合
厚紙で包み、指定ごみ袋に「キケン」と表示したうえで「燃やせないごみ」として処分する。
さいたま市の場合
紙で包み「包丁」と表示したうえで「燃えないごみ」として処分する。
品川区の場合
新聞紙などで包み「キケン」と表示したうえで「陶器・ガラス・金属ごみ」として処分する。
川崎市の場合
厚紙で包み「包丁キケン」などと表示したうえで「小物金属」として処分する。
横浜市の場合
新聞紙などに包み、品名を表示したうえで一般的な包丁は「小さな金属類」として、セラミック包丁は「燃えないごみ」として処分する。
名古屋市の場合
丈夫な紙などに包み「キケン」と表示したうえで「燃えないごみ」として処分する。
京都市の場合
厚紙などで全体を包み、ごみ袋の中央に入れるなど危険のないようにして「燃やすごみ」として処分する。
大阪市の場合
厚紙に包んで袋に「キケン」と表示したうえで「普通ごみ」として処分する。
神戸市の場合
紙に包んで指定袋に入れ、外から見て分かるように「キケン」と表示したうえで「燃えないごみ」として処分する。
福岡市の場合
厚紙で包み「危険」と表示したうえで「燃えないごみ」として処分する。
このように「燃えないごみ」としている自治体が多いものの、一部「金属ごみ」「燃やすごみ」といった自治体もあることが分かる。うっかりルール違反しないためにも、必ずお住まいの地域のルールを確認しておこう。
このように「燃えないごみ」としている自治体が多いものの、一部「金属ごみ」「燃やすごみ」といった自治体もあることが分かる。うっかりルール違反しないためにも、必ずお住まいの地域のルールを確認しておこう。
2. 包丁の安全な捨て方とは?

包丁をそのままごみ袋に入れるのは絶対にNGだ。回収する人がケガをするおそれもあるし、あとからごみ出しにきた人がケガをするおそれもある。子どもなどが転んで包丁むき出しのごみ袋に突っ込んでしまうなどすれば大ケガどころでは済まないかもしれない。安全な捨て方について解説するので、ぜひ覚えておこう。
用意するもの
- ダンボールや厚紙(なければ新聞紙や布など)
- ガムテープ
- 自治体指定のごみ袋
- 油性ペン
- 軍手
包丁の安全な捨て方
- 安全のために厚手の軍手をつける。厚手の軍手が無い場合は2枚重ねる
- 刃の部分にダンボールや厚紙を何重にもグルグルと巻き付ける
- その上からガムテープを何重にもグルグルと巻き付ける
- 包丁とダンボールや厚紙がきちんと固定されているか確認する
- 自治体指定のごみ袋に入れて口を閉じる
- ごみ袋の目立つところに油性ペンで「キケン」「包丁」などと書く
- 各自治体の包丁の捨て方に沿ってごみ収集日に出す
ダンボールや厚紙の巻き方が不十分だと刃が袋を突き破ってしまうおそれがある。グルグルと何重にも巻き付けると同時に、ズレてしまわないようしっかり固定しよう。また梱包作業をする際は手を切ったりしないよう十分注意してほしい。刃は自分のほうを向けずに作業しよう。
なお自治体によってはごみ袋ではなくダンボールや厚紙のまま出すようにとしているところもある。その場合は、ダンボールや厚紙に「キケン」「包丁」などと分かりやすく書いておこう。
なお自治体によってはごみ袋ではなくダンボールや厚紙のまま出すようにとしているところもある。その場合は、ダンボールや厚紙に「キケン」「包丁」などと分かりやすく書いておこう。
ほかのごみと一緒に捨ててもよい?
包丁をごみとして捨てる場合、たとえば不燃ごみであればそのほかの不燃ごみと同じ袋に入れて捨てる、といったことは避けたほうがよいだろう。中には神戸市のように「ほかの燃えないごみと別袋にする必要はない」としている自治体もあることはある。だが、一緒にしてしまうと回収する人がケガをするなど他人を危険な目に遭わせてしまうおそれがある。念には念を入れて、より安全と思える選択をしてほしい。
3. セラミック包丁の捨て方は?

