目次
1. そもそも土鍋が焦げるのはなぜ?

レシピ通りに調理したにもかかわらず土鍋が焦げてしまったという場合、次のような原因が考えられる。
火力が強すぎた
最初に考えられるのが、火力が強すぎたということだ。確かに、土鍋ご飯などは強火で一気に炊きあげるため火加減を強めにすることが多い。だがこのような調理方法はどうしても焦げつきやすくなる。土鍋の焦げを防ぐためにも、火加減は弱めにするとよいだろう。
長時間火にかけすぎた
これも焦げの原因となる。土鍋で調理をする際はできるだけそばを離れず、焦げのにおいに気づいたらすぐに火を止めるよう心がけよう。またみんなで鍋を囲む際など、カセットコンロの火をかけたままにすると焦げることが多い。煮えたら一旦火を止めるなど、加熱時間に注意しよう。
具材を入れすぎた
鍋の中にたくさんの具材を入れすぎると、火にかけているうちにいちばん下にある具材が焦げついてしまうことがある。これを防ぐには、一度に入れる具材の量を多すぎないように調整することと、こまめに鍋の中を混ぜることだ。
目止めをしていない
土鍋は最初に使う前に目止めをするのが基本だ。これを忘れると、使っていくうちに焦げやすくなってしまう。なお目止めについて詳しくは後述しているので、ご存じない方はぜひ参考にしてほしい。
2. 土鍋の焦げを落とすのに必要なアイテム

土鍋の焦げは洗剤を使わなくても落とせる。むしろ洗剤を使うと土鍋に吸収されてしまうおそれがあるため、基本的に使わないことと覚えておこう。
土鍋の焦げを落とすのに必要なアイテム
- 重曹
- 酢
- スポンジ
必要な道具はたったこれだけだ。焦げついてしまった食材の種類によって重曹と酢を使いわける。酢を常備しているご家庭は多いが、重曹はないかもしれない。100均やドラッグストア、ホームセンターやネット通販などあらゆる入手方法があるので、ぜひこの機会にひとつ持っておくことをおすすめする。
重曹と酢で落とせる理由
- 重曹が効く焦げ:米、卵、肉類、魚類、穀類、砂糖など酸性の食品
- 酢が効く焦げ:野菜、きのこ、海藻、果物、大豆などアルカリ性の食品
焦げなどの汚れを落とすには、いかに効率よく中和させるかが重要になる。重曹は弱アルカリ性、酢は酸性である。したがって酸性の食品の焦げには重曹が、アルカリ性の食品の焦げには酢が有効というわけだ。
3. 重曹で土鍋の焦げを落とす方法

それでは実際に焦げを落とす方法を見ていこう。まずは米や肉、魚など酸性の食品による焦げを落とす方法からだ。
重曹を使った焦げの落とし方
- 土鍋に8分目くらいまで水を入れる
- 大さじ4杯の重曹を加えて火にかける
- 沸騰したら火を止めひと晩置いておく
- 翌日スポンジでこすり洗いをする
- 焦げが落ちたら流水でよくすすぐ
重曹は火にかける前に入れるようにしよう。軽度の焦げであれば、数時間放置しただけで落ちることもあるが、逆に頑固な焦げだった場合は1回では落ちないことがある。そのときは上記の手順を何度か繰り返し、少しずつ落としていくようにするとよい。
4. 酢で土鍋の焦げを落とす方法

続いて、酢を使って土鍋の焦げを落とす方法を紹介する。こちらは野菜や海藻、果物などアルカリ性の食品による焦げに有効な方法だ。
酢を使った焦げの落とし方
- 柔らかいたわしで焦げを軽く落とす
- 土鍋に8分目くらいまで水を入れる
- 50~70ccの酢を加えて火にかける
- 沸騰したら火を止めひと晩置いておく
- 翌日スポンジでこすり洗いをする
- 焦げが落ちたら流水でよくすすぐ
最初に軽くたわしで焦げを落とす以外は、重曹を使うときと同じ流れだ。なおたわしは天然素材の柔らかいものを使うようにしよう。
5. 土鍋の焦げを落とす際にやってはいけないこと

土鍋の焦げを落とすにあたって、いくつか注意事項があるので覚えておこう。
金属製のたわしは使わない
「金たわし」「ステンレスたわし」などは、まさに頑固な焦げつきやしつこい油汚れなどを落とすのに最適なアイテムだ。だが土鍋に使うと傷がつき、余計に焦げつきやすくなってしまうため、使わないようにしよう。
アルミホイルは使わない
同じように、丸めたアルミホイルでこするのもNGだ。鉄製などであればOKだが、土鍋の場合は傷がついてしまう。場合によっては黒く変色してしまうこともあるため、使わないほうがよいだろう。
クレンザーは使わない
研磨剤が入っているクレンザーも使ってはいけないアイテムのひとつだ。土鍋に傷がつくだけでなく、クレンザーに含まれる成分を土鍋が吸収してしまうおそれもある。ナチュラルアイテムの重曹と酢、そして柔らかい天然素材のたわしとスポンジを使うことを徹底しよう。
6. 土鍋の焦げを防ぐには「目止め」が肝心

火力に注意する、火にかけている時間に注意する、具材を入れすぎないといったことも土鍋を焦げから守るために大切なことだ。だが正しい使い方をしていても焦げついてしまうことがある。その場合、目止めをしていないことが原因かもしれない。
目止めとは
土鍋には、目に見えない無数の小さな穴があいている。その穴に水分が入り込むと焦げつきや汚れ、水漏れやひび割れなどを招くことがあるのだが、それを防ぐために行う作業が目止めだ。具体的にはでんぷん質でコーティングするのだが、そのやり方も覚えておこう。
米の研ぎ汁を使った目止めのやり方
- 土鍋の8分目くらいまで「米の研ぎ汁」を入れる
- 火にかけて沸騰したら弱火にして20〜30分ほど待つ
- 時間がきたら火を止め、自然に冷めるのを待つ
- 指で触れられるくらいまで冷めたら研ぎ汁を捨てる
- スポンジで優しく洗ってすすぎ、乾いたキレイな布で拭き上げる
- しっかり乾燥させて完了
新しい土鍋を購入したら、最初に使う前にこの目止めをするようにしよう。もちろん、すでに使っている土鍋で目止めをしていないものがあれば、今からでもやっておいたほうがよい。
7. 土鍋のカビを落とす方法はある?

土鍋の焦げ落としがテーマだが、せっかくなのでカビの落とし方についても紹介しておこう。目に見えるカビはもちろん、なんとなくカビ臭がするというときも、次の方法でお手入れしてみてほしい。
酢で落とす方法
先ほど紹介したやり方と手順は同じで構わない。酢には殺菌作用があるため、軽度のカビであればこれで解消できる可能性がある。
茶葉または出し殻で落とす方法
土鍋の8分目くらいまで水を注ぎ、茶葉または出し殻をひとつかみして投入する。そのまま中火にかけ、沸騰したらさらに10分ほど煮込んで火を止めよう。指で触れられるくらいになるまで自然に冷まし、水洗いと乾拭きをしてしっかり乾燥させればキレイに落ちているはずだ。
8. 土鍋のカビやひび割れ予防は「乾燥」が重要

土鍋にカビが生えたりひび割れが生じたりするのを防ぐには、しっかり乾燥させることが何よりも重要になる。濡れたままの状態で箱に入れたり棚の奥底にしまったりするのはNGだ。
土鍋をしっかり乾燥させる方法
表面が乾いていても、内部が湿っていればカビやひび割れを招くおそれがある。洗ったあとはすぐにしまわず、底面を上にした状態で少なくとも1日、できれば2日ほど風通しのよい場所で乾燥させよう。乾いたあとも箱へは入れず、新聞紙に包むなどして風通しのよい場所で保管するのが正解だ。シンク下の棚などは湿気が溜まりやすいため、できれば避けたほうがよいだろう。
結論
土鍋の焦げは重曹や酢で落とせる。すでに焦げついてしまった土鍋は、紹介したやり方でキレイにしてあげよう。これから土鍋を購入予定の方は、目止めをして焦げやひび割れから守るとともに、火力や火にかける時間、乾燥など取り扱ううえでの注意点もしっかり覚えておいてほしい。