近年人気のセラミック包丁は陶器でできている。一般的な包丁と異なり金属ではないのだが、捨て方に違いはあるのだろうか?
セラミック包丁のごみ区分は?
陶器は基本的に不燃ごみに区分される。しかし包丁は刃物であり危険なため、自治体によっては一般的な不燃ごみと分別方法を変えている場合がある。また先ほど紹介した横浜市のようにセラミックの包丁は燃えないごみ、金属の包丁は金属ごみといったケースもある。やはり事前に自治体のルールを確認しておくとともに、不明な部分は問い合わせておくと安心だ。
4. 包丁の処分を不用品回収業者に依頼するのはアリ?

結論をいえばやめたほうがよいだろう。もちろん相談すれば回収してもらえるかもしれない。だがデメリットやリスクもある。
不用品回収業者に頼むメリット
日時さえ合えば休日でも夜間でも引き取りにきてくれる点はメリットだろう。
不用品回収業者に頼むデメリット
たかだか1本の包丁に高額な費用がかかる場合がある。そもそも自治体の「燃えないごみ」などであれば無料だ。これだけでも不用品回収業者に依頼するメリットはないだろう。
無許可(違法)な業者はとくに注意
一般家庭から出る廃棄物を回収できるのは、自治体から委託を受けている業者や、自治体から一般廃棄物処理業の許可を得ている業者のみだ。産業廃棄物処理業や古物商などでは回収できない。環境省も「街なかを大音量で巡回している」「空き地で回収している」「チラシを配布している」「ネット広告を出している」といった業者は無許可の可能性が高いため依頼しないようにと注意喚起している(※1)。
5. 包丁を捨てるかどうかの判断基準は?

単に切れ味が落ちた程度であれば、プロに研いでもらうなどして復活させられるだろう。だが次のようなケースは買い替えを検討したほうがよいかもしれない。
刃が大きく欠けた
軽度の刃こぼれくらいはプロに研いでもらうことで直る場合がある。料金も数百円から高くて数千円なのでお気に入りの包丁であればそのほうがよいだろう。だが大きく欠けたり折れたりした包丁で、もう何年も使っている場合などは思い切って買い替えを検討してはいかがだろうか?
持ち手部分が外れてしまう
持ち手と刃が外れてしまうという場合、刃の柄元部分が錆びていたり、穴が広がってしまったりしていることが考えられる。この時点でかなり年季が入っているのではないだろうか?直せる場合もあるが、研ぐよりも高額になるようなら買い替えをおすすめする。また外れるまではいかなくとも、刃がグラグラするといった場合も要注意だ。硬い食材などを切ろうとして折れたり手を滑らせたりすると大ケガをするおそれがある。やはり早めの買い替えをおすすめする。
6. 包丁を捨てるときに「供養」は必要?

包丁はリサイクルされて新たな「鉄」に生まれ変わる。包丁としての一生を終え鉄へと生まれ変わる前に「供養」をすることもある。刃物店などで請け負ってくれることがあるので、お気に入りの包丁だった、長年お世話になった、思い入れのある包丁だったなどという場合は相談してみてはいかがだろうか?
7. 包丁は自治体のルールに沿って安全な捨て方を

お伝えしてきたように、包丁の捨て方は「燃えないごみ」が多いものの自治体によって異なるケースもある。正しい捨て方を確認しておくとともに、安全に捨てるための梱包の仕方なども正しく身につけておこう。
結論
包丁は少し触れただけでも手指を切ってしまうおそれがある危険物だ。なにかのはずみで刺さってしまえば人の命をも奪いかねない。安全のためにも、刃の部分は絶対に露出しないよう厳重に梱包し、自治体のルールに則った正しい捨て方をしよう。
(参考文献)
- 1:環境省_廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!
https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html